うつ病の僕と引き神おじいさん
ひょんなことからパチンコ店で知り合ったおじいさんとの日々のお話です。
全て実話ですが特定されないようにぼやかす部分もあります。
ます始めに、私ですが、うつ病とビタミンB1欠病症と診断された40代のおっさんです。
全く寝れない。
あくびすら出ない。
なんにもやる気がなくお腹がなっても食べ物を食べようと思わない。
腹が鳴るのがうるさいから水をたらふく飲ん鳴らなくする、そして薬のせいか、うつ病になったからか分からないが、喜怒哀楽の感情が全て死んでいて何見ても何を聞いても何も思わない。
テレビや動画を見ても何も思わない。
音楽は雑音に聴こえる。
友達とも連絡取ろうとも思わない。
連絡来ても出ない。
記憶が飛ぶ。忘れっぽくなる。
会話するのは、医者と親のみ、話したいとも思わない。
聞かれたことに返すだけ。
親に泣き叫ばれてもなんにも思わない。
死んだら死んだで構わないし、死のうとも思わないし、生きようとも思っていませんでした。
日々早く時間が過ぎれば良いなと思って生きてました。
ただ、家にいるだけでは時間が過ぎるのが遅すぎるし、うつ病になってから同じところに長い時間居られなくなって散歩を始めました。
ただ目的もなくふらふら10000歩くらい毎日天候に関係なく歩いていました。
古いスマホですが、何も使わなかったので充電しなくても1週間は平気で持ちました。
しばらく経って雨の日は道を歩くと濡れるのでホームセンターやスーパーの店内をひたすら歩いてました。
ただ同じところをぐるぐる歩いてると店員や警備員の視線がこちらにずっと向いてるのに気がついてどうしようか考えたところ、パチンコ店歩いてればそんなに目立たない事に気が付きました。
履歴みてる振りをすれば良いだけだし、休憩スペースあるし、スマホも充電出来るし、トイレ綺麗だし良いなと。
それから天気関係なく散歩コースの1つとしてパチンコ店が入りました。
元々スロットはAタイプが機種問わず好きでしたのでたまにスマホの充電忘れた時に、ジャグラーやクランキークレストなどをゆっくり回して充電しながら打ってました。
そんなある日スマホの充電をし忘れパチンコ店で充電しようと思って立ち寄るとカバネリが天井手前で落ちていたので普段あまり打たないのですが、さすがにすぐ当たるので座りながらスマホを充電してました。
しばらく打っていると隣のおじいさんに話しかけらりました。
「兄ちゃん7揃えてくれ」
おじいさんが打っていた機種は、番長ゼロでボーナス中の子パンダとの対決演出でした。
揃えられなくても、もう決まってるから適当に打って大丈夫だよ。と説明したんですが、
「俺じゃダメだ。このパンダに今日負けてばかりだ。俺じゃ倒せないから兄ちゃんやってくれ」と言われて「あーそうですか。分かりました。」と言い7を目押しして揃えました。
青7を
おじいさんがテンション爆上がりで
「兄ちゃんありがとう。コーヒーでいいか?」と言われて要らないよ。と伝えました。
しかしおじいさんは、コーヒーを買って私にくれました。
「これでパンダをボコボコに出来るありがとう。」と言ってボーナス消化してました。
結局引いたのはおじいさんなんだけどな思いながらカバネリを打ってました。
カバネリが調子よく続きスマホの充電がある程度になるまで当たっててくれないかなと思っているとまた、おじいさんから
「兄ちゃんまた頼む」と声をかけられました。
今度は大きいパンダのみの7揃え演出だったので「揃うか分からないけどいいの?」と聞くとさっきと同じように「俺じゃダメだ。兄ちゃん頼む。」と言われたので目押ししました。
今度は赤7が揃いまたもおじいさんテンション爆上がりで私を拝みはじめ「兄ちゃんありがとう。コーヒーでいいか?」と聞かれ「ありがとう。もう貰ってしまだ飲み切ってないから要らないよ。」と伝えました。
「そうか。パンダの野郎ざまあみろだ。ありがとう。」と言いおじいさんはボーナスを消化し始めました。
凄いおじいさんだなと思いながら打っていてしばらくすると私の顔の横からぬっと何かが差し出されました。
私はえっ?!となりそれを見てびっくりしました。
【たい焼きアイス】
私はなぜそれを見てびっくりしたのか分かりませんが、うつ病と診断されてから初めて感情が動いた感じがしました。
おじいさんが「のめり込み注意だ。食べな。」と笑いながらくれました。
私とおじいさんは2人でたい焼きアイスを食べながらパチスロを打ちおじいさんは3000枚ほどお持ち帰りをし、私は1000円負けて帰りました。
これかこれか引き神おじいさんとのはじめての出会いでした。
運とは
お互い名前も知らなければ、住んでる場所も知らないパチンコ店で出会った間違いなく年金貰ってる年代の腰が曲がり膝が悪く足を引きずりながら歩いてるおじさん。
兄ちゃんとおじさん(心の中では、引き神様)と呼び合い、お互い素性も名前も何も知らないけど、その関係は私はとても居心地が良いです。
散歩コースにパチンコ店が入ったことでおじさんに挨拶する様になりました。
必ず挨拶すると「コーヒー買ってこい」と私の分を含めたお金を渡してきて、最初は遠慮して要らないと言っていたのですが買ってきてしまうので今は、遠慮なくご馳走になってます。
たまに、買って渡したりももしますがその倍飲み物が返ってきます。
付き合いが短いのもありますが、おじさんは基本的にスロットは、番長か北斗、パチンコは、海物語か北斗しか打ってる所を見ません。
スロットでは、自分が引けない時と目押しが出来ない時だけ呼ばれます。
「弁当揃えてくれ。チェリー揃えてくれ。」ボーナス図柄以外の時も呼ばれます。
自分で小役を揃える時と呼ばれる時があります。
毎回では無いので、私は頼まれたら断らないで揃えます。
ボーナスは当たってないと揃わない時もあるのでその時は
「なんだ。兄ちゃんでもダメか」
としょんぼりします。
レバーを叩いた時点で決まってるんだよと言っても聞いてくれないので諦めました。
ある金曜日、スマホの充電が無くなりパチンコ店に寄った時、おじさんはいつもの番長を打っていました。
挨拶しておじさんの隣の台が空いていたのでスマホの充電準備をしていたらおじいさんが、
「俺は平日しか来ないから明日と明後日はおらん。」と言いました。
へーそうなんだと思ってたのですが、とりあえず「なんで?」と聞いてみました。
するとおじさんは、「競馬があるから」と言いました。
この人、根っからのギャンブラーだなと思いました。
話を聞くとむしろ競馬の方がメインだそうです。
私は競馬に疎くたまに有馬記念に適当な数字を買うくらいで何も分かりませんし、当たりません。
馬の名前を出して話されたのですが、さっぱり分かりませんでした。
要は系統が重要らしいです。
私は「今度、自信のあるとき教えて。のるから」と伝えました。
その日は特に何も無くおじさんも勝ってる様子もなく終わりました。
そして次の日の朝、またスマホの充電を忘れて散歩にでた私はいつもより早くパチンコ店に入ると、いつもの番長におじさんが座ってました。
この人嘘つきです。
昨日の今日でいます。
絶対昨日負けたから来たんだ。
びっくりです。
おじさんに近づいて行くとこちらに気づきニカッと笑って
「今日は出る気がした」と言いました。
しかし、見た感じ出てません。
私は「おじさん出てないよ」
と言うとおじさんは、
「死ぬ気で回すから見てろ」と回し始めました。
その年齢で死ぬ気で回すと言われても、死んじゃうんじゃないかと思いながら、しばらく私もスロットを打っているとおじさんが来て、
「兄ちゃん7揃えてくれ」と頼みに来ました。
揃えに行くと、おじさんの台は天井での当たりで、スランプグラフは1500枚ほど凹んでました。
私は「この台これから出るの?」と聞くとおじさんは、
「見てろ、パンダの野郎ぶっ飛ばしてやる」と回し始めました。
番長の台には演出のキャラクターがいるのですが、大きいパンダはパンダの野郎と呼び小さいパンダは子パンダ、マチコ先生は、女と呼びます。謎です。
それからしばらくして、見に行くとおじさんは2箱積んでました。
おじさんがタバコ吸いに行くというので一緒にタバコを吸いに行きました。
喫煙所でなんで途中で辞めなかったの?と質問すると、
「当てたあと、当たる時はとことん当たる。当たらない時はとことん当たらん。そん時はすぐ辞める。運はそんなもんだ。今日はとことん当たる時だ。」と言いました。
私は、「なるほど意味わからん。」と伝えると、おじさんは、
「1度当ててダメそうな気がしたらダメだ。辞めろ。行けそうなら天井まで死ぬ気で回せ。」と謎理論で立ち回ってます。
おじさんには、設定と言う概念がありません。1だろうが6だろうが関係ないようです。
そう言うのは引きが強い人だけなんじゃないかと思いましたがとりあえず納得してしばらくして、私は帰ろうと思っておじさんに挨拶行くと5箱積んでました。
挨拶するとおじいさんは、
「明日はおらん。」と言って私は、さすがに今日は買ってるし居ないかと思いながらも翌日夕方前にパチンコ店に行くとおじさんがスマスロ花の慶次で8000枚だしてました。
やっぱりこのおじいさん嘘つきです。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?