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"雨ニモマケズ"と"経営の原理原則"

いつも「私はどんな人間になりたいのだろう」と考える。そんな時、宮沢賢治の『雨ニモマケズ』を思う。

[雨ニモマケズ]
雨にも負けず
風にも負けず
雪にも夏の暑さにも負けぬ
丈夫な体を持ち
欲はなく
決していからず
いつも静かに笑っている
一日に玄米四合と
味噌と少しの野菜を食べ
あらゆることを
自分を勘定に入れずに
よく見聞きしわかり
そして忘れず
野原の松の林の陰の
小さなかやぶきの小屋にいて
東に病気の子供あれば
行って看病してやり
西に疲れた母あれば
行ってその稲の束を負い
南に死にそうな人あれば
行って怖がらなくてもいいと言い
北に喧嘩や訴訟があれば
つまらないからやめろと言い
日照りのときは涙を流し
寒さの夏はオロオロ歩き
みんなにでくのぼうと呼ばれ
褒められもせず
苦にもされず
そういう者に
私はなりたい
南無無辺行菩薩
南無上行菩薩
南無多宝如来
南無妙法蓮華経
南無釈迦牟尼仏
南無浄行菩薩
南無安立行菩薩

なかなか『雨ニモマケズ』の域に到達するには、私には迂遠なことだ。まだまだ、私には我欲があるからだろう。

また、私は思う。
私は何かを成すために生まれてきた。その成したいことは何なのか。もしそれが分かったとしても、果たして私にそれができるのか。それを成すためには私一人ではできないことであるのなら、どうしたらいいのかと。

まもなく11月で72歳になる。生前葬&出陣式を執り行い、七十路の坂を越えて早2年が経とうとしている。

極めて稚拙なことではあるが、漸く、一皮二皮剥けて、第二生でのミッション〜能登の創再生の応援〜を見つけることができた。
「それを如何にして果たしていくのか」と考える時、"雨ニモマケズ"の精神に加え、稲盛さんの仰る"経営の原理原則"を実践しなければ、そのミッションは果たすことができないと思う。

稲盛和夫さんが仰る[経営の原理原則]〜経営12ヵ条〜で、私に完全に欠けているものがある。

〈経営12カ条〉
第1条 事業の目的、意義を明確にする
第2条 具体的な目標を立てる
第3条 強烈な願望を心に抱く
第4条 誰にも負けない努力をする
第5条 売上を最大限に伸ばし、経費を最小限に抑える
第6条 値決めは経営
第7条 経営は強い意志で決まる
第8条 燃える闘魂
第9条 勇気をもって事に当たる
第10条 常に創造的な仕事をする
第11条 思いやりの心で誠実に
第12条 常に明るく前向きに、夢と希望を抱いて素直な心で

私に完全に欠けているもの。それは第5条と第6条だ。

私は全く以って数字に弱いのだ。
「高く買って安く売ることが人のためだ」という「人のために尽くす」ことの意味を完全に勘違い、履き違いして生きてきたところがある。
そのことは稲盛さんとの邂逅があって、盛和塾で学ばせていただいて、骨身に沁みるほど分かっていると思っているだけのことで、全く私の血肉にはなっていない。

仕事をすることの意味は、そのことを克服するための修行なのだが、"三つ子の魂百まで"と諺にもあるように、生前葬&出陣式で生まれ変わっても、現実は死んではいないのだから、ほんとうのところ、そのバーは極めて高く、なかなか克服することができない。

稲盛さんは、「経営12ヶ条を実行できない人は経営者として力が不足する人であり、そんな人には経営ができるわけがない。企業のトップに立つ人は、経営12ヵ条を忠実に行っていく力を持っていなければならないのだ」と仰る。

では私は、私のミッションを果たすことができないのだろうか。
いや、そうではないだろう。"絶対信頼"、"絶対積極"の人をパートナーにして、その足らずの穴を埋めてもらうことで、私に与えられたミッションを果たすことができるのではないか。
たくさんの"絶対信頼"、"絶対積極"の仲間たちをつくって、皆んなでそのミッションを果たすべく、一致団結して前進することで、ミッションを果たすことができるのではないか。

そのためには、誰にも負けない努力をして、私の得手を磨き、磨き続けて、仲間たちの信頼に応えることだ。
そして、皆んなに、私を、"絶対信頼"、"絶対積極"の人間と思ってもらうことだ。

不動院重陽博愛居士
(俗名  小林 博重)

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