気分のアップダウンが激しい人と関わる場合
気分が目まぐるしく変化する人がいます。
数日間、同じ気分ということはなく、数時間単位で最高と最低を行き来する、アップダウンの激しさを特徴として持つ人です。
この場合、2つのパターンがあります。
1つめは、感情が揺れやすいという遺伝的な要素を持つことで、感情が揺れやすくなっている場合です。
このタイプの人は、ちょっとした刺激に、感情がピクンと反応してしまう、敏感なセンサーの持ち主だということです。
でも、安心感を引き出すのもとても上手なので、日常的に、緊張や不安に襲われてドキドキすることが多いものの、物事のいい側面に注目することが多いので、人との関係も温かく、人に好かれます。
繊細さを上手に生かし、明るく常に前向きに生きようとするので、気がつくと、その人の周りには人が集まってくる、というタイプの人です。
2つめは、刺激に敏感で、感情が揺れやすいのは一緒なのですが、物事を悪い方へ、悪い方へと、勝手に思考を巡らせてしまうタイプの人です。
根底には、深い自己否定感を抱えていて、「どうせ自分なんて」と思っていることが、人間関係を不安定にさせてしまうのです。
「自分は大切にされるはずがない」
「ほらね、やっぱり」
という、思考の手順を繰り返してしまうので、関係性は安定しないし深まりません。
また、心の根底に「値打ちのない自分を、大切にしてくれる人はいない」という信念を持っていることから、自分を安売りしてしまうということが、よく起こります。
不釣り合いな相手を理想化させ、急速に接近してしまうのです。
これは、強い愛情飢餓状態が引き起こしていることが多いともいわれます。
根っこには、親への強いこだわりがあり、両親のどちらか一方が、冷たく拒否的な態度を示し、一方が、溺愛する関係を卒業できない、という場合も多くみられます。
同じ感じやすい性質を持っているのに、捉え方が違うだけで、人生が大きく違ってしまうのは、とても残念です。
2つめの場合は、根底に「自分は愛される価値がない」という信念を持ってしまっていることに、端を発します。
それが、極端なほど激しい感情のアップダウンを生み、人間関係を不安定にさせているのです。
感情が激しく揺れて安定できない人と関わる際は、べったりとした関係は危険です。
感じやすくても、自分で落ち着きを取り戻せるのか、それとも、まわりを振り回してしまうのか、感情のアップダウンが激しい人の2つのパターンを見分けること。そして、ネガティブな感情の波には乗らず、一定の距離を保ち、変わらず「あなたは価値がある」というメッセージを発信し続けることが大切です。
鶯千恭子(おうち きょうこ)