FIPに関係してくる免疫[免疫の要、胸腺とT細胞 -からだの仕組み-]
画像:pixabay user:玺滨
・初めに
筆者はFIPの論文などに出てくる免疫反応や、
それを引き起こす物質などの各名詞から、
それぞれの情報をひとつひとつ調べていくという形を採っています。
なので参考にしているのはFIPに関する資料だけではなく、
FIPによって起こる免疫反応や、
それを引き起こす物質に関する資料が多くあります。
免疫反応は何か一つの物質で成立することは決してなく、
種々の物質の連鎖反応によって、複雑な過程を経て成立します。
よって、ひとつの名詞を調べれば、それに関する多くの免疫反応や、
それに関する物質を調べていく事となります。
その為、筆者が調べている情報には実際にFIPとどこまで関係してくるかの解明がなされていない情報が含まれている可能性がある事を、予めご了承下さい。
また、興味はあるけどお時間のないという方は、
各項目にある「簡単なまとめ」をご覧下さい。
今回の記事は、免疫を語る上で最重要と言っても過言ではない
「胸腺」と、免疫細胞に焦点を当てて書かせて頂こうと思います。
胸腺につきましてはこちらの
「・避妊、去勢手術、ワクチンは控える」でも少し触れています。
これは本当に重要な器官なんですよ。
どう重要かと言うと、免疫を「正しく」働かせる為の教育現場なんです。
特に子猫の内は、非常に重要です。
今回の記事ではこの免疫細胞の教育現場となる胸腺と、
生徒である「T細胞」に焦点を当てて書いていきます。
治療には関係ありませんので、興味のある方だけご覧下さいませね。
1.胸腺は教室兼先生、T細胞は生徒
胸腺は心臓の前にあります。
免疫細胞を増殖、教育、育成する重要な器官で、
人間で言うと10代の内に活発であり、大人になってからは萎縮していきます。
ステロイドやワクチン等の薬害、手術、ストレスでも萎縮してしまう事から、子供の虐待の判断材料にも使用されているんですよ。
詳細は後述しますが、胸腺内では自己免疫疾患やアレルギーを起こさない為の訓練も行われており、
FIP発症のきっかけとして去勢、避妊手術とワクチンが1、2位を争い、
昨今の消臭剤や柔軟剤、香る洗濯洗剤が普及した現在で発症が異常発生するのは当然と言えるかも知れません。
この為、家の子は1歳を越すまで手術を見送りました。
※柔軟剤、香る洗濯洗剤の毒性につきましては
こちらをご覧下さい。
胸腺の主な役割としてはT細胞の*分化、成熟が挙げられます。
*分化=変化
このT細胞は免疫細胞の要とも言うべき存在で、
ヘルパーT細胞
細胞傷害性T細胞(キラーT細胞)
制御性T細胞
は、成熟したT細胞から分けられます。
これらの免疫細胞は後にご紹介させて下さいね。
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
・名詞にもなる「CD」
※制御性T細胞は分化の過程が複雑なので割愛し、
FIPと関係の深いヘルパーT細胞と
キラーT細胞の分化の過程のみご紹介します
T細胞は骨髄の造血幹細胞が元で、骨髄を出ると胸腺という名の教室へと移動して胸腺細胞 (thymocyte) という生徒になります。
T細胞の名は胸腺の頭文字である"Thymus"のTが由来なんですよ。
この状態ではまだ「CD4」も「CD8」も発現していません。
これを「ダブルネガティブ(DN)胸腺細胞」と呼びます。
DN胸腺細胞は一年生だと思って下さいね。
「CD4」とは
ヘルパーT細胞
マクロファージ
樹状細胞
等の免疫細胞が細胞の表面に出している糖タンパク質で、
「CD8」とは
キラーT細胞(CTL・細胞傷害性T細胞)
ナチュラルキラー細胞
樹状細胞
の表面に出している糖タンパク質です。
この「CD」とは「抗原」の一種であり、
自分は味方だ、攻撃するなという目印にもなります。
輸血で血液型が違うと「不一致」となって輸血出来ませんよね。
あれは赤血球の表面に出ている抗原がざっと
A抗原、B抗原(Oはどちらも持っていない)の種類に分けられて、
自分の抗原である型と一致しない場合は敵と認識されてしまい、
攻撃を受ける事から起こります。
簡単に言ってしまえばCDは、
身内なので入れてね、という名刺にもなるという事です。
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2.第一のテスト「正の選択」
やがてCD4とCD8の両方が発現し、
「ダブルポジティブ(DP)胸腺細胞」に進級となります。
つまり二年生になって名刺が貰えたと思って下さい。
ここから「MHC」が区別できるかのテストが行われます。
・MHCとは
この「MHC」とは多くの細胞が持つ、
細胞膜表面にある糖タンパク質です。
「MHCクラスⅠ分子」
「MHCクラスⅡ分子」
「MHCクラスⅢ分子」
まであります。
役割として「抗原蛋白質」という病原体等の持つ蛋白質、
或いは抗原提示細胞が抗原を分解した「抗原ペプチド」を
MHCに載せて細胞表面に提示する働きがあります。
簡単に言ってしまえば病原体の一部を載せて、
サンプルとして見せるお皿です。
抗原提示細胞:
抗原を見せて敵を教えてくれる細胞。
主に「樹状細胞」、「単球、マクロファージ」、「B細胞」を指す。
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
・TCRとは
二年生であるDP胸腺細胞は、
「T細胞受容体(T cell receptor.TCR)」を発現しています。
T細胞受容体(以下TCR)は
MHCにくっついた抗原ペプチドを認識して結合する役割があり、
これにより免疫の活性化を行います。
簡単に言うとTCRは、
病原体のサンプルが載ったお皿を
「見て」
↓
「強く掴み」、周りに知らせて
↓
「出動」させる役割です。
現行犯逮捕して警察を呼ぶ「通報者」みたいなものですね。
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
・テストで試される「通報能力」
テストではこのDP胸腺細胞が出しているTCRと、
胸腺上皮細胞が出している自己抗原の結合したMHC(自分の一部が載ったお皿)が適度に結合する事で合格を貰えます。
掴み過ぎると自分を攻撃する細胞になる可能性がある為、
全く合わないと掴めないので意味が無い為に不合格となりますが、
数回はTCRの作り直し(再構成)後にテストのやり直しが可能です。
この過程で様々な形の抗体が作られて、
色んな抗原に対応出来る様になるんですよ。
テストに合格出来なかったDP胸腺細胞達は「アポトーシス」、
つまり自死によって死滅します。
簡単に言うと正しく通報出来るかのテストです。
間違って味方を捕まえて通報したり、
お皿に全く気付かない、掴めない子がいないかどうかの確認ですね。
このテストを「正の選択(ポジティブセレクション)」と呼びます。
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
・テストに合格するとCD証明書が貰える
テストに合格する際にMHCからシグナルを受けるのですが、
この時に受けるMHCのクラスにより
「MHCクラスⅠ分子」なら「CD8+(CD8陽性)T細胞」
「MHCクラスⅡ分子」なら「CD4+(CD4陽性)T細胞」
になり、ここで初めて
「シングルポジティブ(SP)胸腺細胞」に進級となります。
つまりテストに合格して、
MHCクラスⅠから貰えば「CD8証明書」
MHCクラスⅡ分子から貰えば「CD4証明書」
になる様です。
※
これは一説であり、どちらの細胞になるか、
この過程の詳細はまだ分かっていない様です
こうして三年生に進級し、証明書を手に入れたら
卒業の為の第二のテストを受けられるようになります。
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3.第二のテスト「負の選択」
次は胸腺内にいる樹状細胞、
マクロファージ等が先生となってテストを行います。
先生となった細胞達が自分のMHC(お皿)に自己蛋白を載せて提示して来るのですが、これに対して強固に結合した細胞はやはりアポトーシスを起こします。
要するに、自分の蛋白質に反応してしまうと自己免疾患の原因となるので取り除いている訳です。
このテストで「自己寛容」を身に付けるんですね。
これを「負の選択(ネガティブセレクション)」と呼びます。
自己免疫疾患:
免疫が自分の細胞を間違って攻撃する病。
自己寛容の不全から起こる。
自己寛容:
特定の抗原に対しての免疫反応の
抑制、欠如の状態を免疫寛容と呼び、
自分に反応しない状態を自己寛容と呼ぶ。
これらのテストに合格するのは僅か2%程度で、
その厳しいテストに生き残ったエリート細胞達が胸腺という教育現場から卒業し、体と言う名の社会へ出て仕事を開始します。
この卒業したSP胸腺細胞達の役職ですが、
CD8+(CD8陽性)T細胞はキラーT細胞となり、
CD4+(CD4陽性)T細胞はヘルパーT細胞となります。
ここからはT細胞の、体内での働きを紹介していこうと思います。
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簡単なまとめ
一年生 [ダブルネガティブ(DN)胸腺細胞]
1.「ダブルネガティブ(DN)胸腺細胞」は
「胸腺の教室」の生徒で一年生
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
2.ダブルネガティブの意味は「CD4」も「CD8」も持っていないから
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
3.CD4とCD8は敵と間違われない為の名刺代わりにもなる
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
4.CD4とCD8の名刺を貰えると
「ダブルポジティブ(DP)胸腺細胞」の二年生に進級する
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
二年生 [ダブルポジティブ(DP)胸腺細胞]
1.二年生になると行われる第一のテスト、
「正の選択」は「MHC」が区別できるかのテスト
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
2.MHCはⅠ~Ⅲまであり、多くの細胞が持っている
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
3.MHCの役割は病原体の一部(抗原)を
サンプルとして見せる(提示する)お皿
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
4.DP胸腺細胞が持っている
「TCR」は、サンプルの載ったお皿を見付けると
現行犯逮捕(掴んで)して警察を呼ぶ(知らせる)通報者
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
5.テストは
味方を捕まえて通報したり、お皿に気付かない、
掴めない子がいないか、正しく通報出来るかの確認
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
6.テストに合格してMHCから証明を受けると
「シングルポジティブ(SP)胸腺細胞」に進級し、三年生になる
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
7.「MHCクラスⅠ分子」から証明を受けると
「CD8+(CD8陽性)T細胞」、
「MHCクラスⅡ分子」から証明を受けると
「CD4+(CD4陽性)T細胞」になる
※これは一説で、どちらの細胞になるか、この過程の詳細は分かっていない
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
三年生 [シングルポジティブ(SP)胸腺細胞]
1.三年生になると
行われる第二のテスト、「負の選択」は
自分を敵と間違う病気「自己免疫疾患」を防ぐ為のテスト
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
2.これらのテストに合格するのは2%程度で、
合格すると卒業して胸腺から出て、体で仕事を始める
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
3.卒業したCD8+T細胞はキラーT細胞に、CD4+T細胞はヘルパーT細胞になる
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
流れ
ダブルネガティブ(DN)胸腺細胞(CD4もCD8も発現していない)
↓
ダブルポジティブ(DP)胸腺細胞(CD4もCD8も発現)
↓
シングルポジティブ(SP)胸腺細胞(正の選択に合格してCD4+T細胞かCD8+T細胞になる)
↓
負の選択に合格して胸腺から出る
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4.T細胞の体内での働き
無事胸腺を出たSP胸腺細胞は、
まだ抗原と出会っていないので「ナイーブT細胞」と呼ばれます。
就活生です。
やがて抗原を提示する細胞から抗原刺激を受けると活性化、
提示された抗原を覚えて増殖、分化を始めます。就職です。
就職後(活性、分化後)の有職者は総括して
「エフェクターT細胞(機能性T細胞)」と呼ばれ、
CD8+T細胞は「キラーT細胞」の役職に分化し、
CD4+T細胞は「ヘルパーT細胞」の「Th1細胞」、「Th2細胞」、「Th17細胞」の役職に必要に応じて分化します。
CD4+T細胞の分化前(就活生)の段階は、何にも分化していない事から「Th0細胞」とも呼ばれます。
「Th」はヘルパーT細胞の英語表記「T cell helper」の頭文字で、つまりヘルパーT細胞の1、2、17という事です。
キラーT細胞(細胞傷害性T細胞・cytotoxic T lymphocyte(CTL)):
このキラーT細胞は前線部隊なので、
営業にしておきましょう。
別名にある「細胞傷害性T細胞」の名の通り、
病原体に感染した細胞など、
生体に危害を与える細胞を殺傷してくれます。
会社(体)に入り込んだ敵(感染細胞)と身一つで闘う強者で、
その性質からキラーT細胞という物騒な名前で呼ばれています。
FIPにおいては「抗原提示」(FIPV感染のお知らせ)をしている感染細胞を倒す事が出来る為、感染細胞ごとウイルスを倒して拡散を防ぐなど、
FIPを完治する為に非常に重要な免疫細胞です。
ですがFIPを発症した子は、
マクロファージが「TNF-α」という「サイトカイン」(信号)を出す事によってキラーT細胞がアポトーシス(自殺)してしまい、
ウイルスと闘えなくなってしまいます。
「感染症|猫伝染性腹膜炎の猫の末梢血リンパ球におけるアポトーシス誘発に対するTNF-アルファ関与の"可能性"」
-以下本文一部抜粋-
この研究結果は、ウイルス感染マクロファージにより産生されるTNF-アルファが非感染T細胞、特にCD8(+)T細胞でアポトーシス誘発を起こすことを示唆する。
-抜粋終了-
※その他詳細は
「FIPウエットタイプ(滲出型)の仕組み」
「FIPドライタイプ(非滲出型)の仕組み」 の、
「4.ウイルス感染拡大防止の為の「アポトーシス」の正常化」
をご覧下さい
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
ヘルパーT細胞(T cell helper(Th)):
その名の通り、担当する免疫に何が必要かを考えて
色々な「サイトカイン」(信号)で活性化して助ける
事務 兼、補給部隊のお仕事です。
ヘルパーT細胞は部署名で、
「Th1細胞」
「Th2細胞」
「Th17細胞」
などの課に分かれます。
※他にもあります
どう分かれるかは、
その時に体が必要とする免疫反応によって変わります。
* * * * * * * * * * * * * *
・Th1細胞
Th1細胞は、営業であるキラーT細胞を含む、
マクロファージ等の免疫細胞を
「インターフェロン-γ(以降IFN-γ)」を始めとした
サイトカインで活性化するお仕事です。
営業で外回りに行くキラーT細胞達に
サイトカインという「メーカー」の、
「商品名」がIFN-γなど、
複数の種類の栄養剤を渡していると思って下さい。
Th1細胞は「細胞性免疫」を担当し、
Th1細胞により産生されるIFN-γ等のサイトカインは
「Th1サイトカイン」とも呼ばれます。
※細胞性免疫:
FIPではドライタイプを引き起こす免疫
* * * * * * * * * * * * * *
・Th2細胞
Th2細胞は、抗体を作る「B細胞」等の免疫細胞を、
「インターロイキン(以降IL)-4、5、6」を始めとしたサイトカインで活性化するお仕事です。
B細胞については別項目で後述します。
Th2細胞は「液性免疫」を担当し、
Th2細胞により産生されるサイトカインは
「Th2サイトカイン」とも呼ばれます。
※液性免疫:
FIPではウエットタイプを引き起こす免疫
* * * * * * * * * * * * * *
・Th17細胞
Th17細胞は2000年に認識された新しい細胞で、
まだまだ研究段階です。
細胞外細菌や真菌と闘う為に、
マクロファージ等の免疫細胞を「IL-17」で活性化するお仕事です。
アレルギーと密接にかかわるIL-17、
キラーT細胞がアポトーシスする原因として先にご紹介したTNF-αを始め、
様々な炎症性サイトカインを産生します。
この事から、アレルギー反応が起こす自己免疫疾患等の病と深い関係がある事が示唆されています。
* * * * * * * * * * * * * *
・制御性T細胞(regulatory T cell(Treg)・調節性T細胞)
分化の過程がキラーT細胞、ヘルパーT細胞と異なるので
ここまで割愛してありますが、
会社(体)が社員(免疫細胞)を過剰に働かせない様に
ブレーキの役割を担う、労働組合のお仕事をしてくれます。
つまり、炎症やアレルギーなどの
過剰な免疫反応の抑制を担っているんです。
アレルギーが引き起こされるか引き起こされないかは、
「免疫寛容」が成立するかどうかで決まります。
免疫寛容とは、抗原となる異物への免疫反応を起こさない、
または抑制した状態の事です。
つまり「アレルギーを起こしていない正常な状態」ですね。
免疫は本来、自身の細胞や組織には免疫反応を起こさない様に出来ています。これを「自己寛容」と言います。
ですがこの自己寛容が正常に働かず、
自身に対してアレルギー反応を起こして一部の臓器、
ないし全身に疾患が起きた状態が「自己免疫疾患」と呼ばれます。
つまり「アレルギーの自分版」です。
この免疫寛容、自己寛容を司っているのが制御性T細胞で、
アレルギーを起こすと言う事は、
この制御性T細胞が正常に機能していない状態を指します。
では制御性T細胞にどんどん働いて貰えば良いかと言うと、
実はそうではありません。
何故ならば、癌に乗っ取られた細胞(癌細胞)に対する免疫反応も抑制してしまい、結果的に癌の増殖を止められなくなるからです。
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簡単なまとめ
就活生 [ナイーブT細胞]
1.胸腺を出て抗原と出会う前のSP胸腺細胞は
「ナイーブT細胞」と呼ばれる就活生
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
2.就活生(ナイーブT細胞)のCD4+T細胞は、
ヘルパーT細胞に変わる事から「Th0細胞」と呼ばれる
※「Th」はヘルパーT細胞の英語表記「T cell helper」の頭文字
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
3.異物(抗原)の
サンプルを載せたお皿(MHC)を見付けて
刺激を受けると活性化、異物を覚えて増殖、就職(分化)する
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
就職 [エフェクターT細胞(機能性T細胞)]
1.就職後は「エフェクターT細胞(機能性T細胞)」と呼ばれる
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
2.CD8+T細胞は「キラーT細胞」の役職に就く
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
3.CD4+T細胞は「ヘルパーT細胞」から3つの課に分かれ、
「Th1細胞」、「Th2細胞」、「Th17細胞」の役職に就く
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
キラーT細胞 [CD8+T細胞]
1.キラーT細胞は前線部隊の営業で、
会社(体)に入り込んだ敵(感染細胞)と身一つで闘う
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
2.標的は病原体に感染した細胞など、生体に危害を与える細胞
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
3.キラーT細胞は「細胞傷害性T細胞」や「CTL」とも呼ばれている
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
4.FIPでは抗原提示(FIPV感染のお知らせ)をしている
感染細胞を倒して感染の拡大を防ぐ
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
5.FIPではマクロファージが出す信号である
サイトカインの「TNF-α」のせいで自殺(アポトーシス)してしまう
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
ヘルパーT細胞 [CD4+T細胞]
1.ヘルパーT細胞は、社員をその時に必要な「サイトカイン」という
栄養剤で活性化して助ける事務 兼、補給部隊
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
2.ヘルパーT細胞は部署名で、
「Th1細胞」と「Th2細胞」と「Th17細胞」などの課へ
必要に応じて分かれる
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
・Th1細胞
1.Th1細胞は営業のキラーT細胞、マクロファージ等の免疫細胞を
「インターフェロン(IFN)-γ」等の複数の栄養剤で元気にする
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
2.Th1細胞が渡すIFN-γ等の栄養剤は
「Th1サイトカイン」と呼ばれ、「細胞性免疫」を担当する
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
3.細胞性免疫は、FIPではドライタイプを引き起こす免疫
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
・Th2細胞
1.Th2細胞は抗体を作る「B細胞」等の免疫細胞を、
「インターロイキン(IL)-4、5、6」等の
複数の栄養剤で元気にする
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
2.Th2細胞が渡す栄養剤は「Th2サイトカイン」とも呼ばれ、「液性免疫」を担当する
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
3.液性免疫は、FIPではウエットタイプを引き起こす免疫
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
・Th17細胞
1.Th17細胞は2000年に発見された新しい細胞で、研究段階
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
2.Th17細胞は細胞外細菌や真菌と闘う為に、
マクロファージ等の免疫細胞を「IL-17」等の栄養剤で元気にする
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
3.Th17細胞はアレルギーと密接に関わる
IL-17、TNF-α等を分泌するので自己免疫疾患と深い関わりがある
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
制御性T細胞
1.制御性T細胞は会社(体)が社員(免疫細胞)を
過剰に働かせない様にする労働組合
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
2.アレルギーは制御性T細胞が正しく働いて
「免疫寛容」が起きれば発症しない
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
3.「自己免疫疾患」は敵(抗原)が自分自身で、
「アレルギーの自分版」
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
4.「自己寛容」が起きれば自己免疫疾患は起こらない
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
5.制御性T細胞が働き過ぎると免疫が働かなくなり、
癌などの病原体に負けてしまう
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
流れ
ナイーブT細胞 (抗原と出会う前)
・[CD4+T細胞(Th0細胞)]
・[CD8+T細胞]
↓
エフェクター(機能性)T細胞 (抗原と出会って増殖、分化)
・[CD4+T細胞=ヘルパーT細胞]
※状況に応じてTh1細胞、Th2細胞、Th17細胞などへ分化
・[CD8+T細胞=キラーT細胞]
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5.免疫細胞
ここでは胸腺の生徒であるT細胞とは違う免疫細胞を、
少しだけご紹介します。
B細胞
抗体を作る免疫細胞は「B細胞」と呼ばれ、
制作部署 兼、実働部隊です。
B細胞はT細胞と教室が違い、
始まりこそ骨髄の造血幹細胞と出身が同じですが
骨髄が教室のままでB細胞へと分化、成熟します。
お仕事は、会社(体)を乗っ取ろうとする敵を、
その敵専用(特異的)の手錠(抗体)を作って捉えたり、
目印になる役割です。
※
特定の抗原に対して専用に反応する事を、
免疫学では「特異的」と呼びます
B細胞は手錠の形が様々に違うので課が多く、
敵(抗原)に合う手錠(抗体)を持つ課だけが増員(増殖)され、
これらは「プラズマ細胞(形質細胞)」へと昇進(分化)します。
難しく言うと
「特異的な抗体を持つB細胞が増殖し、
形質細胞へと分化、増殖して抗原を捕獲、病原体を失活」
させます。
抗体を作る免疫細胞なので、液性免疫を担当しています。
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
マクロファージ
マクロファージは「貪食細胞」とも呼ばれ、
病原体や死んだ細胞等の異物を処理(食べて)、
分解(消化)してくれます。これを「食作用」と呼びます。
つまり会社(体)を乗っ取ろうとする敵や、
会社の中のごみも綺麗にお掃除してくれる、食べて闘うお掃除屋さんです。
通じるか分かりませんが、「シティーハンター」みたいです。
※北条司先生作の漫画
B細胞と同じく骨髄の造血幹細胞から始まって、
骨髄が教室のままで「単球(単核白血球)」として成熟します。
その後血流に乗ると2日で血管壁を通り抜け、
マクロファージへと分化を遂げます。
・抗原提示細胞としてのマクロファージ
マクロファージは抗原提示細胞としても活躍します。
抗原となる異物を食べると、
分解した異物の一部を抗原ペプチド(断片)にして
自分のMHCクラスII分子(お皿)に載せ、ヘルパーT細胞に知らせます。
ヘルパーT細胞は
「見て」
「掴んで」
「知らせる」
TCR(現行犯逮捕する通報者)を持っているのは先述した通りですが、
抗原ペプチドを載せているMHC-IIをTCRが認識し、
その抗原と合う(特異的な)TCRを持つヘルパーT細胞だけが活性化されます。
活性化されたヘルパーT細胞は
サイトカイン(信号)を産生してマクロファージを活性化、
更にその抗原と合う形の抗体(手錠)を持つB細胞を活性化し、
プラズマ細胞(形質細胞)へと分化させて増殖させます。
抗体は抗原を捕まえて「抗原抗体複合体(免疫複合体)」となり、
これをマクロファージが貪食して処理します。
簡単に言うと、
ヘルパーT細胞がTCRを使って敵(抗原)に気付き、周りに知らせる
↓
その敵専用(特異的)のヘルパーT細胞が活性化される
↓
活性化されたヘルパーT細胞が、
その敵専用の手錠(抗体)を持ったB細胞を活性化して
プラズマ細胞(形質細胞)へ昇進(分化)、増員(増殖)させる。
↓
プラズマ細胞が手錠で敵を捕まえた
「抗原抗体複合体(免疫複合体)」をマクロファージが食べて処理する。
と言う事です。
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簡単なまとめ
B細胞
1.B細胞は「骨髄の教室」を出た、抗体を作る制作部署 兼、実働部隊
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
2.会社(体)を奪おうとする敵を、その敵専用の手錠(抗体)で捕まえる
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
3.手錠の形は様々で課が多いので、
敵に合った手錠を持つ課だけが増員されて
「プラズマ細胞(形質細胞)」へと昇進(分化)する
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
マクロファージ
1.マクロファージは「骨髄の教室」を出た、
敵を食べる(食作用)「貪食細胞」
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
2.敵(抗原)やごみ(死んだ細胞等の異物)を
食べて(処理)、消化(分解)する、食べるお掃除屋さん
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
3.「抗原提示細胞」として、敵の一部(抗原ペプチド)を
自分のお皿(MHCクラスII分子)に載せてヘルパーT細胞に通報する
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
4.ヘルパーT細胞がTCRで「見て」「掴んで」「知らせる」事で、
その敵と合うTCRを持つヘルパーT細胞だけを活性化する
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
5.活性化されたヘルパーT細胞は栄養剤(サイトカイン)で
マクロファージや、敵と合う形の手錠(抗体)を持つB細胞を活性化する
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
6.活性化されたB細胞は
プラズマ細胞(形質細胞)へと昇進(分化)し、増殖される
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
7.手錠が敵を捕まえて「抗原抗体複合体(免疫複合体)」にし、
マクロファージが食べて消化する
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
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6.FIPに関係してくる免疫
ここからはFIPに関係してくる免疫の紹介をしていこうと思います。
液性免疫(体液性免疫)
花粉症などのアレルギーを起こす免疫で、
この液性免疫が異常を起こすとIII型アレルギーを発症し、
ウエットタイプとなります。
抗体を作る免疫反応なので、「Th2細胞」とは密に繋がりがあります。
ワクチンはこの液性免疫で作られる、
抗体の仕組みを利用して作られています。
一度罹った病原体に対しては抗体が作られて、
症状が治まった後にもその抗体の一部は
「メモリーB細胞(記憶B細胞)」として保存されます。
そして次に同じ病原体が侵入して来た場合には
メモリーB細胞が速やかにプラズマ細胞となって抗体を産生、
早急に免疫反応を起こす事で本格発症前に防ぐ事が出来ます。
・ワクチンとFIP
ワクチンとは即ち、
生ワクチンであれば「弱体化させた簡単に倒せる病原体」を、
一般的なワクチンであれば「死んだ病原体の一部(抗原)」を
体にわざと入れて覚えさせ、
2度目の感染では楽に倒せる様に計らうという仕組みです。
ですがワクチンに使用される薬品は「ホルムアルデヒド(ホルマリン)」や「水銀」等の神経毒を始めとした毒であったり、
FIPと病態の近い自己免疫疾患との因果関係も指摘されています。
歴史的には別の病原菌や癌になるウイルスに汚染されていたり、
一生自由に動けなくなる様な病気に罹ったり、
最悪の結果である死亡となったりと、問題が余りにも多いのが現状です。
例えば1960年のポリオワクチン汚染問題なんかは大変な事です。
これはワクチン製造に使用されたアカゲザルの腎臓細胞に
「SV40ウイルス」が感染していた為にワクチンが汚染された問題です。
ネズミに腫瘍(癌)を作るウイルスで、人の腫瘍からも見つかっている事から人間の癌の原因としても疑われています。
この汚染ワクチン、
なんと日本を含めた世界中、数億人にばらまかれたのですよ。
※
「ポリオワクチン - Wikipedia」
「霊長類フォーラム:人獣共通感染症第50回 SV40と人の癌の関連が再燃」
「SV40は ヒ ト腫瘍発生の犯人にな りえるか? 伏見 和郎 、 難波 正義 岡山大学医学部分子細胞医学研究施設細胞生物学部門」
近年でも、例えば2018年には
基準値を超えたヒ素がBCGワクチンから発見されています。
厚労省が医療機関に情報提供を怠っていた(隠蔽しようとしていた?)事が発覚し、日本医師会が抗議した経緯があります。
「BCGワクチン溶液のヒ素問題、厚労省対応を非難 日医「由々しき事態」、抗議文提出へ | メディカルサポネット」
これらは人間のワクチンの場合ですが、人間ですらこのざまですから
動物に使用される物はもっと安全性が低いと思われます。
誤解のない様に申し上げますと、
筆者はワクチンの必要性を理解しています。
動物に限った話でもありませんが、
多くの流行病はワクチンを多数が打ってくれたお陰で
激減~消滅しています。
ワクチンによって世界中から根絶された天然痘なんて、
今では生物兵器ですものね。
これは紛れもない事実であり、今私達が大きな病に曝されずに安心して生活出来るのは、先人達の築いて下さったワクチン開発と接種の繰り返しという歴史のお陰です。
安全か、危険か、必要か、不要かは別として、
これはとても大切な事実です。
こちらの先生のお話は、
ワクチンにどの様な考え方を持っていても見て頂きたいです。
それとは別としますが、
実際にFIPの発症原因の多数がワクチンがきっかけであり、
同じ程に多いのは避妊去勢手術ですが、
こちらも麻酔や多数の薬品の複合使用が原因として疑われています。
近年では残念ながら発症増加の原因として、
柔軟剤や香る洗濯洗剤が強く疑われます。
これらは実際に、獣医誌に死亡例が掲載されるなどの重大な問題が起きていますが、野放しになっているのが実情です。
これは通常使用での死亡例です。
どうか一度
こちらをご覧下さい。
動物が家族でもそうではなくても、誰しもが知っておくべき現実です。
* * * * * * * * * * * * * *
・Ⅲ型アレルギーとFIP
体内に病原体などの異物を感知すると抗体(手錠)を作り、
抗原(敵)と結合させて「抗原抗体複合体(免疫複合体)」を形成、
マクロファージに食べさせて(貪食)処理分解をします。
この食べられる前の免疫複合体が血流に乗り、
全身を巡って血管壁に付着する事で、傷付けた場所から水が漏れるんですね。
これを「Ⅲ型アレルギー」と呼びます。
抗原抗体複合体によって漏れた水から
腹水、胸水等の水の貯留が起こるのですが、つまり
腹腔内なら腹水
胸腔内なら胸水
心嚢内なら心嚢水
となる訳です。
* * * * * * * * * * * * * *
・マクロファージに棲みつくFIPV
所でこの抗原抗体複合体を食べたマクロファージですが、
本来ならここで抗原(敵)は処理、分解されます。
ですがFIPV(Vはウイルスの頭文字)は
マクロファージの中に棲みつくんですよ。
マクロファージは体中の何処にでも移動出来る能力があり、
これによりFIPでは全身にウイルスが広まってしまう事となります。
論文等で見た事が無いので私見ではありますが、
ウエットタイプの進行が早いのはこれが原因かと思われます。
つまりウイルスに対して抗体が作られ、
ウイルス入りの抗体をマクロファージが食べ、
そこを住処にして体内を巡りながらウイルスが増殖します。
FIPウエットタイプの流れとしてはこうなります。
FIPVが体内で発生
↓
マクロファージを住処にして体中を巡り、ウイルスが増殖
※本来ならマクロファージが処理、分解
↓
ウイルスに対する抗体を産生
↓
抗体がウイルスに結合して捕まえる
↓
ウイルスを捕まえた抗体(抗原抗体複合体)をマクロファージが貪食
↓
マクロファージを住処にして体中を巡り、ウイルスが増殖
※本来ならマクロファージが処理、分解
↓
始めに戻って繰り返し
本当に恐ろしい事ですが、
「作られた抗体=FIPVの住処」となるので
爆発的な増殖の原因となるのだと思われます。
この為、「FIPでは液性免疫は無効、または悪化の原因」と言われます。
*****************************************************************************
簡単なまとめ
液性免疫とウエットタイプ
1.液性免疫(体液性免疫)は抗体(手錠)を作る免疫反応で、
異常を起こすとIII型アレルギーを発症してウエットタイプになる
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
2.一度罹った病気に対して抗体を作ると
メモリーB細胞(記憶B細胞)として覚える
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
3.メモリーB細胞があると、
次の感染ではすぐに敵に合った手錠を持つB細胞が増員されて、
2度目の感染は軽度で済む
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
4.敵(抗原)に手錠(抗体)をかけて捕まえると
「抗原抗体複合体」になり、
これをマクロファージが食べて(貪食)処理する
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
5.Ⅲ型アレルギーは抗原抗体複合体が血管の壁を傷付けて水が漏れ、
場所によって「腹水」、「胸水」、「心嚢水」になる
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
6.FIPVはマクロファージに食べられても処理されず、棲み処に出来る
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
7.ウイルス入りの抗原抗体複合体を食べたマクロファージが
ウイルスごと体中に回る
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
8.抗体を作るという事は=FIPの棲み処を作るということで、
ウエットタイプの進行が早い原因と考えられる(私的な見解)
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
*****************************************************************************
細胞性免疫
臓器移植の拒否反応を起こす免疫で、
この細胞性免疫が異常を起こすとIV型アレルギーを発症し、
ドライタイプとなります。
IFN-γ等のサイトカインがこの免疫を担当する免疫細胞を賦活する為、
「Th1細胞」とは密に繋がりがあります。
体内に病原体等の異物を感知すると、
それらを貪食、消化するマクロファージが活性化、
移植細胞、感染細胞、癌細胞などを破壊する細胞であるキラーT細胞、
感染細胞、癌細胞などを破壊する細胞であるナチュラルキラー細胞が攻撃します。
* * * * * * * * * * * * * *
・IV型アレルギーとFIP
このアレルギーは唯一、
液性免疫による抗体ではなく細胞性免疫が引き起こします。
一度T細胞が抗原と出会うと
「メモリーT細胞(記憶T細胞)」として保存され、
「感作T細胞」となります。
この感作T細胞は、次に同じ抗原と出会うと活性化されます。
活性化されると免疫応答が起こり、
細胞間でサイトカインの「TNF-α」を産生して
これを合図に抗原へマクロファージ、白血球を集積させます。
これらに1~2日と時間が掛かる為、遅延型アレルギーと呼ばれます。
この集積されたマクロファージ達がウイルスを閉じ込めた物が「肉芽腫」で、それが圧迫して神経症状や内臓障害等が起こります。
つまり簡単に言ってしまえば肉芽腫とは、
「ウイルスを閉じ込めた細胞の塊」と言う事です。
* * * * * * * * * * * * * *
・なぜ肉芽腫を作るのか
肉芽腫は、ウイルスや異物が侵入すれば必ず作られるものではありません。
何故なら細胞性免疫が正しく免疫が働いた場合、
ウイルスは免疫細胞達によって駆逐して貰えます。
この子達はFIPを完治出来る子です。
その流れは後述しますね。
では何故ドライタイプを発症する子達が肉芽腫を作るのかと言えば、
それは「免疫が弱くウイルスを処理できないから」です。
免疫が弱く、異物に対して対処する事が適わなかった場合は
「隔離」してしまおうと免疫が働くんですよ。
そんな無茶な、と思われた方もいらっしゃるかも知れませんが、
実はこの状態で一生発症させずにおく事も可能なんです。
びっくりですよね。
なので家の子やFIP発症後に寛解した子は、
今現在もウイルス入りの肉芽腫を体内に持っているかも知れないんです。
※ウエットタイプ診断の場合でも、
症状に気付かなかっただけで混合型だった可能性もあります
この為、ドライタイプを発症する子はしばしば論文等で
「弱い細胞性免疫が働いた子」と表現されます。
その他にも「細胞性免疫に異常が起きる」という表現もされますが、
これは肉芽腫が正しく働けば有効な免疫反応となりますが、
神経の圧迫や内臓障害などにより「体に不利益な反応」となってしまった場合には「IV型アレルギー」の発症となりますので、その状態を指しています。
※「アレルギー」とは免疫反応が体に対して不利益な反応となる事です
「アレルギー | 看護師の用語辞典 | 看護roo![カンゴルー]」
つまりざっくりとドライタイプを表すのなら、
「異物を処理できない場合にマクロファージ等の細胞が塊になり、異物を閉じ込めて隔離する免疫反応」
です。
* * * * * * * * * * * * * *
・肉芽腫は進行を抑えてくれている
これも論文等で見た事が無いので私見ではありますが、
ドライタイプの進行が遅いのは肉芽腫による隔離が理由かと思われます。
実際に、同じ様に肉芽腫が作られる結核では
マクロファージを集合させる合図であるTNF-αが産生されない場合、
肉芽腫が形成されずに結核菌が増加して進行が早いので悪化します。
FIPドライタイプの流れとしてはこうなります。
FIPVが体内で発生↓
マクロファージを住処にしてウイルスが増殖
※本来ならマクロファージが処理、分解
↓
ウイルスに対抗出来ない為、隔離を選ぶ
↓
「TNF-α」を合図にしてマクロファージや白血球を集合させ、
塊となってウイルスを閉じ込め隔離する
↓
塊が圧迫して起きる神経症状や、
内臓障害を主としたドライタイプの症状が出る
* * * * * * * * * * * * * *
・FIPを完治させる子は細胞性免疫が強く正しく働いた子
FIPを発症せずに、
勿論肉芽腫も作らずにFIPVを倒せる子の流れとしてはこうなります。
体内に異物が侵入すると、正しく免疫が働いた場合は
マクロファージや単球などの「貪食細胞」が処理、分解します。
所がFIPVは、このマクロファージに棲みつきます。
感染されたマクロファージは侵入者を知らせる為に
FIPVをお皿(MHC)に載せて見せたり(抗原提示)、
炎症性サイトカインであるインターロイキン(IL)-12を出す事で、
まだ就活生であるCD4+T細胞をTh1細胞に就職(分化)させます。
このTh1細胞はIFN-γという栄養剤をマクロファージに渡して活性化させ、「活性酸素」や「活性窒素」を武器として闘わせます。
また、抗原提示している感染細胞をキラーT細胞が倒したりもします。
つまり
FIPVが体内で発生
↓
マクロファージを住処にする
↓
①マクロファージが抗原提示して侵入者を通報
②マクロファージが炎症性サイトカインであるIL-12を分泌、
Th1細胞を増やす
↓
①抗原提示している感染細胞をキラーT細胞が倒す
②増えたTh1細胞がIFN-γを分泌、マクロファージが活性化して
「活性酸素」や「活性窒素」でウイルスを攻撃
↓
アレルギー反応を起こさずに免疫細胞がウイルスを処理、完治
こうしてFIPで起きるアレルギー反応を起こさずに、
免疫細胞が処理した場合にのみFIPの発症を免れたり完治が適います。
*****************************************************************************
簡単なまとめ
細胞性免疫とドライタイプ
1.細胞性免疫は免疫細胞が闘う免疫反応で、
異常を起こすとIV型アレルギーを発症してドライタイプになる
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
2.体内に病原体等の異物を見付けるとマクロファージが活性化、
キラーT細胞、ナチュラルキラー細胞等が攻撃する
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
3.一度抗原と出会ったT細胞は
「メモリーT細胞(記憶T細胞)」として覚えて「感作T細胞」になる
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
4.メモリーT細胞があると
次の感染ではすぐに活性化されて合図(サイトカイン)を出し、
免疫細胞を集めて迅速に対処できる
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
5.メモリーT細胞が合図である「TNF-α」を出して
抗原(敵)へマクロファージや白血球を集めて閉じ込めた物が「肉芽腫」
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
6.IV型アレルギーは
肉芽腫の圧迫により神経症状や内臓障害など、様々な障害が起こる
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
7.肉芽腫を作る理由は
免疫細胞が弱く、ウイルスを倒せないから隔離して閉じ込めている
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
8.一生肉芽腫に閉じ込めたままも可能で、
FIPを寛解した子は体内にウイルス入りの肉芽腫を持っている可能性がある
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
9.同じ様に肉芽腫に菌を閉じ込める
結核では結核菌を隔離すると進行が遅い
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
10.FIPも結核と同様に、ドライタイプの進行が遅いのは
肉芽腫によるウイルス隔離が理由と考えられる(私的な見解)
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
FIPを完治させる為の細胞性免疫の働き
1.細胞性免疫を強く正しく働かせれば、
アレルギー反応を起こさずに免疫細胞がウイルスを倒してくれる
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
2.FIPVに棲みつかれてしまった
マクロファージが侵入を知らせたり(抗原提示)、
合図(炎症性サイトカイン)を出したりして味方を増やす
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
3.合図を受けた就活生のCD4+T細胞を
Th1細胞に就職(分化)させる事でマクロファージは栄養剤を貰い、
「活性酸素」や「活性窒素」を武器に闘う
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
4.感染されたマクロファージは
抗原提示をする事でキラーT細胞に倒して貰う
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
5.アレルギーを起こさずに免疫細胞が処理した場合だけ
発症をせずに済んだり、完治する事が出来る
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
*****************************************************************************
7.役割まとめ
胸腺教室で起こる事
胸腺:教室 兼 先生
T細胞:生徒
一年生 [ダブルネガティブ(DN)胸腺細胞]
(CD4もCD8も持っていない)
↓
第一のテスト「正の選択」
二年生 [ダブルポジティブ(DP)胸腺細胞](CD4もCD8も持っている)が受けるテスト。
TCRが正しく働くかを確認する為の、侵入者に対する通報能力のテスト。
↓
第二のテスト「負の選択」
三年生 [シングルポジティブ(SP)胸腺細胞](CD4かCD8を持っている)が受けるテスト。
自分の細胞を攻撃しないかを確認する為のテスト。
二つのテストに合格すると卒業し、胸腺から出て仕事を始める。
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
胸腺から卒業したT細胞の体内での役割
キラーT細胞:営業(前線部隊)
会社(体)に入り込んだ敵(感染細胞)と闘う。
FIPでは感染細胞をウイルスごと食べてくれる。
ヘルパーT細胞:事務 兼 補給部隊(後衛部隊)
複数の課に分かれ、担当する社員(免疫)を
必要に応じた複数の種類の栄養剤(サイトカイン)で活性化して助ける。
・Th1細胞(ヘルパーT細胞)
細胞性免疫担当。
営業のキラーT細胞、食べるお掃除屋さんのマクロファージ等の免疫細胞を元気にする。
・Th2細胞(ヘルパーT細胞)
液性免疫担当。
B細胞等の免疫細胞を元気にする。
・Th17細胞(ヘルパーT細胞)
アレルギーや自己免疫疾患を起こす栄養剤を渡す細胞。
菌と闘う為にマクロファージ等の免疫細胞を元気にする。
・制御性T細胞:労働組合(ヘルパーT細胞)
会社(体)が社員(免疫細胞)を過剰に働かせない様にし、
アレルギーや自己免疫疾患を起こさない様に働く。
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
免疫細胞
B細胞:制作部署 兼 実働部隊
会社(体)を乗っ取ろうとする敵を、敵専用の手錠(抗体)で捕まえる。
FIPでは抗体でウイルスを捕らえてマクロファージに食べさせるが、
ウイルスがマクロファージに棲みつく事で悪化させてしまう。
マクロファージ:
敵やごみ(死んだ細胞等の異物)を食べて消化する、食べるお掃除屋さん。
FIPでは住処にされてしまうが、Th1細胞から「IFN-γ」等の栄養剤を貰う事で「活性酸素」や「活性窒素」を武器にウイルスと闘う。
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
免疫
液性免疫:
抗体を作る免疫反応。
ワクチンはこの免疫反応を利用したもの。
FIPではウエットタイプを引き起こす。
細胞性免疫:
マクロファージ、キラーT細胞などの免疫細胞が闘う免疫反応。
FIPではドライタイプを引き起こす。
FIPを完治させるのもこの免疫反応で、肉芽腫を作らずに
マクロファージやキラーT細胞が直接闘うとウイルスを倒せる。
肉芽腫:
異物を隔離する為にマクロファージ等の免疫細胞が集まった物。
FIPではウイルスを閉じ込めた肉芽腫が神経を圧迫したり
内臓の働きを邪魔してしまう。
抗体:
B細胞が使う、ウイルス等の異物を捕らえる手錠。
FIPでは抗体でウイルスを捕まえてマクロファージが食べる事により、
マクロファージにウイルスが棲みついてしまう。
サイトカイン:
免疫の出す信号。
様々な信号を出す事で細胞を元気にしたり、
集めたりと色々な免疫反応を起こす。
抗原提示:
抗原(異物)をMHCに載せて侵入者を周りへ知らせる事。
特異的:
ある敵に対してのみ働くこと。
アポトーシス:
細胞の自殺。正常に働く細胞のみを残す事が出来る。
FIPではサイトカインのTNF-αによってキラーT細胞がアポトーシスを起こしてウイルスと闘えなくなってしまう。
分化:
細胞の役割や性質が変化する事。
感作:
一度抗原と出会って記憶し、その敵へすぐに対処が出来る状態。
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
アイテム
CD:
体内で動く為の名刺になる
MHC:
多くの細胞が持っている、異物を載せて周りにお知らせするお皿
TCR:
T細胞が持っている、現行犯逮捕して警察を呼ぶ「通報者」の役割。
異物の載ったお皿(MHC)を「見て」、「強く掴み」、
周りに知らせて「出動」させる。
++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
インターネット上で様々な情報を共有して下さる皆様、
日々研究を積み重ねて社会をより良くして下さる皆様に、
心からの御礼を申し上げます。
※以下、参考ページとして
「胸腺 - Wikipedia」
「造血幹細胞 - Wikipedia」
「骨髄 - Wikipedia」
* * * * * * * * * * * * * *
キラーT細胞
「細胞傷害性T細胞 - Wikipedia」
ヘルパーT細胞
「ヘルパーT細胞 - 健康用語WEB事典」
「CD4+ヘルパーT細胞分化の基礎と臨床 臼井 崇」
「ナイーブヘルパーT細胞 - 健康用語WEB事典」
Th17細胞
「Th17細胞 - Wikipedia」
「Ribs - Iwakura Lab. IL-17と新規IL-17産生ヘルパーT細胞サブセット」
「Th17細胞とは - Weblio辞書」
「Th17細胞関連製品 | MBLライフサイエンス」
制御性T細胞
「制御性T細胞 - Wikipedia」
「4. T細胞活性制御のしくみ│研究成果 -アレルギー疾患・自己免疫疾患などの発症機構と治療技術」
T細胞の分化
「胸腺内で免疫司令塔のヘルパーT 細胞が分化する仕組みを解明」
「一般向け記事9 | 河本宏研究室 京都大学再生医科学研究所」
「第Ⅱ部 私の免疫学 < αβ型T細胞(正負の選択) >: 私の免疫学のブログ」
「T細胞の分化と機能」
「T細胞分化におけるチェックポイント」
「胸腺でのT細胞の教育 自己と非自己の認識」
「自己と非自己の認識 | 役に立つ薬の情報~専門薬学」
「T細胞の分化と機能」
「正の選択とは何か | Immune Organ Network Blog」
「簡単免疫学講座 10.Tリンパ球-1 | 滋賀医科大学 | 病理学講座 | 疾患制御病理学部門」
「ヘルパーT細胞がキラー様T細胞へ変化 | 理化学研究所」
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「ミニ特集「免疫と結核」 結核菌抗原認識と T細胞免疫 Kekkaku Vol. 85, No. 6: 509_514, 2010」
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「有機水銀を含まないインフルエンザ予防接種(チメロサールフリー)|麻布医院【チメロサール(防腐剤)無添加ワクチン】」
「BCGワクチン溶液のヒ素問題、厚労省対応を非難 日医「由々しき事態」、抗議文提出へ | メディカルサポネット」
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初心者向け
「一般向け記事トップ | 河本宏研究室 京都大学再生医科学研究所 | 一般の方向け記事:免疫のしくみを学ぼう!」
「とってもやさしい生物基礎 p130_147」
「免疫の仕組み - 免疫療法コンシェルジュ」
「初めの一歩は絵で学ぶ 免疫学 「わたしの体」をまもる仕組み」
「神領小エイズ教育ページ」
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