デザイナー読書メモvol.17 クリエイターのための権利の本
同じ社内でも事業部ごとによって著作権への意識が異なり、契約内容も違うということがあり、改めて権利について勉強しなければと思い読みました。
この本の概要をまとめると?
クリエイターの現場でよくある悩みから、権利について知ることができる本です。
権利について知るべき理由から、各種写真やデザイン、プログラムコードや文章など様々な表現における権利まで、実際におきたトラブルから説明してくれるので非常にわかりやすい&自分も気をつけなければと思える内容です。
この本から得た気づき
この内容の中でも会社での契約・権利の扱いに関してを知りたかったので「chapter5 契約・権利の所在」の内容を主にピックアップします!
会社で制作したクライアントワークの著作権は誰のもの?
・基本的には著作主はクリエイターのものですが、契約によってはクライアントに譲渡可能。
・契約書での取り決めが行われなかった場合、著作権譲渡ではなく利用許諾と判断される傾向に。
・契約書の締結が難しい場合は、見積書内で何に対する対価なのかを記載し明確にすることでトラブル回避に。
↓
契約書・見積書でも著作権に関する明記をする。こちらから意識していこう。
自分の制作物を自社のポートフォリオに掲載するには、
クライアントの許可は必要?
・まずクライアントとの契約内容を確認。著作権を譲渡しているor利用許諾しているか。
・著作権譲渡:クライアントの許可が必要。
利用許諾:クライアントの許可なく公開が可能。
・上記は基本的なことであり、契約条件は柔軟に変更ができる。
(著作権譲渡しても公開OKな場合や、利用許諾でも公開NGな場合も。)
↓
勝手に掲載せずまずは契約内容を確認する。
掲載許可はタイミングや依頼する案件を考えてうまく交渉すれば取れることも多し。
納品したデザインが連絡なく勝手に改変されていた
・デザイナーに著作権がある場合、勝手な改変は著作権侵害に。
・契約書がない場合は、事実関係を考慮し当事者間での合意内容次第で利用許諾の範囲を判断。内容次第では改変も可能に。
↓
こちらも契約内容次第になってしまうので必ず契約書を交わそう。
クライアントと権利のことについてもコミュニケーションをとり共通認識を作るべし。
コンペで採用されなかったデザインが勝手に使われた
・典型的な紛争パターンらしい!笑
・アイデアがどの程度まで具体的だったかによる。
「表現」は保護されるが、「アイデア」は保護されない。
・そのまま使用されているレベルだと保護される可能性が高く、ラフレベルであれば保護されない可能性が高い。
・アイデアレベルの提案の場合は、提案段階で一定の対価を支払ってもらう、秘密保持契約を締結し秘密情報として扱うなどの対策を。
↓
そのままレベル以外は著作権を主張することは難しそうなので、かなりクリエイター不利に感じる。なので費用のでないコンペに関しては、気をつける必要あり。
在職中に制作したイラストは退職したら使えない?
・基本は制作した人に著作権があるが、業務上著作物を制作した場合に
「職務著作」として会社が著作権を持つ場合も。
・職務著作を持つ場合はクリエイターが使用の際には会社の許諾が必要。
↓
会社と予め話し合いをしておくことが必要。
まとめると…
著作権は契約内容にかなり依存しそうなので、予め契約書なり見積書なりで明確に記載することが必要。
あとは依頼主とコミュニケーションをしっかりとり共通認識を持っておくのも後々トラブルを起こさないためにも必要だと感じました。
みんながみんなリテラシーがあるわけではないので、まずは作る人からでも啓蒙して行けるといいなと思います。