不完全なものを愛でる
さりげない注意書きに、はっとさせられることありませんか?先日アウトレット商品を購入したところ「こういう理由があって、アウトレットになっています。もしご納得いただけない方は購入をお控えください」と注意書きが・・・。
いつもならどうも御親切に。後から返品交換等文句は言いませんよというスタンスの私。今回はいつもと違う感情が芽生えた。売り手からそういう所も含めてこの商品を大事に使ってくれる(愛してくれる)人に売りたい。そんな気持ちをどことなく感じた。
購入したのは優しい色味のマグカップとソーサー。陶磁器は検品の段階で弾かれることが多いです。かなりチェックも厳しめ。色むらやがたつき黒点ピンホールなどなどそれに貫入もでしょうか。
以前の私は「安く買えるからいいや」とか、少し知識がつくと表面や裏面をひっくり返して「ここの部分が良くない?」と辺りを付けて買うことが多々ありました。
でも焼き物である以上起こりうることで、それが不具合かといわれると微妙。そういう現象の数々を窯のいたずらと呼ぶそうです。考えてみれば人のする事なんだから、あって当たり前。そういう所含めて可愛らしいと思えるかどうかだなぁ。
安くておまけにチャームポイントまでついてる。見方1つで縁あって購入した商品を楽しめる気がしてきました。手仕事ブームって行きつくところは、そういう事なんじゃないか。
全く同じものが作れないから、愛おしい。同じじゃないからいいのかも。なんてもの分かりのいいことを書いてみました。不完全イコールダメではないんだよ。
不完全な私にも不完全なものを愛する余裕がやっと生まれた。寛容さなのかはたまた加齢により丸くなったのか。きっと自分も誰かに愛されたい。そういう気持ちの表れではないかと思う。
誰もがみな不完全である前提の話の方が、うまくまとまることもあります。完全無欠なひとはどうもこの世にいないらしい。