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孤独が好きな人「シゾイゾ人格」

生まれ持つ性質が重要なのではありません。
どんな性質も、受容され、肯定されて育てば、他人を肯定し、互いに尊重し合える関係を築くことができるのです。
ところが、否定され、傷つけられて育てば、偏りを一層強め、身を守るしかありません。
人格の偏りの強さは、学習から生まれた、生き延び戦略なのです。
子どもは、自分が育つ環境を選ぶことはできません。
そして親もまた、修正する機会がなければ、苦しみを抱えながら育てる側に立つのです。
だからこそ、人のつくられ方に理解を深め、支援出来る力を持つ人が増えていくことが求められるのです。

パーソナリティーは全部で10タイプあり、いくつも併せ持つともいわれます。
今回はシゾイドパーソナリティー(シゾイドP)について解説したいと思います。

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人との関わりを好まず孤独が好き

シゾイドPの偏りが強い人は、人との関わりが苦手で、感情の表出も乏しいことから、感受性の鈍さを持つと勘違いされやすいのですが、本当は真逆の、鋭敏な感じやすさを持つからこそ、人との関わりが苦痛に感じてしまうのです。
まずは、その特徴を解説しますね。

対人関係を避ける傾向を持つ
人と接することに喜びを感じにくく、誰とも関わらなくても、好きなことに没頭できる環境を好みます。
例えば、自然の中で一人、自由に過ごす生き方に憧れを持つ傾向があります。

情緒の乏しさ表情の平坦さを持つ
感情表出がぎこちなく、周囲の人は、一体何を考えているのかわからないという印象を持ちます。
普段は、感情的になることはなく淡々としていますが、土足で踏み込むようなことをされると、いつもは穏やかなのに、激しい反応を返してくることがあります。

周囲の評価に無頓着で、外見(服装や流行など)に興味がない
ファッションや流行には無頓着で、興味が乏しく、全般的に地味です。

一人の生活に不自由さを感じず、異性に関心が乏しい
独身を通す人も多く、異性と性的な関係を積極的に持ちたいとも思いません。

根気強さはピカイチ
粘り強さや根気強さは秀でており、地道な努力をコツコツと重ねていくことが得意です。
派手さや瞬発力はありませんが、結果的に大きなことを成し遂げていきます。

自分から口を開くことはまずない
人が集まる場では、自分から口を開くことはまずありません。
それくらい目立たず、自己主張することはありません。

世間的な価値観から超然としている
俗っぽさや常識、一般論とは無縁で、周囲の評価や批判にも左右されることはありません。
出世欲もなく、その代わり独自の価値観を持ち、自分スタイルを淡々と保ち、独自の境地を切り開くことがあります。

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生まれつきか、それとも育つ環境か

以前は、愛情ある養育を受けなかったことで、人を好まない性質が強まったと考えられていた時代もありましたが、様々な研究から、現在では、生来の生物学的要因が大きいことがわかっています。
確かに、ネグレクトされて育った場合にも、同じような特徴が見られることがありますが、愛情深く大切に育てられたにも関わらず、こうした傾向が見られるのです。

生物学的要因による説
神経伝達物質であるドーパミンの受容体に、特徴があります。
ドーパミンとは、意欲の源となる神経伝達物質で、脳の神経末端から放出され、創造性や快感、記憶や運動制御など広く影響を与えるホルモン。
放出されたドーパミンは受容体がキャッチし、信号伝達を行っていますが、シゾイドPでは、この受容体の増加や過剰さがあるといわれています。
つまり、受容体が過剰だと、少しの刺激でも敏感に感じ取ってしまうため、人と接することを苦痛に感じてしまうのです。

親も同じ性質を持つ
親もシゾイドPの傾向があれば、情緒的で感情豊かなコミュニケーションは苦手。どちらかというと、感情を抑えたぎこちなさを持ちます。
人付き合いの苦手さを抱えており、ひとりでいることを好み、家族の交流でさえも感情を抑えた静かな印象を持ちます。

シゾイドPの偏りが修正されると

人と打ち解けてワイワイやるよりも、ひとりの方が気が楽で落ち着きますが、必要な社会的交流もちゃんとこなせ、孤立しないための配慮もきちんと出来ます。
穏やかで、感情的になることはほとんどありません。
敵も作らないし、親切で、人から信頼される存在になります。
物欲や名誉欲はなく、精神性の世界を大事にする、一風変わった異次元の世界を持つ人として、尊敬される存在になることもあります。

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偏りが魅力に変わるために

このタイプを理解し、得意を伸ばすためには「人と関わるべきだ」「友達が多いことはいいことだ」という常識を押し付けないことです。
親しみを持って近づいたつもりでも、急に近づいて来られることに圧倒されて「怖い」と感じてしまう人もいることを知っておいてください。

距離を保ち、親さを求めすぎない
なるべく本人のペースを尊重し、淡々と接し、少しずつ距離を縮めていくように関わります。

独自の世界観を尊重し、得意を武器に磨き上げる
常識を押し付けず、本人の世界観を尊重します。

少しずつ人と関わる場面や時間を増やす
人が集まる場面にも少しずつ経験を積んで慣れるように働きかけ、緊張を和らげる練習をしていきます。

変化の乏しい単調な暮らしに安心を感じる
過敏さがあるので、いつも変わらない単調な暮らしの中に安心を感じます。
変化に富むよりも、落ち着いた変化のない環境を確保できるようにしてあげることが大切です。

興味・関心のあるテーマを共有すると、驚くほど豊かな感性や知識に気づく
興味を共有できると、それまでとは全く違った豊かな感性を見せてくれるので驚くかもしれません。

つくづく人は違っていいし、違うからこそ素敵だと思います。
このタイプの人も、目立たないけれど魅力あふれる存在として、特性を活かせると素敵だなと思います。

鶯千恭子(おうち きょうこ)

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