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中能登町の課題を考える

現代日本は、少子高齢化社会、人口減少社会、過疎化社会である。明るい展望がある社会であるとは思えない。しかし、不満や不安はあっても今すぐどうと言うことはない。上を見ればキリがないが、ウクライナやガサ地区のことを思えば、毎日の生活はそれなりに何不自由なくできている。半世紀先や1世紀先を考えてもしようがない。考えても何ができるわけでもない。あと何年生きるか分からないがその時が来るまで、毎日を楽しくおかしく生きていければいい。
すなわち、それは”茹でガエル”なのである。今のお湯の温度は心地よいから、少しずつお湯は熱くなってきているが、まだまだ大丈夫と思っている人が多いのではないか。

しかし、能登半島はそうではない。昨年の元日に大地震に見舞われてから早1年が経った。しかし、奥能登では未だ水道が回復していない集落がある。
能登の風呂温度は10年も20年も早く熱くなってしまったのだ。何とかしなければ茹で上がってしまう。生きていくことができない。孫の時代まで持つだろうかと思う。「このままでは可愛い孫たちが住むところはどうなるんだ」と、「能登は悲惨なことになるのではないか」と具体的にイメージできるようになれば、茹でガエルは目が覚める。

⑴不登校問題
児童生徒の数が低減していくのに、不登校の児童生徒は逓増していっている。私が小中学生だった半世紀前は、不登校児童がいてもクラスに一人もいなかった。今はいじめが多いのだろうか。いじめは昔もあった。少子化で過保護のせいだろうか。中能登町でも、学校の送り迎えはスクールバスはあるのだが、父母が自家用車で送り迎えするケースが多いのだとか。クラスメートと一緒に和気藹々と下校する姿は中能登町にはないらしい。
根本的にその原因を突き詰める必要があるだろう。

⑵若者たちが結婚しない問題
低減していく児童生徒数の問題は、結婚適齢期の男女が結婚しないからだ。私が若い頃に「同棲時代」というアニメやドラマが流行っていたが、今は同棲は当たり前になった。日本はフランスと違って同棲だったら子どもは生まない。結婚しないということは子どもも増えないと言うことだ。
私は27歳、妻は24歳で結婚した。そして3人の子宝に恵まれた。45年前はそれは早い方だったが、その時の結婚の平均はそれぞれプラスαの年齢だった。女性の結婚適齢期はクリスマスケーキに準えられたものだ。25歳になると、少し遅れを取ったと言われた。30歳を過ぎると行かず後家だと陰口を叩かれた。隔世の感がある。
今は、どこの市町村にも婚活を推進する課ができているらしい。自治体が乗り出すほど、婚活は個人を超えて公の問題になってしまった。
しかし、これだけは強制的に結婚を進めるわけにはいかない。若者たちがその気になってもらわなければしようがない。どうしたものか。

⑶若者が町から出て行って、帰ってこない問題
私も15歳で金沢に出て(高校進学)、それから東京に出て中能登町に帰って来なかった。ひとりっ子でもそうだった。中能登町は能登の何の変哲もない町だと思っていたこともある。帰ってくる魅力がある町だとは思わなかったのだ。
昨年3月から毎月2泊3日、11月から11泊12日の2拠点生活を始めるようになって、中能登町の魅力を少しずつ発見する自分がいるが、今の若者も当時の私の思いと似たり寄ったりなのだろう。
町の魅力を分からないということもあるが、町が町の魅力を知ってもらおうとしてこなかったことにも問題があるのではないか。もっと魅力的な町にしていこうと考え行動していたのだろうか。魅力発見と魅力発掘、魅力創出が不足していたのではないか。
中能登町民の皆さんが、”我が町中能登を愛する心”を持つような政策を推し進めなければならない。

⑷廃校の利活用

中能登町は能登半島の中ほどに位置し、平成17年3月1日に(旧)鳥屋町・鹿島町・鹿西町の3町が合併し誕生しました。
中能登町は邑知地溝帯を中心に平野部が広がり、東側が石動山、西側は眉丈山をそれぞれ中心とし、日本の原風景とも言える田園地帯と、それを取り巻く丘陵地の緑、潤いある河川などの身近な自然環境、旧街道沿いの集落や、神社・寺院群、それらを舞台とした祭りなどの伝統文化を地域の重要な資産とした素晴らしい「中能登町(なかのとまち)」です。

今、中能登町には、3つの小学校(鳥屋小、鹿島小、鹿西小)1つの中学校(中能登中)がある。合併前は中学校はそれぞれの町に1つ、併せて3校あった。小学校は10前後はあっただろう。分校も複数あった。
それが小中学校4校に集約された。

校舎は中能登町の庁舎になったり、その他施設になっているが、利活用を求められている廃校もある。

中能登町にはホテルはない。いくつかの民宿があるのみだ。何か町に行事があって宿泊が必要になった場合は町内では対応ができず、隣の七尾市や羽咋市に頼る必要がある。
高校は旧鹿西町にある鹿西高校があるが、専門学校はない。企業誘致も推進したい。ベンチャービジネスにも来てほしい。
働く場がないと若者も定住しない。外国人も受け入れる必要があるだろう。

⑸中能登町を、"能登半島のユニークな里山"として全国区にする=農業人を育てる"人財教育"
中能登町は能登半島の9市町の中で唯一海に面していない町だ。
20分車で走ったら日本海や七尾湾に行くことができる”里山”として中能登町を”全国区の里山”にしていく。そのための農業人を育てていかなければならないのではないか。人材教育は人財教育だ。財産である人を創っていく。

そんなことを考える。少しずつ、具体的にしていこう。それが地方創生アドバイザーであるOUEN Japan に与えれたミッションなのだ。

不動院重陽博愛居士
(俗名  小林 博重)

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