横断旗

98年生まれ/長期記憶が苦手なので、いつか忘れてしまうだろうこと・誰にも言えないことを、ときどき書きます

横断旗

98年生まれ/長期記憶が苦手なので、いつか忘れてしまうだろうこと・誰にも言えないことを、ときどき書きます

マガジン

  • 内側のこと

    自分の内面について。その他なんてことない日記。

  • 作品の感想など

    素敵な創作物について。

  • 私と誰かのこと

    相手があって成立するもの。

  • 外側のこと

    自分の外見や装飾品についてのあれこれ。

最近の記事

残した食事も諦めて

友人の結婚式に参列したものの、出された食事の2割ほどしか食べられなかった。 結婚式の知らせが届いたとき、一番に頭に浮かんだのはコース料理のことだ。 完食したのはたしか、前菜のワイングラスみたいなガラスの器に飾られた生魚と謎のソース、それから飲み慣れない味のコーンスープ、ウーロン茶、食後のジェラート。 新卒時代に社長に連れられた中華のコース料理を思い出し、微妙な気持ちになった。 昔はいわゆる会食恐怖症で、人との食事が緊張して苦手なのだと思っていたが、だんだんとただの嘔吐恐

    • 実績を解除していく

      人生って「どれだけ実績解除できるか」なのかな、と最近気付いて、なんかそこから少し楽になってきた。ような気がする。 要するに「人生って色んな経験した方が面白いんじゃない?」というだけの超平凡な気付きだけど、経験って言い方だと堅苦しくてちょっとテンションが下がるっていうか。その手のあらゆる名言は、これまで全然刺さって来なかった。 実績を解除することが目的になると、とりあえず「〇〇をした」という事実だけが大切になるから、やった結果が悪くたって、それはそれで良しとできる。 何でも

      • 『夜明けのすべて』読了の日記

        PMS(月経前症候群)とパニック障害、どちらも私には他人ごとではなかったので、それぞれの病気に悩む人の話「夜明けのすべて」を自分のための作品かも、と思って手に取った。 瀬尾まいこ先生の名前は書店で何度も見掛けたし、知ったタイトルもたくさんあるけど、読むのは初めてだった。とにかく読みやすい。 あらすじは重く感じるけど、作品自体に重苦しい空気はほとんど無い。会話がぽんぽん進み、下手に人間関係がこんがらがったり、すれ違いが起きたりしない。 物語中に一度落ちる展開(関係性がマイナ

        • 空っぽの部屋を埋めて

          山が近い町に来た。山並みの輪郭に並び立つ謎のタワーとか、夜になればそこで輝く光だとかを毎日眺めている。 ウグイスもメジロもオナガもここには居ないけど、真っ黒で大きな鵜と、アオサギがときどき居たりする。 気が重かった引っ越しは、思い返せば存外あっさり終わって、平気な顔して普通に暮らしている。今は仕事を探している最中で、みんなどんな風に働いて生きてるのか教えてほしい。3年の無職期間はとんでもなく重い。 人生の汚点だし、誰にも言えることじゃない。逃げ続けた現実と、とうとう向き合

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          45本
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          6本
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        • 外側のこと
          11本

        記事

          駅のホームで8分間

          大好きな大好きな友達に、引っ越し前の最後に会ってきた。これまで月に1回(多い時は月に2回)会い続けた友達と、今までみたいに会うことが出来なくなるのが、引っ越しの1番の嫌なところだった。 引っ越しが近づくにつれて、数ヶ月前に「もう大丈夫かも」と思えた外食のつらさが復活して、精神的にきつくなってきていた。常に緊張状態にあるような、パニックがすぐそばにあるような。 これまで大好きな友達と一緒にいる間も、外食前に人知れず吐きそうになったり、食べながら、歩きながら、話しながら、吐き

          駅のホームで8分間

          誰かに話すみたいに

          本当は、全部言えたらいいのにな、とは長いこと思っている。 ずっとふらふらしていることも、情けない姿も、何年も前にした、一緒に住んじゃう?なんて話も、引っ越すのは、本当はめちゃくちゃ寂しくて嫌かもしれないってことも。 物心ついた頃からずっとここで育ってきた。思い出は全部ここにある。坂だらけで緑と花が多いまち。自転車が使えない不便さはあるけど、高台に行けば見晴らしが良くて、虫も多いけど、心は安らいだ。お金持ちの幼馴染や同級生から違いを感じて、自分がそちら側ではないことを幼いな

          誰かに話すみたいに

          私はどこで誰といれば

          「きみが一人暮らしをする最後のチャンスだと思うよ」 友達はそう言った。ね、実家暮らしってやっぱり世間体がよくない?自立した方がいい?そりゃそうか。 いぬが可愛くて離れたくない、15年やそこらしか生きない命の、今を離れたら後悔しないのかな。実家の犬を理由に一人暮らしをやめることなんかあるの?みんなきっと実家の動物を置いていくよね。 父は趣味人で、大体いつも作業部屋に籠っているし、よく出掛けて忙しい。母は反対に趣味が無く基本家にいて、犬とずっと暮らしていって、それってどうなん

          私はどこで誰といれば

          育爪1年8ヶ月、適当に爪を大事にする

          爪を綺麗に育てる、”育爪”。 過去に2回これについて記事を書いているのだけど、ありがたいことに、今でも時々いいねの通知が届いて、誰かに見てもらえていて嬉しい。 育爪を始めたのが2021年の7月15日、なんやかんや、爪を大事にするようになって、もう1年8ヶ月が経った。色々やっていくうちに手入れの仕方も変わったので、また書いておこうと思う。 ※本記事では基本的な知識(ハイポニキウムなど)については触れていないので、本当に爪を育てたいなら、自分でも絶対に調べた方がいいです。

          育爪1年8ヶ月、適当に爪を大事にする

          舞台「宝飾時計」感想 ※ネタバレあり

          昨年12月初旬のFNS歌謡祭で、目当てのアーティストを待つ間にたまたま見た、 高畑充希さんが歌う「青春の続き」。 バイオリンと静かな歌声が響く。数年前のドラマ「過保護のカホコ」のイメージが強かった高畑充希さんからは程遠い、違う人が憑依しているような恐ろしさと歌唱力。 同じく食卓を囲む家族には、ただのBGMにしかならなかったようで、ご飯どきの騒がしさの中、ひとりテレビに釘付けになった。 そのとき舞台について調べたものの、現実味が無くて検索画面を閉じたのだけど、久しぶりに思い

          舞台「宝飾時計」感想 ※ネタバレあり

          暗いキッチン、暗い居間、あつあつ雑炊

          夕飯がパスタだったから、お腹空いたなあ、と母が布団に潜りながら、ぼやいていた。 私もなんとなく感じた空腹を、いつもなら無視して眠っているところだった。 今から鍋をガチャガチャやる煩わしさ。夕飯の後に夜食なんか普通食べないし、片付けもしなきゃだし。さっきお風呂で歯磨いちゃったし。髪の毛がまだビチョビチョだし。 食べない理由がぽんぽん浮かんだところで、今年は「いつもしないこと」をするんだった、と思い出した。 ささやかな目標として、普段やらないことをやってみようとしている。人生

          暗いキッチン、暗い居間、あつあつ雑炊

          大人になったら、どうしよう

          「大人になってからの方が楽しい」って、自分が学生の頃に大人から聞いた。 だけど実際大人になった今、小学校、中学校、高校と区切りがあった学生時代より、なんの区切りもない大人、先行きが見えない大人は、ずっと不安ばかりで、気が遠くなる。 大人の果てはどこにある?死? 学生が終わってから、人生が本当に始まった気がする。 引っ越す予定がある。次の家を探している。 次に住むかもしれない地域を見て回った。 さみしい、ここにはなにもない。 引っ越したら、きっと帰りたくなる。帰った先に、帰る

          大人になったら、どうしよう

          サラダプレートと軽やかな友達

          ・お茶をしに入ったカフェは思ったよりかなりリーズナブルで、脳がパチパチするほど甘いプリンが来た。頼んだ取り皿もお冷のおかわりも来ず、厨房からは何度もお皿をドンガラガッシャンと落とす音が聞こえた。 それでも足を休めて話が出来て、エネルギー補給ができるんだから、全部のカフェって、これくらいいい加減でも良いのかもしれない。これくらいで良いのなら、私でもへっちゃらで働けるのかもしれなかった。 ・友達と中古ショップでアイドルのブロマイドを吟味していたら、ハウスダストで鼻がぐずぐずにな

          サラダプレートと軽やかな友達

          なにをもって恋とする

          友達が凄くかわいい。 おしゃれが好きで推しに真っ直ぐ全力で、仕事を頑張っていて、好き嫌いがはっきりしていて、案外頑固。家にお邪魔していると、ときどき急に寝転がって脚になついてきたりする。柔らかい手に触れる。マッサージが苦手なの、なんて言う友達の肩に、私は簡単に触れられてしまう。近くに来られるとどきどきする。 多分私はおかしい。ただの友達で、向こうはなんとも思っていない。安全な同性だから許される距離感に、こんなどきどきが存在することを知られたら、きっと幻滅されるだろう。 友

          なにをもって恋とする

          祖母は今も笑っている

          祖母が亡くなった。 祖母が床に臥せてから、ずうっと暗い気持ちが続いていた。 思い返せば呆気なく、あっという間に逝ってしまった。 だけど祖母は、もうこれ以上苦しまなくて済む。 そんな風に思わなければ、納得できなかった。 身近な人の死を経験するのは初めてで、家族内でも考え方や受け止め方で、何度も口論になった。みんな不安で、余裕がなかった。 「幸せだったのかな」 「もっと生きたかったんじゃないかな」 「ずっと苦しかったはずだ」 「結局誰にも看取られずに」 「寂しかったんじゃ」

          祖母は今も笑っている

          頑張って生きるのは、誰のためだろう

          「もう人生終わりがいいのに、まだ続くのがつらい」という思考に囚われていたら、私じゃなくて祖母の生命が危うくなってしまった。 今月頭から体調を崩した祖母は、みるみるうちに弱っていった。遠方に住んでいるため、テレビ電話で時々様子は見るものの、最後に会ったのは2年半前だった。その頃はまだピンピンしていて、ちょっとやそっとじゃ倒れないように見えた。 祖母はあまりお喋りな方ではなかったし、表情も豊かではない。あんまり何を考えているのか分からない感じの人だ。 小さい頃に特大のおにぎり

          頑張って生きるのは、誰のためだろう

          OSAJI 03 裏側:2度塗り nailist クイッククリスタルコートⅡ:2度塗り 結局肌馴染みの良い淡い色の方が落ち着く。服にも響かないし飽きが来ない。繊細な緑のパールが、まさしく貝殻の裏側のきらめき。

          OSAJI 03 裏側:2度塗り nailist クイッククリスタルコートⅡ:2度塗り 結局肌馴染みの良い淡い色の方が落ち着く。服にも響かないし飽きが来ない。繊細な緑のパールが、まさしく貝殻の裏側のきらめき。