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<公開保育レポート>7/30-31 吉田南幼稚園&川内すわこども園SECOND
スマートエデュケーション大澤です。
7/30( 火)〜31(水)に鹿児島にて1泊2日の公開保育ツアーを開催しました!
「こどもまんなか社会」の実現を目指し、「幼・保・企業の垣根を越えてみんなで保育を語り合う」ことをテーマとして掲げた今回の公開保育。助言者に大豆生田先生をお迎えし、全国から100名超の先生にご参加いただきました。参加者の皆さんは2班に分かれ、2日間をかけて両園を見学しました。ツアーの様子を少しご紹介します!
★ 参加者による保育見学
公開保育園① 学校法人橋口学園 吉田南幼稚園(鹿児島市)
幼稚園から認定こども園となった吉田南幼稚園。子どもが主体的に遊び、学ぶことができる環境を整えるべく、3年前から本格的な保育改革に取り組まれています。園庭や保育室の改造、ドキュメンテーションへの取り組み、週案の保育ウェブ化など、子ども主体の保育を実践したい!という園さんには参考になるところが盛りだくさんです。
● 環境
・自然いっぱいの園庭(ASOBIO)& 地域の休墾地を活用したプレイランド
本格的に園庭改革プロジェクトが始まったのは3年前。進行中。子どもたちが多様な命と触れ合いながら遊びを深められるよう、園庭に自然環境(ASOBIO)をたくさん取り入れています。
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遊びに夢中になっています。
園から歩いて5分のところにプレイランドがあります。このプレイランドは地域の方が提供してくださった休墾地を整備して作られています。
虫取りに行ったり、夏は田んぼカヤックで遊んだり。この日は年長クラスで進んでいたペットボトルいかだ作りのプロジェクトの様子が見られました。自分たちが乗ってもいかだが沈まない!!みんな大喜びでした。
地域の資源を上手に活用しているのも、吉田南さんの大きな特徴です。「こどもまんなか」の地域社会づくりも園の重要なミッションだ、と園長先生はお話しされていました。
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・子どもたちの「遊びの跡」が見える保育室
この日は外遊びをする子が多く見られましたが、保育室を見ると子どもたちがどんなことに興味を持って遊んでいるのかがよくわかります。
以前は1日が終わったら遊んだものをすべて「片付ける」スタイル。でもそれでは子どもたちの興味関心は広がりません。子どもたちの「明日もこれで遊びたい!」という気持ちを大切にする環境が作られるようになりました。
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・デジタルもアナログも。子どもたちに多様な選択肢を提供
この日は活用の様子が見られませんでしたが、吉田南幼稚園では遊びのなかにICTを取り入れています。普段の活用事例はこちらからご覧ください!
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ICT活用事例
・ドキュメンテーションと保育ウェブ
吉田南幼稚園では、保育の記録・振り返りにドキュメンテーションツール「おうちえん」を活用しています。
「おうちえん」だけではなく、子どもたちの遊びの記録や子どもたちの作品もたくさん壁に飾られていました。
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そして昨年から取り組んでいるのが、こちらの保育ウェブです。週案をこの形に変えたことで、子どもたちの姿を起点とした環境づくりができるようになりました(以前は保育者主体の保育計画だったため、子どもたちの興味関心とその日の活動がうまくマッチしないこともあったそうです)
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● 子どもたちの様子
公開保育当日の子どもたちのエピソードを、少しご紹介します。
この日、園庭に大きなウシガエルが現れました。子どもたちは大興奮!(参加者はちょっと怯え気味でした笑)触ったり、観察したり、iPadで写真を撮ったりした後、「このカエルをどうしよう?」という思いが子どもたちのなかで生まれました。
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そこで始まったサークルタイム。吉田南幼稚園には、園庭の木陰でサークルタイムができるよう小さな木の椅子とベンチが用意されています。ここで、子どもたちはカエルをどこに帰すかを真剣に議論。最終的に「園長先生にプレイランドに連れて帰してきてもらおう」という結論にたどりつきました。
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子どもたちの思いを胸に、この後、園長先生と参加者みんなでウシガエルをプレイランドに連れて行きました笑。
吉田南幼稚園の素晴らしい環境があってこその素敵な保育展開でした!
公開保育園② 社会福祉法人諏訪福祉会 川内すわこども園SECOND(薩摩川内市)
2020年4月に開園した川内すわこども園SECOND。子ども主体の保育に、とても丁寧に取り組まれている園です。子どもたちはもちろん、先生も楽しくリラックスして過ごすことができる空間づくりや時間の使い方を工夫されています。
いるだけでワクワクしてしまう!そんな園です。
・オープンな保育室とゾーニング保育
2歳児以上のクラスには保育室がなく、大きな空間が活動ごとにゆるやかにゾーニングされています。
この日も積み木やLaQ、浴衣づくり、粘土遊び、テラスでの造形遊びなど、いろいろな活動が展開されていました。
各ゾーンでは先生が丁寧に子どもを見守る様子が印象的でした。
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・まち歩きとプロジェクト保育
3歳児以上の子どもたちはプロジェクト活動に取り組みます。今日はどの遊びに
参加しようかな。自分の参加したい活動に顔写真のマグネットを貼ります。
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壁面には常に子どもたちの発見や思い、作品が飾られています。子どもたちの興味関心が常に「見える化」されています。
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そして川内すわこども園SECONDの最大の特徴は、毎日の「まち歩き」。この日は隣の公園で虫探し。「生き物」プロジェクトの一環だそうです。
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プロジェクトの環境を整えるのに不可欠なドキュメンテーション。先生同士の
語り合いや研修が盛んなのも、川内すわこども園SECONDの大きな特徴です。
この取り組みが保育の質を高める大きな秘訣。先生はいつも、とても楽しそうに
子どもの姿を語っています。
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・デジタルもアナログも。子どもたちに多様な選択肢を提供。
まち歩きの時にタブレットで写真を撮ってお友達と発見を共有したり、プロジェクトの中で動画を作ったり。廃材遊びやブロック遊び、お絵描きと同じように、子どもたちはデジタルツールを使って思いを表現したり、興味関心のあることを深めたりしています。
ここでは、自分の作ったLaQの作品を写真に撮って声を吹き込んでいます。空想の世界に没頭する様子がとても素敵です。
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・地域とのつながり
この日は高校生ボランティアがたくさん保育に
参加していました。「まち歩き」や保育ボランティアの受け入れ、高校での園長先生の講演会など、地域を巻き込むいろいろな取り組みを実践されています。
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★大豆生田先生とのお話会(公開保育実践園での保育の振り返り)
今回助言者として参加してくださった大豆生田先生は、1日目は吉田南幼稚園、
2日目は川内すわこども園SECONDを見学されました。両日とも現場の先生と大豆生田先生との対話の時間を設け、その日の保育の振り返りや日頃の保育について、たっぷり語り合いました。
吉田南幼稚園さんも川内すわこども園SECONDさんも園内にとても素敵なカフェスペースがあり、リラックスした雰囲気で楽しい時間を過ごされていました。
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★ 参加者との双方向コミュニケーション
参加する先生だけではなく、開催園の先生にも学びのある2日間になるように、当日は参加者の方、感想や気づきを付箋に書いていただきました。
たくさんのメモをいただき、開催園の先生方もとても喜ばれていました。毎日当たり前のようにしていることを第三者からの視点で見つめ直すということは、とても大切なことですね。公開保育を実施する大きな意義だと思います。
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★ 1日目の午後に開催された交流研修会
1日目の午後は大豆生田先生による保育の振り返りと講演会、ICT体験などの参加者グループワークや大豆生田先生と両園の先生方のパネルディスカッションなど、内容盛りだくさんの交流研修会を行いました。
● 大豆生田先生による保育の振り返りと講演会
大豆生田先生から、その日保育を見学された吉田南幼稚園の子どもたちの様子を
お話しいただきました。
大豆生田先生は常日頃、「『◯◯ちゃん』という特定の子どもを見つめると、保育者が見え、環境が見えてくる。固有名詞の誰かをしっかりと見ることが何よりも大切だ」とおっしゃっています。その通り、ここでも環境設定や保育者の関わり
ではなく、子どもの姿を丁寧にお話しされていました。
大豆生田先生がワクワクしながらお話しされる様子が、とても印象的でした。
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その後の講演会では、こども家庭庁が定する「はじめの100ヶ月の育ちビジョン」のお話を中心に、子どものウェルビーイング(身体的・精神的・社会的に幸福な状態にあること)について、また乳幼児教育の重要性について、大切なお話をたくさんしていただきました。
ここでも話の中心は「子どもの姿」。目の前の一人を全力で見つめ、幸せにする。大豆生田先生の思いは一貫しています。
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● さまざまなグループワーク
今回の交流研修会は「こどもまんなか」と「まざりあい」をテーマに掲げました。参加者の方にはくじを引いてもらってテーブルに着席していただき、できるだけ
他園の先生と交流していただけるような環境を作りました。ICT体験の時間には、
KitSの「おっ!えかき」アプリを使ってみんなでグループワークをしていただきました。アナログとは違った表現ができるデジタルのお絵描き体験は大盛り上がりでした!
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● パネルディスカッション
最後に、大豆生田先生・吉田南幼稚園の先生・川内すわこども園SECONDの先生にご参加いただいてのパネルディスカッションを行いました。モデレーターは弊社代表池谷です。
Slidoというアプリを使って参加者の先生からリアルタイムで質問を受け付け、ご回答いただきました。
「行事、どうしてる?」「保護者の保育への理解を得るためにどんなことをしている?」「会議や研修の時間をどう確保している?」「持ち帰りの仕事はある?」
など、大豆生田先生を含め、本音トーク盛りだくさんでした!
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最後に
1日目の午後に、大豆生田先生が「一人の子どもを見つめることがどれだけ重要か」というお話をされたせいか、2日目の保育見学では参加者の方が子どもを丁寧に見つめていた様子がとても印象的でした。
何のための保育環境か、何のための声かけか。それは目の前の子ども、一人ひとりの子どものウェルビーイングを守るため。
私たち企業も「こどもまんなか社会」の実現に寄与すべく努力を続けよう、という思いを新たにする2日間でした。
参加者の方からも嬉しいご感想をたくさんいただきました。これからも園さんと二人三脚でいろいろな公開保育やセミナーを開催していきたいと思います!