「 ……… 下級悪魔がどれだけ群がろうが、そんなもの容易に一蹴出来るだろう。俺に報告する程の事なのか 」 ルトアミスは苛々とあからさまに不機嫌な態度を示し、眼下に控える城預りの下僕達を睨みつけた。 玉座の間では、ルトアミスが座る玉座から三段の階段を降りた左右に、クリスティナ達側近が二人ずつ、主と同様に正面を向いて立っている。そしてルトアミスとクリスティナ達の前には城預りの下僕達が縦列していた。 ルトアミスから見て左側にザギを筆頭とする十人が、右側に
昨年からnoteを始め、最初の年越しをしました☆ ワァ───ヽ(*゚∀゚*)ノ───イ 今年もよろしくお願いします! 本日1/5、初詣に行って来ました。 コロナを考えて、少し日にちをズラしただけなのに、すごくすいていて、気持ちが良かったです。 いつもは人の熱気で溢れ返って忙しなかったのが、今日はとても新鮮な空気、大きな神社が持つ独特の雰囲気が気持ちよく身体を包んでくれました! 帰り道、ふと横道を見たら、今年初めて、バ
この日、ジェイは休日だった。 とは言え、常日頃からほとんど何もしていないと揶揄(からか)われるジェイにとって、それは些(いささか)心外ではあったが、王子であるが故に何に縛られる事無く、気になった救済メールが送られて来た地に赴いたりと自由な身である為、何を言われようがあまり反論はしていない。 アナバス星に仕える者たちの中で、兵士たちは週に三日の休日が与えられ、他の従事者には二日の休日が与えられている。 アナバスの兵士たちの仕事は、主に救済メールのあった
先日、「 救いようがない。」というエッセイを公開しました。 この話は、タイトルとは違って、実は前向きな気持ちを込めて書いたものです。 人は大なり小なり様々な苦しみや辛い経験を抱えていると思っています。 抱えている痛みも苦しみも、今回の話とは皆さんそれぞれ異なると思いますが、少なくとも大きな括りでの「痛み」や「悲しみ」に共通する作品として捉えて頂ければ嬉しいです。 ただの胸糞話と捉えられてしまうかもしれませんが、決してそのようなメッ
私は台所で、まな板の上に左手を置いて、右手で握った包丁を、その手首に当てていた。 私が居なくなったら、親は泣いてくれるのかな? そんなことを漠然と思いながら。 私は一人っ子。 両親の兄妹には子供が無く、遠い遠い親戚になら従兄弟がいるらしいけど、まず会うことなんて無い。 だから、私は本当の意味での一人っ子だった。 「 おはよう 」 「 行ってきます 」 「 行ってらっしゃい 」 「 ありがとう 」 「 頑張ったね 」 「 お帰りなさい 」
今年も力強く蝉が鳴いている。 朝起きたら、それはもう大合唱だ。 人間の世界では、コロナだ熱中症だ異常気象だと騒いでいるけど、君たちには関係ない。 いや、 " 地球の病気 " は、もちろん君たちにも関係あるよな。 昔とはだいぶ温度も変わっている。 それでも君たちは、その小さな体で一生懸命、存在をアピールしている。 凄いよな。 君たちが長い間土の中に居ることは知っている。どれだけ短くても3年、そして地上で運良く長く生きれて1
いつから夢を諦めたのだろう …… 。 子供の頃は、なりたいものがたくさんあった。 下から吹き上げる風がすごい。 でも、真っ暗な夜空に浮かび上がるネオン街は、たくさんの人が行き来してるんだろうな。 ┄┄┄┄ 私は、もうすぐネオンの海に飛び込む。 オーディションとか受けて、TVに映ってみたかったな。顔は …… まあまあだから、アイドルには手が届かないかも。 漫画家にもなりたかった。 声優にもあこがれた。 結婚
「 ふ、ああぁぁぁ〜っ!」 大きく広いベッドの上で眠い目を擦(こす)り、やっと上半身を起こしたジェイは、両腕を高くあげて思い切り伸(の)びをした。 ベッドに備え付けの時計に浮かび上がっている数字は、あと10分程で昼になることを表(あらわ)している。 「 うわっ、マジかよ …… こんな時間まで寝たのは久しぶりだな 」 もぞもぞとベッドから出て立ち上がり、両手を頭上で組んでゆっくりと左右に動かした。その至極(しごく)簡単なストレッチをして、部屋から出る。
昨日も雨、今日も雨、連日雨つづき。 湿度も高いし、ジメジメベタベタ、服が体に張り付いて気持ち悪い。 拭っても拭っても、汗はじわじわ …… 不快この上ない。 ┄┄┄┄ あ、紫陽花だ! そうか、今日はいつもと違う、反対車線の道を歩いていたから、ここに紫陽花があるなんて知らなかった。 綺麗だなぁ ……… 薄い紫と紅が混じった、ピンクの紫陽花だ。 まんまるで綺麗な形が崩れてない。 よく、花がところどころ枯れて、形の崩れた紫陽花はよく見てきたけれど。 雨に濡れて
人は皆が自分の世界観を持っていると思います。 漫画や小説やエッセイを書く方々はもちろんですが、普通に仕事をしている方々も、「 世界観 」とは認識していなくても、必ず持っていると思います。 例えば、営業のお仕事をされている方は、それぞれお客様にアプローチしてから契約を取るまでのやり方が違うと聞きます。 事務職の方も、自分のやりやすい流れがあると思います。 料理人の方も、味の追求や見栄えの良さなど、個人でかなり違います。 私はそれら全て
城内の廊下を、明らかにに不機嫌な表情で歩いている鎧姿の青年がいた。 鎧姿といっても礼装のためのもので、装飾品が至(いた)る所に施(ほどこ)された形ばかりの鎧であり、戦闘には全く不向きなものである。 額飾(ひたいかざ)り、胴、手足の各部位の、一部分のみを覆(おお)ったもので、それらには大小合わせたあらゆる宝石が散りばめられ、様々な植物や図柄の細かな彫刻が施されている。 そして肩から広がる大きなマントも、礼装としての役割に花を添える装身具の