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中能登の最後の晩餐を愉しむ

12月19日、中能登町に来て11日目。あと1泊を残すのみとなった。

8時半から、来期(令和7年4月以降)を見据えての打ち合わせを行なう。
OUEN Japan として、中能登町を拠点として能登半島全体の復興と地方創生を本格化させるためにも、新たな体制の構築が不可欠と考えている。そのためには、地元の皆さんとOUEN Company の皆さんのお力をお借りしなければ成るものも成らない。
来年1月のOUEN Japan 信念会を第一弾として、3月までを準備期間を経て、4月から能登半島の地方創生の応援を本格化させていきたい。

10時から、中能登町役場の行政サービス庁舎(能登部下)にある長寿福祉課との打ち合わせを行なった(この行政サービス庁舎は、私が卒業した鹿西中学校を改修した建物だ。打ち合わせをした建物は当時の職員室だったような気がする。60年近く前のことだ。懐かしい)。

中能登町には医院と歯科医院は合わせて10件ほどあるが、総合病院はない。七尾鹿島(七尾市と鹿島郡中能登町)は広域で協力しあっており、町民の健康は七尾市にある公立の能登総合病院と私立の恵寿総合病院に頼っているのが現状だ。
町民は、どうしても具合が悪くなってからでないと病院にかからないのが通例になっており、未病の段階で病気を発見する健康診断の比率が石川県内の自治体の中では下位に属していて極めて低い。町から電話でフォローしてもなかなか受信率は上がらないのだと。
だから、一人当たりの医療費は石川県でもトップクラスになっている。健康寿命を伸ばすことは、医療費の削減になるのみならず、町民の健康で幸せな生活に直結することでありる。
OUEN Japan として、そのための具体的施策を提案できないかと思い、OUEN Company の1社を紹介させていただいた。

行政サービス庁舎の周りにはお昼を食べるところがない。
黄さんがネットでやっと見つけた「農園食堂 和み」に入った。

アメブロ内に”はらこさん”という方のブログに「お母さんが作る【ほっこり田舎飯】」という題名で店内のご紹介分がありましたので、掲載させていただきました。


おかみさんは、私と同じ、能登部小学校〜鹿西中学校を卒業した1年先輩だった。
21歳で大阪の豆腐屋に嫁入りして、学校に麻婆豆腐で使う豆腐を納めて財を成したのだと(能登の出身者は、大阪で豆腐屋と風呂屋をしている人が多い。口下手の能登の人は、黙々と働くこの二つの職業が合っているということだろう。しかし、和みのおかみさんは話が大好きな女性だった。能登の人とは思えない)。50歳過ぎて中能登町に帰り、納屋を改造して、農園食堂を始めたのだと。
1年先輩だが、私は存じていない。

お店には鹿西中学校の卒業生名簿があった。40年も前のものだ。私は第16期の卒業生として載っていた。住所は中野の沼袋にあった安田信託銀行江古田寮になっていた。私が安田信託銀行人事部の時代だ。船橋に家を求める前に、この江古田寮に入っていた。30歳前半の頃だ。懐かしい。

中学校の同期の名前が載っている。顔を思い出す人、思い出すことができない人。思い出さない人が圧倒的だ。皆んな、今となればおじいさんとおばあさんだ。

今、私は中学生の時の同期とは全く交流がない。当時の私は、皆んなとはどこか一線を画していた孤高の中学生だったのかもしれない。


午後はキモノールでOUEN Japan 信念会の打ち合わせを行なった。
私と司会の裕美ちゃんはキモノールを着用する。船木さん(能登天日陰比咩神社禰宜)と大島さん(ドローンオペレーター)も着ることになった。
このサービスは、タンスの肥やしになっている和服を表舞台に引き出す、気軽に和服を着用する文化を日本に復活させると言う"日本文化の復活"の意味がある。
元々、障害者の人が成人式で気楽に振袖を着ることができるようにとの親御さんの想いを受けて開発されたものだ。そのタンスの肥やしになっている和服は、全国各地から送られてくる。
たまたま、この日は、中東の国(どこの国だったか、聞いたが忘れた)に送るキモノールの発送作業をされていた。

中能登町は織物の町であり、キモノールは中能登町をアピールする一つのアイテムでもある。私が何ができるのか、いろいろ考えてみたい。

打ち合わせを終わって、中能登町最後の晩餐用の具材を求めて、七尾まで足を伸ばした。足を伸ばしたと言っても、七尾まで車で20分はかからない。中能登町は里山だが、すぐに海に行くことができると言う点では里海であるとも言える。

恵寿総合病院のそばにある七尾で一番新鮮で安いと言うお店をどなただったかにご紹介いただいた。

香箱蟹、真鱈の鱈子、ノドグロ等々、北陸の海の幸を鱈腹買って、御祖の里で中能登最後の晩餐に舌鼓を打った。

能登の冬は、天低く、曇天の毎日が続く。天候で心が暗くなってしまうことがあるが、北陸の海の幸を食するとその美味で心が豊かになる。美味しい食は人の心も、身体も、健康にしてくれる。
とにかく、何でも前向きに考えるのとだ。
「曇天も、雪も、何でもかんでも、冬の能登は春夏秋に劣らず、魅力がいっぱい」と言って移住してくる都会の人もいる。

何でも考え方一つで幸せにも不幸せにもなるものだ。

不動院重陽博愛居士
(俗名  小林 博重)

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