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【ほぼ無料】鹿児島県阿久根市で最高の旅・移住体験満喫してきた

私は、これになっていた。

鬱で6ヶ月働いておらず、同居人(他人)の年収が高いおかげで生活保護がおりなかったため、貯金が底をつきこの資本主義社会に絶望していたのだ。
重い腰を上げて役所まで行ったのに泣きながら帰ってきた。

自宅に到着するや否や、スマホを手にベッドへ仰向けになった。
辛い時はTwitter(現X)
辛い時はTwitter(タイムラインを見ながら)
辛い時はTwitter(超高速スクロールをかましながら)
神様っているんですね。なんかゲキアツのツイートが流れてきた。


渡航費と宿泊代の助成あるよ!?!?!?!
てか海綺麗すぎ????




助成あるよ。と言いながら鹿児島市内からだったらほぼお金かからないじゃん!!!!


鹿児島県阿久根市といえば、阿久根駅で永遠に「アクネ、うまいネ、自然だネ」の音声が流れるところじゃないか。
東シナ海に面した美しい景色・・・
新鮮なお魚・・・
豊かな自然・・・

引用:https://twitter.com/YuikasP/status/1036553394687594496


突然決めた6泊7日の阿久根移住体験計画。

せっかく安く阿久根に行けるなら、東京に住んでいる引きこもりの弟も誘ってやろ〜と連絡してみた。

弟とのLINEのやりとり

いや引きこもりとは思えないほどのフッ軽!!!!
20歳になったばかりの弟は初めての飛行機、初めての鹿児島、初めての一人旅。果たして彼は鹿児島にたどり着けるのか。
6つ離れた姉は心配で心配でたまりませんでしたがすごいあっさりきました。心配して損した。


珈琲を片手に夕日を眺めるのが最高だったんだ

さて、我々は鹿児島中央駅から阿久根へ。
ここが東京でいう「品川」「新宿」みたいなもんだよ〜と弟に言いながらJRを乗り継ぎ、オレンジ鉄道に座る。
オレンジ鉄道はいつも乗り換え時間が早すぎて、転んだり転がったりしたらすぐに行ってしまいますのでみなさんお気をつけを。


そしてついた阿久根駅

美しい木材建築

阿久根駅はとても綺麗で、カフェや本、ピアノなど街の人や外の人の居場所になるようなスペースになっていてとても良い。

阿久根駅のお手洗いの素晴らしさはみんなに知って欲しい。
この取り組み、他県も真似してくれ。
男性トイレでおむつ替えできないのほんと困りますからね。

SOSカードが置いてある
よく外で急に月経になって困るのでこういうのがどこにでもあるととても良い
男性トイレに子供マーク。偉大。


そして駅へ迎えにきてくれたのは、地域おこし協力隊のあやちゃんとのんちゃん。これから7日間お世話になります。
お腹すいたよね!?とまず連れてきてくれたのは、道の駅。
私たちは車がなかったので、2人が7日間ずっと車でサポートしてくれたのはとても助かった。

道の駅について車を降りたら初っ端から最高の景色!
「青い海と青い空」なんて、
東京で生まれた私はみたことなかったけどこのことを言うんや。
自然に感謝!お腹すいた


道の駅でランチ

青い空!青い海!

普通に海鮮丼とか食えよって感じなんですが、食べたのはチキン南蛮。
宮崎の人に怒られそうですが、私はこの鹿児島のカリッカリのチキンに大量のタルタルソースをご飯とかき込むのが好き。

みなさん見えますでしょうか、食事の下の魚たちが紙が。可愛すぎて綺麗に持って帰りました。


食事の後は今回参加する「職業体験型ワーケーションプログラム」の説明を受け、7日間のプランを知る。
私たちは漁業・酒造への職業体験を申し込んだのだが、7日間のプランといってもかなり融通を利かせてくれた。
フリーランスなどで仕事をしなくてはならない人もかなり活用しやすいプログラムかもしれない。


街散策

阿久根って海のイメージがあった。
しかし、魅力は海だけではない。
生活の中に美しい山、川、海などの自然が近くにあって本当に豊かな場所だ。協力隊ののんちゃんも小さい頃はよく川で遊んでたよ〜とのこと。
私の家の近くはドブ川またはタマゾン川こと多摩川しかなかったので、羨ましい限りです。

まず向かったのは、平出石の湧き水。


引用:https://note.com/akune_mystery/n/nf9b003476369


明治十年西南戦争に駆り出された村人が腹痛と下痢にみまわれ、ここの水を飲み治ったという伝説がある平出石の湧き水、サラッとしていて飲みやすかったです。


次に向かったのは田代小学校。

休校中の田代小学校

校庭の真ん中にある大きな木には、毎年アオバズクが帰ってくるそう。
時期になると、カメラを持った方がたくさん集まる。
ここに子供たちはいないけど、街の人たちがアオバズクを見守りに訪れるのすごく良い。
普通に観光で行ったら絶対にいけないようなところにも連れてっていただけるのは、このプログラムの魅力の一つでもあるかもしれない。


宿へチェックイン

街散策を終えたあとは宿にチェックイン。
私が一番楽しみにしていた塩屋ホステルさんへ。
宿は2階にあり、階段なので荷物を運ぶ際はお気をつけください。

ガレージのついた素敵な外装。ロゴがかわいい。
私たちが泊まったお部屋

シンプルで光の入る広々とした空間。
シングルベッドが部屋の端に置いてあり、弟ともストレスなく過ごせた。

チェックインした後は少し宿で休み、のんちゃんとあやちゃんに車に乗せて
いただき海へ。


海で珈琲を片手に夕日を待つ

港町珈琲焙煎所 PORT TOWN COFFEEさんが海辺で待っていてくださり、
みんなで夕日を見ながらコーヒーを飲んだ。
私と弟にとってはこの時間が一番良い時間だった。

PORT TOWN COFFEEのオーナーさんが入れてくれたコーヒーとふわふわのシフォンケーキ
弟もこんなに綺麗な海と夕日を見るのは初めてで2人で感動していた。

夕日が海に溶けていくまで、ゆっくりとした時間を過ごした。
東京では、ましてや鹿児島市内でも味わえないこの時間。
海は入るよりも眺める方が好きだなと改めて思った。

宿に戻る前に帰りに近くの鮮魚店に寄ってもらい、イサキと赤イカを購入。
塩やホステルさんはキッチンが自由に使えるので、弟と一緒に魚を捌くなどして地元の食材で料理を楽んだ。


焼酎って機械より人の手にかかってる

2日目から職業体験がスタートした。
1つ目の体験先は「大石酒造さん

明治三十二年創業
焼酎を造り続けて百十余年の小さな蒸留所です。

https://www.oishishuzo.co.jp/about/
あの鶴見を製造している酒造。焼酎の「焼」だけ輝いてるのがなんとも趣深い。

焼酎がどうやって作られているか知っているだろうか。
私も見て驚いたが、なんとほとんどが人間の手で作られている。
この文明が発達した時代にだ。

芋の悪いところを切る。味をよくするための大事な工程だ。
芋は機械が洗ってくれる。私も安心だ。
ドロドロに溶けた芋は発酵されていく。手作業で彼らが混ぜるそう。
なんとラベルは手張り。機械が貼るところもあるそうだが、ここは一つ一つ手での作業となる。
小さな蒸留所でできる焼酎はこんなにも種類が。


社長と娘さんがとても柔軟でクリエイティブな方で、小さな蒸留所でもこんなにたくさんの面白い焼酎が生み出されている。
ジャガイモから作られた焼酎もあったり。
私は「かまわぬ」が好きだった。芋のコクを感じられ、度数が高いのでお湯割りにしてグッと行きたくなる。
みなさんも大石酒造の酒を飲んでくれ。

(実は2ヶ月後また大石酒造さんに訪れてベロベロになってます)


鰤の返り血を浴びる

二つ目の体験先は海盛水産

私は鹿児島に来てから魚が本当に好きになった。
だから今回漁に出るのは心から楽しかった
と言いたいところだが集合時間は朝4:00
私たちは朝3:00に起き、酔い止めを走って調達。
30分かけて長島にほど近い海辺へ向かった。


写真がなくて大変残念なのだが、私たちはこのような小さい船に乗って
定置網の回収をした。
簡単にいうと、魚が入った死ぬほど重い網を上げて、魚を仕分け、神経締めをする。

他の漁師さんはなかなかやらないそうなのだが、海盛水産は鮮度を保つために一つ一つ神経締めを必ずしているのだとか。
神経締めが意外と難しくて苦戦した。そして鰤の返り血を浴びた。
普段切り身になって並んでいる魚を当たり前に食べる私たち。

自分でとった魚を締めて捌くという行為は改めて命の大切さを知る時間となった。

まき網の掃除が大変すぎる。漁に行くだけではなくて道具のメンテナンスも重要だという。


朝日が登る頃に陸に戻り、採った魚を捌いて朝ごはんをいただく。
潮を浴びた体に味噌汁が染みる・・・
そしてこのうずしお館、「つけあげ」がめちゃくちゃうまい。
絶対に食べて欲しい。

お母さんが集合写真とろう!!とお忙しい中集まってくださった。お世話になりました。


海盛水産のお父さんから、あのあとも度々ご連絡をいただきたくさんお魚を送ってくださるんです。
本当に温かいご家族で、阿久根に行った際はうずしお館に遊びに行っています。

絶対に色褪せない私と弟の阿久根7日間


初めて伊勢海老を見て嬉しくて写真を撮っちゃった弟
全然来ない電車がいきなり来て喜ぶ弟
れんちょんになれたよ!と喜んで森を走る弟
魚を捌くのが大好きな私
大石酒造のみなさん
野村さん親子
阿久根の海


これになった人へ

現代社会って辛いことが多いですよね。
私も鬱を患って何度死のうとしたかわかりません。
なんで人生のほとんどの時間を捧げる仕事で嫌な気持ちをしないといけないのでしょうか。

ゴールを達成するために忍耐が必要なこともある。
もっと得意なことは自分が、苦手なことは得意な人にお願いして、楽しく働いていい。時間外労働が発生してしまう状況は健全な状態じゃない。
ずっと同じ毎日を過ごしているとそういう小さなことに気がつかなくなっていくんです。

私は阿久根で職業体験をして地元の人たちに触れて東京では感じられないあたたかさを感じました。毎日淡々と働くのではなくて、お客さんの顔を想像して仕事をする。そんな人が多いまち阿久根。
普通に旅行するだけじゃなくてプチ移住体験をしたからこそ知れたこともたくさんありました。
日常では気が付かない美しさに気が付かされることがたくさんあったんです。

みなさんも有給とって阿久根にいきましょう。
うまい飯を食って、死ぬ前に絶対思い出すであろう美しい景色を享受してください。
きっと日常の小さな幸せに気がつけるようになるはずです。


そうは言っても鹿児島って遠いんでしょ。高いんでしょ。
そう思ったあなた。
東京から1万円握りしめて2時間で行けます。


みなさんも早く阿久根に行って大丈夫になってください。

では。