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天才の心の癖

「デフォルト・モード・ネットワーク」をご存知ですか?
これは、脳のある状態を指します。

デフォルトとは、初期設定と訳しますが、この場合は「何もしていない状態」という意味。
脳が何も活動していない時は、完全な休止状態にあるのではないかと考えられていましたが、実はそうではなく、何か課題に向き合っている時以上に、大量のエネルギーを使っていることがわかったのです。
それがわかったのが、今から10年ほど前のこと。日本では、確か5年くらい前に、テレビでよく取り上げられていました。

そして、このネットワークが働いている時に、アイデアが浮かぶのです。
天才といわれる人たちのエピソードでも、よく紹介されていますが、何もせず、ちょうどぼんやりしている時に、天才的なアイデアが降りてくるというのです。

そういえば、私が子どもを育てる時に、信頼している先輩によく言われたことがあります。
「子どもが何かに集中している時は、邪魔をせず、なるべくそっとしておいてあげるといいわよ」
「ぼーっとする時間も大事にしてあげてね」と。
天才児にするためにというわけではなく、子どもとは、そういう環境を欲しているものなんだと言っていたのです。
これはまさに、デフォルト・モード・ネットワークを活発にさせる環境に置いてあげることでした。

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では、天才と呼ばれる人たちの子ども時代は、どんな様子だったのでしょう?
共通点としてよく聞かれるのは、孤独な少年期を送っていたということです。

でもそれは、完全な引きこもり状態というわけではなく、まわりとはほどほどの交流を持ちつつ、時に周囲の人たちのやり取りからは距離を置き、頭の中でいろんなアイデアを温めては練ってを繰り返す、心の癖を作っていたというのです。

全くのゼロから、突拍子もないアイデアを生み出すというのではなく、下地となる経験や知識があふれる頭の中で、それらを自由自在に組み合わせて想像を巡らし、ある時、奇想天外なアイデアがぽっと浮かび上がるとでもいうのでしょうか。
先人達が築き上げた知恵を吸収しつつ、その上に独自の発想を加えて、全く新しいものに変容させることに没頭する。
将来、創造性につながる心の癖を、少年期に育んでいたというのが、共通点としてあげられるのです。

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子どもを天才児にさせることをすすめているわけではありません。
むしろ、どの子も豊かな創造性を育むことができるのに、そのチャンスを奪ってはいないだろうか、という視点を持つことも大切だと思うのです。

大人が良かれと思い、子どもに与えるものが、かえって自由な発想や没頭する機会を奪っていなければいいなと思います。
人が深く深く思考を巡らせて考えを凝集し、アイデアを温めていく時は、外からの刺激は邪魔になることが多いです。
むしろ、刺激が遮断された静かな環境に置かれて、始めて没頭できるというものです。

子どもが小さいうちは、見ないテレビは消す、ですとか、無音の環境の中で、家族がそれぞれ好きな本を読む時間を作るだとか、自然の中で自由な遊びに没頭する時間を定期的に用意してあげるなど、ぼーっとする時間をたっぷりと与えてあげることが、新しい時代の作り手となる子ども達の創造性の芽を育てることになると思うのです。

鶯千恭子(おうち きょうこ)

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