保育士虐待の事件を受けて
＜保育士さんが逮捕？？？＞
衝撃的なニュースでした。
なぜなら今の私がいるのは
保育士さんのおかげだと思っていたからです。
現在、医師として奮闘している娘が
まだ赤ちゃんだった頃
働く母親は今ほど浸透していなくて
周囲からは「かわいそうに…」
という嵐が吹き荒れていました。
初めての集団生活に
なかなかなじめなかった娘は
頻繁に熱を出していました。
呼び出しのコールが
携帯に届くたびに緊張が走り
手早く仕事を片付け
職場で頭を下げ
クライアントに謝りの連絡をし
タクシーに乗り込み
駅まで向かっていました。
我が子にも
職場にも申し訳なくて
心が折れそうになった時に
支えとなってくれたのが
保育士さんでした。
「来年は嘘のように強くなるから
一緒に頑張りましょう」
そう言ってくれた若い保育士さんを
心の頼りにして乗り切ったのです。
私の人生に深く影響を与えることになった
この出会いが転機となりました。
ご恩返しのつもりで
保育士さんの力になりたいと
飛び込んだ世界。
保育士を目指す学生さんを教え
現場で育児相談や子育て講座、
職員研修に明け暮れました。
ところが目の当たりにするのは
保育士さんの多忙さはもちろんのこと
時代に合っていないニーズと体制のずれ。
必要とされる知識に対して
圧倒的な学び場の不足。
いいチームワークが築けず
離職者が後を絶たない現場。
こんなにも素晴らしい仕事なのに
なぜ心優しい保育士さんが
去ってしまうのか。
その理由が垣間見られ
愕然としました。
虐待やDVの治療の最先端で
学んだ知識をフル活用し
家族支援ができるプロ養成を
始めることにしました。
少ない人数ではありますが
集まってくれた仲間は
一語一句聞き漏らすまいと
毎回真剣勝負の時間を過ごします。
彼らはその学びを生かし
今では保護者の個別相談や
育児講座を開催し始めています。
そして園に新風を吹き込む存在となり
活躍している姿を見ると
本当に頭が下がる思いです。
この業界をもっと価値のあるものにしたい。
若い保育士の卵たちが
こぞって切磋琢磨していく
魅力ある世界にしたいです。
煌びやかに着飾って
華やかに都会を歩く
丸の内OLのような世界があってもいい。
でもそれ以上に
やりがいのある世界だと感じる
若い人がもっと増えてほしい。
せっかく取った資格を生かせず
潜在保育士となっている人が
もう一度チャレンジしたいと思える世界にしなければ。
仕事として手に入れたスキルは
自分の子育てや家族づくりにも役立てる
まさにライフワークになる。
目を輝かせた女性たちが
集まる世界にしたいのです。
そのために私ができること。
それは豊富な知識と
応用の効いた知恵が詰まった
引き出しを持たせてあげること。
そして保護者から絶大な信頼を得る姿を
若い卵たちに見せるのです。
＜私もこんな人になりたい＞
彼らが憧れるような
目指すべき先輩を
そばに置いてあげれば
いろんなものが変わり始めると感じています。
なぜなら新人保育士がすべき最初の仕事は
＜私もこんな人になりたい＞
そう思える先輩を見つけることだからです。
ずっと奮闘し続ける私の姿を見て
医師となった娘は
働く女性たちの心とからだを
トータルで支えられる世界に
強い興味を抱いています。
分野は違えども
頑張る女性を支えたい
と願う人たちが増えていることが
とても嬉しいです。
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