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困ったさんという性格

困ったさんは、今やどこにでもいます。
困ったレベルも様々ですが、相当年数をかけて練り上げた困ったさんは、タチが悪いです。

個人的には、50代過ぎた女性の困ったさんは、マイルールを押し付けてきて、世の中が自分中心で回っていると勘違いしているので、その図々しさは呆れる程。泣かされる若い子を見ると黙ってはいられなくなります。

個人的な話はさておき、今回はこの困ったさんについて、少し科学的にお話ししてみたいと思います。今もどこかで泣かされている人がいたら、少しでも何かお役に立てればと思います。

困ったさんとは

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困ったさんとは、偏った考え方・行動パターンのため、家庭生活や社会生活、そして職場で支障をきたしている人を指します。つまり、パーソナリティ(人格)の偏りが著しいのです。

パーソナリティ(人格)の偏りが著しいという意味を、もう少し分かりやすくお話ししますね。

パーソナリティ(人格)とは、生まれ持った「気質」と「性格」が一つに統合されたものを指します。生まれ持った「気質」とは、刺激に対してどう反応するか、という個人差です。小さな刺激にもビクッとするのか、全く気にならないのか、といったものが分かりやすいですね。ここで大切なのは、生まれ持つ「気質」に良し悪しはないということ。どの「気質」も魅力的な要素を併せ持っているのです。おっとりしていようが、鋭敏だろうが、マイペースだろうが、どれもが宝物だということと同じです。

ということは、困ったさんの困った言動とは「性格」の部分になるのが分かりますね。そう!「性格」は、様々な経験を通して「つくられた」ものなのです。つくられたものであるということは、「つくり替える」ことができる、とも言えます。

ここで大切なのは、もともとそういう性格だったわけじゃなく、何かの挫折体験や傷つき体験、つまずきをきっかけに、性格が極端になった、と捉えることなのです。

もちろん、ものすごく時間はかかります。
でも本人が気づけば、気づく分だけ、何かしらの変化は生まれるのです。
なので、改善の余地はあるのです。

この辺りは、精神医学の分野では、長いこと放置されてきました。
何しろ性格をテーマにしていくわけですから、ものすごく労力のかかることなので、本気で取り組もうとする人がいなかったのです。

でも現代は、困ったさんがどんどん増えているので、もはや排除するだけでは通じなくなってきているのです。

著しく偏った特性

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では、性格が著しく偏るとは、どういう意味なのでしょう。
例えば、「責任感」について想像してみましょう。

「責任感」がある人とは、とてもいいイメージがありますよね。
ところが、「責任感」の前に「very」をつけてみてください。

very  very  very…とーっても責任感がある人、となったらどうでしょう。
きっと柔軟性とは無縁な人で、重箱の隅をつつくような人もいれば、眉間にシワを寄せて神経質に人の粗探しをする人かもしれません。

「自信」がある人というのも、いいイメージがあります。
でも、同じようにveryをつけてみますね。

very  very  very…とーっても自信がある人、となったらどうでしょう。
きっと自分は完璧だという自信がみなぎり、俺様の言動が鼻につく、鼻持ちならない人かもしれませんし、自己反省とは無縁で、人を馬鹿にしたような態度で、気に入らないことがあれば威圧してくるかもしれません。

つまり、ある程度であれば「個性」として光るものなのに、あり過ぎても困るし、なさ過ぎても困る、という同じベクトルの中に存在するものなのです。

幼さが際立つ

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性格が偏る困ったさんの共通点は、一言で言うと「幼さ」です。
視点が「自分」から動かない、「自分」が一番大事で、「自分」が不利になることには手を出しません。

もっと極端な幼さを抱えていれば、悪いことが起これば人のせいにします。
問い詰められれば逃げるし、ガオーッと大声で怒鳴る、その効果を体得してきている過去を持つので、スイッチが入ると見境なく乱用します。幼い子どもであれば「いけません!」と立ちはだかることができますが、大人となるとそうもいきません。こういう態度をとる中年男性も見苦しいですが、中年女性も相当みっともない姿をさらすことになります。

ただ、ある部分では、人並み以上の能力を持つことも少なくないので、その場合は、社会的に重要なポジションを持つこともあります。チームのリーダーや、責任者だったり…そうなると周囲への影響力は大きくなり、困ったさんの被害者は増えることになります。

スルーするか、屈しないか

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基本行動は、関わらないことです。
どうしても関わらなければならない相手であれば、最低限の関わりに留め、感情をなるべく揺らさないことです。不意打ちに来ることもあるので、なかなかそうもいかないことも多いですが、心の壁を分厚くしてください。
傷つかない自信があれば、対峙しましょう。凛として立ち向かうのです。
逃げても何も変わらないので、自分はやり過ごしたとしても、被害者は次々と増え続けるわけですから、きちんと理屈を添えて「NO!」を伝えるのです。

この時、パワーバランスはとっても大事だなと思います。
優しい人には優しく。
ズケズケいう人にはハッキリと言い切る。という具合です。
困ったさんは、無慈悲なズケズケパワーの持ち主ですから、同等のパワーを持って立ち向かってください。

無神経な人には、細やかな気遣いは不要です。
繊細で心優しい人にとって、同じように、相手に無神経に言い放つのは難しいかもしれませんが、強い自分を作れたら、もっとたくさんの人に優しさを届けられるようになりますから、自分のキャパを広げるつもりで、学びに変えちゃいましょう。
真の優しさを手に入れるための頑張りです。どうか頑張って。

鶯千恭子(おうち きょうこ)




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