"ふるさと納税"を考える
7月7日に、来年1月25日(土)に開催する[OUEN Japan 信念会]〜能登の創再生の応援〜のご案内を、300名を超える方々に、メールで発信した。
これから毎月に亙り、追加の方々を加えて、トピックスを追加して発信していく。
日本には「人の噂も七十五日」と言う諺があるが、その意味は「世間がいろいろと噂をするのも一時のこと。2、3ヶ月もすれば忘れて話題にしなくなる」と言うことだ。
元日に能登半島を襲った地震から、75日目は3月15日。その次の日の16日は北陸新幹線金沢⇄敦賀間延伸の開業日だった。
この日以降、金沢の地方放送局でも、能登半島地震関連のニュースの露出度は急激に落ちているそうな。まさに「人の噂も七十五日」と諺の通りだ。
それは当然のことで、悲しいことが起こった時の悲しみをずっと後まで引きずっていたら、人間は生きるのが辛くて、生きていくことができない。忘れることができて、人間は幸せに生きることができる。
芭蕉が唱えた「不易流行」という言葉がある。物事には状況に応じて臨機応変に変えるべきもの(流行)と、決して変えてはならないもの(不易)があるという意味だ。
意味あいは違うが、変えなければならないことと決して変えてはならないことがあるということ。忘れていいことと決して忘れてはいけないことの両面がある。
しかし、能登がふるさとである私は、この地震を"自分ごと"として決して忘却の彼方にしてしまってはいけない。そして、だからと言って下向きになることなく、絶えず、前を向いて、明るい将来展望を描いて、多くの仲間たちに応援と協力をいただき、能登の創再生の応援をし続けていくことが、私の第二生のミッションなのだ。
昨日も、何人もの人が外苑前の事務所にお越しになった。私は彼らと能登の話をする。相手も、私から来年の[OUEN 信念会]のご案内のメールを受信していらっしゃるから、皆さん、いろいろな形で能登の応援をしようと仰っていただける。そして、具体的な話もいただく。
私は、7月に来年の[OUEN 信念会]のご案内のメールを出して良かったと思った。
悲壮感を持つことなく、地道に能登の創再生の応援の応援をお願いしていくのだ。お願いし続けていくことだ。
応援をしていただければ、私も何か応援して差し上げようと思う。そのキャッチボールが'幸せの連鎖"を起こす。
具体的な話として、皆さんから"ふるさと納税"が出た。個人のふるさと納税は皆さんよくご存知の通りだ。
ふるさと納税とは、そもそも何のためにつくられた制度なのか?
多くの人が地方のふるさとで生まれ、その自治体から医療や教育等様々な住民サービスを受けて育ち、やがて進学や就職を機に生活の場を都会に移し、そこで納税を行っています。
その結果、都会の自治体は税収を得ますが、自分が生まれ育った故郷の自治体には税収が入りません。
そこで、「今は都会に住んでいても、自分を育んでくれた「ふるさと」に、自分の意思で、いくらかでも納税できる制度があっても良いのではないか」、そんな問題提起から始まり、数多くの議論や検討を経て生まれたのがふるさと納税制度です。
私には身につまされる話しだ。私こそ、"ふるさと能登に恩返し"をしなければならない。
そんなふるさと納税の制度であるが、今はその返礼品の中身の競争になっていて、本来の趣旨から離れてしまっているのが現状だ。
それはそれでいい。それが地方創生の応援の切っ掛けになればいい。
この機会に、地方自治体は魅力ある地方を創っていくことだ。皆んなが創意工夫して地方の活性化を政策に落とし込んでいってくれればいい。
返礼品のこともあるが、本質的に大切なことは、「地方自治体は、人口減少社会の中で、『我が町をどういう町にしていくのか』、『どうすれば若者たちが住み続けたくなる町になるのか』」と、それを真剣に考えて、形に落としていくことなのだ。
その努力をどれだけしているのか。これからはそれが問われている。
ふるさと納税に"企業版ふるさと納税"がある。私は知らなかった。
企業版ふるさと納税とは、国が認定した地方公共団体の地方創生事業に対し企業が寄付を行った場合に、最大で寄付額の9割が軽減される仕組みです。
イメージとして、オーナー企業のオーナーが生まれ育ったふるさとに納税するケースが分かりやすい。そんなオーナーなら、ふるさとのために寄付をしようと思うだろう。
そうでなければ、何でこの自治体に寄付するのかということになる。生まれ育った町でもないのに、その理由は何だということだ。
何かの縁があればいい。企業の支店や営業所がその町にあり、お世話になっているとか。町との取引があり、頻繁に町を訪れているとか。
数多自治体があるなかで、何でその市や町なのか、ということだ。
能登の場合、能登半島地震でその復興を応援したいということもその一つの理由になるだろう。
[OUEN Japan]として何ができるだろうか。
学生たちや留学生たちを応援してくださっている企業の皆さんが多くいらっしゃるから、その企業の皆さんにお願いすることは勿論できるのだが、それだけで企業はその町に寄付をする切っ掛けにはなっても、寄付をする理由にはならない。
どうしてもストンと腹落ちする大義が必要だ。
少子高齢化、人口減少社会の日本だ。ある意味で"地方の時代"になったとも言える。
この町はこんな地方創生をやろうとしている。我が町を、魅力ある明るい元気な地方にするために、全国各地の地方が目指したいモデルの町になろうとしている。その応援をしたいという大義が必要ではないだろうか。そのために知恵を絞ることだ。
ことは容易いことではない。
しかし、ネバーネバーネバーギブアップ。
皆んなでワイガヤして、アイディアを出す。いいアイディアを出したらそれを行動に移す。
やればできる。自分に自信を持つことだ。先は明るい。
不動院重陽博愛居士
(俗名 小林 博重)