トゥルーライズ/TRUE LIES
ストレンジデイズからの関連で……、というわけではないのだけれど、たまたまこの順番になった。ジェームズ・キャメロン脚本、監督。アーノルド・シュワルツネガー主演の94年の映画だ。
紛うことなきエンタメ大作。ジェームズ・ボンドにさりげなく目配せしながら、銃撃戦、カーチェイス(馬も使う)、爆発、戦闘機、橋も爆破、核爆弾の爆発をバックにキッス、ハロウィーンな叫び(=スクリーム!)、ご都合主義的展開。けれど、やっぱり面白い。『上映中に眠くならないからといって、良い映画だというわけではない』だと? バカを言うな。これこそエンタメ映画の正義! というような作品だ。ちなみに僕個人としては吹き替えで観るのをオススメしたい。シュワちゃんはお馴染み玄田哲章さん。敵テロリストのアジズの声を若本規夫さんが演じている。まさに強力わかもと。全力の若本節を楽しめる。
全体的にコメディ色強めの作風で、それも吹き替えをオススメしたい理由の一つ。特に、主人公の相棒であるギブのボヤキやツッコミが面白い。あとビル・パクストン演じるサイモン。巻き込まれるし、噛ませ犬だし、自業自得だけれど憎めない。
この映画を一番初めに観たのは(告白してしまえば、この映画は何度も観ている)、小学五年生のときで、映画、とりわけ洋画というものに興味を持ち始めたばかりのころだった。このころの僕の映画に対する不満といえば、『最後まで観れば面白いけれど、途中までがつまらない。特に序盤』というものだった。物語が動き出すまでが長く退屈に感じられた。その点、この映画は序盤から銃撃戦があり、『なんだ最初から面白い映画ってあるんじゃん』などと思った。あくまで十一歳のころの話だ。けれど、その後も前述のように細かくギャグというかコメディ的な会話や展開があり、飽きさせない。その点を計算し尽くされているように感じられる。ヒットメーカーなので、コアな映画ファンからは何かと揶揄されがちかもしれないけれど、この作品に関しては、ほぼ手放しで称賛したい。頭を空っぽにして映画を観たいときもあるし、そういうときにはぴったりの作品だからだ。ツッコミどころも、もちろんあるけれど、それさえも含めて。