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世のため人のために、キモノールを拡げていく

昨日は一日中、信念会で着用した義父の大島紬をリメイクした”キモノール”を着用して一日を過ごした。朝に自宅で着て、徒歩2分の事務所まで、青山通りを歩いた。午後は、事務所から表参道の銀行との往復と外苑の銀杏並木の散策等、事務所の周囲をブラブラして、ウォーキング不足を少々ながらカヴァーした。
着物は日本文化だ。自然と気持ちが引き締まる。”馬子にも衣裳”という諺がある。また、水前寺清子は、”いっぽんどっこの唄”で”襤褸(ぼろ)は来てても心の錦”と歌っている。
いずれも真実だが、今回の着物の着用は前者に当たる。

私は、長い間、着物を着用したことはない。いつ着用したのか思い出してみたが、それは昭和54年(1979年)の自分の結婚式の時ではなかったかと思う。45年前のことだ。息子たちの結婚式の時も着なかった。着物は日本の民族衣装であるのに、着物は縁遠い服装になっている。
一般人にとって、着物は、七五三や成人式や結婚式、茶道や華道の時くらいしか着ないのではないだろうか。それだけ着物は特別なシーンでしか着ないようになった。着物は時代劇でしかご縁がないのだ。
日本人の心を表す着物がこのような現状であると、日本人の日本らしい心根は次第に廃れていくのかもしれない。

[着物文化と日本という国]
着物は日本の民族衣装です。海と山に囲まれた豊かな自然と四季の変化の中で、日本に住む我々の祖先は独自の美意識を育て、着物にその美意識を表現してきました。 着物の中には、日本の繊細な四季の変化に合わせ、身に着けられる時期がごく限られた素材・絵柄もあります。 まさに着物ならではの贅沢と言えるでしょう。

[伝統文化としての着物]
長い歴史の中で変化しながら受け継がれてきた着物は、日本が誇れる伝統文化のひとつ。 日本人ならではの内面の強さやしなやかさ・奥ゆかしさを引き立ててくれるのは、まさに着物ならではです。
普段の生活の中で着る機会は少なくても、大切な場面では現在も着物の出番はあります。 七五三に成人式、お宮参りなどの行事・儀式、茶道・華道・日本舞踊などのお稽古ごと、剣道・弓道など日本古来の武道にも着物は欠かせないものです。  
歌舞伎や能の鑑賞に着物で出かければ、気分が上がりますし、周囲から注目されることあるでしょう。 また、しっかりと管理とお手入れをすれば、祖母から母、母から娘へと、何代にも渡って受け継いでいくことができるのも着物のすばらしさです。

能登から東京に帰るついでに金沢に立ち寄り、近江町市場やひがし茶屋街をブラブラすると、インバウンドで日本に来ている多くの外国人(西欧人)の人たちが着物を着て、買い物や食事をしたり、散策して写真を撮ったりしている。外国人の人たちは、着物(和服)を着て、身を以て異文化を感じているのではないか。それに反して、日本人で着物を着ている人は、全くと言っていいほどいない。
勿論、外国人の人たちは着物をレンタルするところで着付けをしてもらう。一人で着物を着ることはない。だから、着物のレンタル料金の他に着付け料金がかかる。成人式の日本人も同様だろう。
また、着物は高価な服装だ。特に女性が成人式で着る振袖はご両親が買ってくれるのだろうが、今はレンタルが多いのではないだろうか。和服のお店は商売上がったりだろう。

私が着物を着てみようかと思ったきっかけは、中能登町の"KIMONALL BACE 瀬戸花見月"を訪れたおり、坂井さゆりさん(特定非営利活動法人NPO 石川バリアフリーセンター理事長)にお会いしたからだ。
この簡単に着ることができる”キモノール”は、着物をリメイクして上下にセパレートしたもので、私一人でも着るのに10分はかからない。

[石川バリアフリーツアーセンターについて]
『行きたいところに 行けたらいいな!』
障がいや高齢で自由がきかないけれど
旅行がしたい! 温泉に入りたい! おいしいお料理を食べたい!
そんなお客さまのために、石川(奥能登・能登・金沢・加賀)の旅の
バリアフリー情報をご紹介する観光案内センターです。

坂井理事長曰く、
車椅子の女性の障がい者をお子さまに持ったご両親が、「娘の成人式に振袖を着せてあげたい」とか、障がい者の親御さんが、「子どもの結婚式に着物を着て結婚式に出たい」という想いを叶えて差し上げたいというのが、キモノールを開発した切っ掛けだったそうな。

着物をあきらめていた
すべての人へ。
もともと日本では、着物は身近な存在でした。
着ると何だか幸せな気分になったり、
ちょっと緊張したり。
普段と違う自分になるのを感じます。
そんな着物ですが、
例えば車いすユーザーには
とてもハードルが高いのです。
着る人も、着せる人も大変。
一度着たらトイレに行くのもひと苦労。
だから私たちは、
「KIMONALL(キモノール)」を開発しました。
上下セパレートなので、シャツを着るように、
スカートをはくように、気軽に着られます。
さらに「前がはだけて見苦しくなる」
という車いすユーザーの意見に応え、
身頃も固定しています。
着物がもっと、
あなたの日々に溶け込みますように。
あなたの日々を彩りますように。

坂井理事長とお話ししていて、障がい者の人たちへの想いの強さがジンジンと私の心に伝わってくる。
まずビジネスありきではないのだ。「人のために尽くしたい」と言う熱い想いがスタートだ。私もビジネス=ボランティアが理想だと思っている。人のために尽くす、世のために尽くす想いがスタートで、その想いをベースに置いて、そのボランティア活動を長続きすることが世のため人のためであり、だからボランティアはビジネスでなければならないと思うのだ。

中能登町を、その想いを果たす起点の町にしたいと思う。中能登町を拠点として、能登半島・石川県から、全国、海外にまで拡げていきたいと思う。
実際のところ、坂井さんは海外展開も積極的にされていて、実績もおありだ。国内外出張と多忙な日々を送っていらっしゃる。私もあやかりたいと思う。

OUEN Japan とキモノールとのコラボレーションで、私の能登への想いが実現するのではないか。そんな嬉しい、楽しい思いを強く感じている。

不動院重陽博愛居士
(俗名  小林 博重)





着物と日本語

普段何気なく使っている表現や、小説やドラマのセリフの中に、着物由来のものがあることに気付かれていますか? 「襟を正す」「袂を分かつ」「辻褄が合う」「折目正しい」など。

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