かわいいやさしい蜘蛛の糸(0621)
ふつかめのカレーのにおいがする、さみしいときはおいしいご飯やあまいものを食べるのがいちばんで、その瞬間だけは本質的なさみしさや苛立ちに気が付かなくってすむのだけれど、そういえばわたしはもう少しやせたいのだったな、とばくばく食べてしまったあとにぼんやり自分をきらいになったりする、そういうことの繰り返しで毎日を生きています。
おそろしく自信のない自分と、おそろしく自信家な自分がいつも同居しているきもち、わたしは自分の愛らしさも書くものも価値観もこの声すら愛しているけれど、あなたにそれを届けるとき、過剰に飾り立てたりしてしまうの、矛盾、していますか、にんげんは矛盾しているところがいとしい、って、いつだって言葉にも詩にもしていたい、そうやってわたしの不完全さをゆるして愛してあげたい、
嘘、愛して、ほしいです、自分からの愛だけじゃ賄えないほどの空腹、生活(それもきっとひとより堕落した)してるだけで、こんなにお腹が空くなんて、燃費の悪いからだ。かわいい。
インスタントに食べたもののこと、忘れちゃうみたいにわたしのこと忘れないでね、だからインスタントになりたくない、のに、もっと気軽に何度も消費されていたいとも思う、大袈裟な薬に、しんでしまうほどの毒にいつだってなってだれかの身体がほしかったのに、カップラーメンみたいに手軽に、気負わず、堕落した生活を肯定する一部にもなりたかった。
要はずっとあなたのそばにいたいだけです、
わたしの書くものが、そばにいるということは、わたしがそばにいるのとほとんど変わらなくって、
わたしの書くものを、愛したり憎んだりすることは、わたしを愛したり憎んだりすることとほとんど変わらなくって、だから、そうしてほしいだけです。
ねぇことしも夏が来るね、また、夏が来ちゃうんだね、
美しいからだも美しい詩も利用して、とっととあなたのメガミになりたいよ。
生活になるし、だからそのうち詩になります。ありがとうございます。