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強くなければ生きていけない。優しくなければ生きていく資格がない。

五十肩のリハビリで、たまプラーザ駅前にある「横浜たまプラーザ運動器スポーツクリニック」に週に1〜2度通院している。このクリニックは新宿の「サンデンタルクリニック」の小山悠子先生からご紹介していただいた。
古稀にもなるとどうしても病院とのご縁が深くなる。それは、長生きをして「世のため、人のために生きる」ために不可欠なことだ。
病院との出会いはありがたいご縁なのだと思って「感謝の心」を持って生きることが人生幸せになる最大のポイントなのだ。そんなことを思う今日この頃だ。

おかげさまで、五十肩の痛みも和らいできて、穏やかな心で生きている。

通院の帰りにたまプラーザ駅前の花屋さんで観葉植物を買い求めた。
緑は心を穏やかにする。事務所に戻って室内に吊るした。狭い事務所やベランダが草花で溢れている。そのおかげで、心も穏やかな優しさで満たされていく。

第一生を振り返る。
今まで、どんな想いで生きてきたのだろう。それは好んで歌った流行歌の歌詞に現れている。

✴︎義理が廃れば心は闇だ(人生劇場)

人生劇場

✴︎義理と人情を秤にかけりゃ、義理が重たい男の世界(唐獅子牡丹)

唐獅子牡丹

✴︎明日は東京に出ていくからにゃ、何が何でも勝たねばならぬ(王将)

王将

✴︎俺の目を見ろ何にも言うな、男同士の腹のうち(兄弟仁義)

兄弟仁義

私は今まで「男の世界」で生きてきた。それは「義理と人情の世界」だ。男性歌手のみならず、女性歌手が歌う「男歌」を好んで歌い、聴いてきた。
そんな思いもあって、「花の応援団」に憧れ、大学でも応援部に入部して、応援漬けの大学生活を送った。
すなわち、私の人生の玄冬・青春・朱夏は、如何に「男の心意気」を貫いて生きるかだったように思う。

21年間勤めた銀行を中途退職したのもそんな意気がった心のありようが原因の一つだった。「意気は粋に通じる」と思って生きてきた。
たとえ結果はオーライだったとしても、「若気の至り」であったことは間違いない。

そして今、「古稀(70歳)=人生の白秋」になって、私は「実りの秋」を迎えている。

白秋を如何に生きるか。

「ゲゲゲの女房」の武良布枝さんは「人生、終わりよければ全てよし」と言っている。人生の幸不幸は、人生の締めくくりの「白秋」の生き方にかかっているのだ。

「強くなければ生きていけない。優しくなければ生きていく資格がない」

これは、米国人作家、レイモンド・チャンドラーの小説「プレイバック」に登場する私立探偵のセリフだ。

「強さ」は「男らしさ」だろう。「男勝り」とか「男前」とか言われる。男はカッコいい。男はカッコつける。そんな生き方が男の世界だ。そんな男の世界に憧れていた。磊落豪雄の人生だ。

しかし、そのベースに「優しさ」があっての磊落豪雄なのだろうと思うようになった。

今まで女性を表現する言い方は「姦しい」「女の腐ったような」「女々しい」等、女性は劣等だと言わんばかりだ。
しかし、「母なる大地」「慈母観音」「母は強し」等、女性の優しさ、慈しみの好感の表現もある。
坂田三吉も女房の小春の影の支えがあってこそ、関根金次郎に勝利して天下の名人になったのだ。

私の十八番だ。

【王将】
吹けば飛ぶよな 将棋の駒に
賭けた命を 笑わば笑え
生まれ浪花の 八百八橋
月も知ってる おいらの意気地

あの手この手の 思案を胸に
やぶれ長屋で 今年も暮れた
愚痴も言わずに 女房の小春
つくる笑顔が いじらしい

明日は東京に出て いくからは
何が何でも 勝たねばならぬ
空に日がつく 通天閣に
おれの闘志が また燃える

これからは、SDGs・ダイバーシティ&インクルージョンの時代だ。
これからの時代は、女性の掌の上に男性が踊る時代だ。いや、男女が対等で仲睦まじく生きる時代なのではないか。
女性の特性である「優しさ」「慈しみ」をベースにしてこそ、男性の特性である「強さ」がほんまものになる。

私は生前葬で第一生を終え、出陣式で第二生に生まれ変わった。
第一生は男の世界に生きた。

これからの第二生は、女性の優しさ、慈しみをベースにした男女共同・協働の社会に生きよう。
そして、私は、その世界をつくる一助になりたいと思っている。

不動院重陽博愛居士
(俗名  小林 博重)

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