10月のある日「最後の思い出」
ハロウィンのイベントをやっていたころなので、少し前のことになってしまうけれど、家族でディズニーランドへ行ってきた。三人家族での最後の思い出にということで、妻が企画したものだ。しかも今回は近くのホテルに泊まる一泊二日の、ちょっとした家族旅行だ。とはいっても二日連続でディズニーを満喫するというものではなく、ランドで遊ぶのは一日目だけで、帰りを気にしなくて良い分、夜まで遊ぼうという趣旨だ。
実は夏に車も買ったので(中古だが)、時間に縛られなくて済むし、なにより電車やバスでの移動での疲労は免れる。まぁ、僕が運転を頑張ればだけれど、そのくらいは僕も頑張ろう。ホテルの予約や当日のチケットは妻が取ってくれたのだ。
前日までの間に、Googleマップで道順を調べておいた。いわゆる予習だ。便利な時代になったもんで、一度も走ったことのない道でも事前にイメージトレーニングができる。おかげでスムーズに行けた。中古で買ったフリードにはカーナビがついておらず、安かったけれど不安だったが、Googleマップで十分だということもわかったし、ガソリン車だけれど近所を乗ってるだけだと9km/Lとか表示されていて、マジ摑まされたかな、なんて思ったけれど、高速を飛ばしたら16km/Lまで伸びて、まぁ街乗りじゃしょうがないか、となった。
朝早く出発し、前述の通りスムーズに走れたことで到着時刻も予定通り。天気も悪くなく、ちょうど良い気候だった。あれもこれもと欲はかかずに、ゆったりと乗り物に乗ったりショウを見たりした。演者が投げる紙テープを妻と娘がありがたがって拾っていた。そんなの拾ったってしょうがないでしょ、と僕が言うと、これも思い出なのよ、と言っていたけれど、当然今となっては、家のどこにも見当たらない。まぁ、そんなもんだ。僕としては滅多に来ない場所なので、どうぜなら最近話題のジャンボリーおねえさんを生で見たかったけれど、ジャンボリーミッキーは抽選に外れてしまった。
二年前くらいに来たときに、オルゴールの世界に入って自分たちのメロディを探しにいく的なショウを見に行ったのだけれど、そのときは娘がちょうどお昼寝の時間と被ってしまい観られなかった。だから今回はそのリベンジ、といった感じで見に行ったのだけれど、今回は妻が寝てしまった。言い出しっぺとはいえ、色々と気をつかったりして疲れたのだろう。体力的にも。暗い室内で僕もウトウトしかけたけれど、なんとか堪えた。ショウ自体は今回もとても良かった。
夕食はハワイアンディナーショウみたいなお店だった。ロコモコプレートを食べた。一日も終盤に差し掛かり、どうしてもビールが飲みたかったが、近いとはいえホテルまでの運転もあるので、ノンアルのビールにした。でもめちゃめちゃ美味しかった。席はB席だったのだけれど、ステージの真横で、正面と比べて見ずらいけれど至近距離で見ることができた。ミッキーたち各キャラも席まで来て触れ合うみたいなサービスもあった。妻と娘はミニーちゃんが来たときに感激していた。チップとデールという双子のリス(?)のキャラも来たのだけれど、彼らはなぜか僕に絡んできた。このチップとデール、偶然かもしれないが、僕は割と絡まれる。絡まれるというか、なんかガーっとくるのだ。この日だけでなく、過去にもなにかとガーっと来られるので、もしかしたら、スカしているヤツにガーっと行く的なマニュアルがあるのかもしれない。夕食後にお土産を買い、娘がダンボのぬいぐるみが欲しいというので買ってあげた。ライトアップされたランドマーク的な場所で記念撮影をして、ホテルへ。未就学児は添い寝と聞いていたけれど、部屋に入ってみたらベッドが三つあったので、それぞれ寝ることに。これまで、こういう時は添い寝だった娘は初めて一人でベッドで寝られることに喜んでいた。
次の日は帰るだけだったので、ゆったりと朝食を摂り、名残惜しくもホテルを後にして帰宅した。ハードスケジュールというわけではなかったけれど、長距離ドライブだったので、そこそこ疲れたけれど、とても楽しい一泊二日だった。しばらくはこんなお出かけは出来ないだろう。というか、三人で行くのは多分、これで最後なのだ。
帰ってきた日の夜、娘を寝かしつけていると、きのうはたのしかったね、と娘が言った。そうだね、と僕も言う。
「ふたごがうまれたらさ、5にんで、またディズニーいこうよ」
「そうだね。でも、生まれてからしばらくは、ちょっと難しいかもね。一歳か二歳くらいになったら、行けると思うよ」
「ふたごが2さいになったら、ココちゃんはなんさい?」
「七歳か八歳かな。小学二年か三年生だね」
「ココちゃん、らいねん、しょうがくせいだ」
「そうだね。ランドセルも届いたしね」
ということで、我が家は五人家族になります。こりゃ大変だ……!