わたしに0621回目の恋をしてほしい

あ、ほらまた、苦しみばかりをかまってわたしのこと放ったらかしにしたでしょう。
  
 
 
幸福、と呼ぶのは癪に障るそいつは痩せた身体でジトっとこちらを見るけど、それでも相変わらずわたしなんかがいなくても大丈夫そうだし、わたしのものになってくれなさそうだから構う気になれない。
苦しみばかり見つめるのは本当に忘れたいことなんかひとつもないからで、怒りを、妬みを、かなしみを蓄えてわたしはどうにか身体を動かしている。
 
 
帰り道、毎年見かける場所で今年は紫陽花を見かけなくって、それともあれかな、わたしがぼんやり歩いている間に枯れてしまったのかしら。
どっちでもかなしいし、かわいい傘を買ってからまだいちども雨に振られていなくて、そういうものだよねと思う。
 
 
髪を伸ばそうと思ったの、急だけど、理由はないけど、できるだけ自分のこと好きでいたいだけだけど。
 
 
 
まわりくどい言い方をしないと自分の気持ちを整理できないようなわたしが、詩を書いていること、恋するくらい軽率に馬鹿みたいに運命だと思いたかった。
信仰を恋だと呼ぶのをやめてから自分のことくらいしか宗教にしていないのに、ときどきかみさま、と呼びかける、祈っているのではなく、脅迫しているような気持ちで。






生活になるし、だからそのうち詩になります。ありがとうございます。