園選びのコツ
保育園と違い、お子さんを幼稚園に通わせる場合は、親がいろんな園を見て周り、気に入ったところを選ぶことができます。
わが子に合った園か、雰囲気はどうか、また通いやすさや、付随しているサービスの充実度など、様々な点を並べてみて、親が選べるようになりました。
これは、とても喜ばしいことです。
無料化で立場が逆転
つまり「選べるようになった」ということは、以前はそうではなかったということです。
前日から願書の受け取りに並ばないと、入園の確約が取れなかったり、園側も、選ぶ立場にあるので、入園を決める前に、なるべく子どもの発達や家庭環境の情報を集め、入園させる園児を選んでいました。
ところが、無償化によって、立場が逆転したのです。
しかも、年々生まれてくる子どもの数は、減り続けています。
初めて出生数が100万人を下回ったと大騒ぎしたのが、2016年のこと。
2021年の出生数は、およそ81万人と見込まれています。
そして、この数字は、年々下がり続けています。
ところが、世界に目を向けると、2050年には世界人口は90億人に達するといわれています。
どんな時代になるか、ちょっと想像しただけでも、今までのようにはいかないことは想像できると思います。
世界中で価値観が急速に変化し続けており、多くの研究者たちが口を揃えて言うように、経済も、人の生き方も、幸せの感じ方も、このコロナが追い風となり大変革の中に突入したのです。
そんな環境の中で、生を受けて、この世に生まれた子どもたちが、時代を作っていくことになるのです。
何を授けてあげたらいいのか、悩まない方がおかしいです。
新しい時代を生き抜く力
これからの時代を生き抜いていく子どもたちに、何を育ててあげればいいのかを真剣に悩み、答えを見つけようとしている、そんな園であれば心配ありません。
本当に子どもの将来を思うなら、人格の土台を作る幼少期は何よりも大事だということは、十分に理解されています。
そして、そこに確かな結果を求めようとするならば、子どもだけでなく、家族の存在は無視できないことも十分にご存知です。
特に、そばにいる母親を安心させることは必須で、それは、母親の安心が子どもの心の土台を作ることに他ならないからです。
変化の激しい時代に、度々不安に襲われる母親を、まず安心させなければと考える視点を持つ園であれば、間違いないでしょう。
それは、職員である先生方を見れば、すぐにわかります。
園の方針が、一人一人の先生の振る舞いに現れるからです。
働く『人』に現れる
「子どもを見れば親がわかる」と言われるように、
働く人をみれば、何を大切にしている園かがわかります。
質を高めたいという、向学心・向上心に溢れる園であれば、先生方はお節介なほど保護者と関わろうとします。
子どもの安心の核をつくるには、母子関係が何より重要だと知っているからです。
プロ意識が高ければ、保護者の悩みを積極的に聞こうとしますし、まず母親を安心に包まなければと考えますし、そのための努力を惜しみません。
そして、子どもへの接し方も、専門的で知的です。
特に、中堅からベテランの職員の先生に、その園の本質がよく現れますので、注意してみることをお勧めします。
私は、学生さんを教えている時代から、ずっと言い続けていることがあります。
彼らが、就職先を選ぶ時の参考にして欲しいと伝えてきたことです。
それは、子どもは環境の影響を大きく受けること。そして、環境を構成する最大の環境要因は「人」だということ。
そして、君たちが最初にする仕事は、「こんな風になりたい!」と思える先輩を見つけることだと言ってきました。
この二つが機能している職場であれば、仕事に誇りを持ち、働き続けることに喜びを感じるようになり、強いては、可愛い子どもたちの発達を促すことになる。
まさに「守られるからこそ、守ることができる」というわけです。
大人への依存度が高い子どもにとっては、関わる大人が、どんな人間性の持ち主で、何を知っていて、発達を促すためにどんな関わりをしてくれるのかがとても重要で、園選びも、これに尽きると思っています。
情報は溢れていますが、人との関わりは希薄になっている現代。
ぜひ、可愛い園服や園舎、彩豊かなカリキュラムだけに惑わされないで、「人」という最大の環境要因である先生方に、目を配っていただくのがいいと思います。
鶯千恭子(おうち きょうこ)
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