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【企画サンプル】『名言が残せなかった』【#ミリしら解説】


※この記事は、「1ミリも知らない」流行語大賞の言葉を、「1ミリも知らない」まま解説しようという無謀な企画のサンプル記事です。あくまで一例ですので、ガン無視していただいても構いません。



先日『2024年 流行語大賞ノミネート30語』が発表された。

その中にこの『名言を残せなかった』という言葉が選ばれており、正直なところ、僕はかなり驚いていた。

確かにこの言葉がメディアに取り上げられた背景には、とある人物の輝かしい功績がある。

しかしそれが、僕ら物を書く人間はともかく、広く世間に受け入れられ、これだけの反響をもたらすとは思ってもみなかったからだ。

今回の記事は、そういった事情を詳しく知りたい人に向けてのものだ。

この件に関して最もわかりやすいのは、やはり先述の言葉を発した人物【名言 綴】(めいげん つづる)氏についてご紹介することだろう。

名言 綴】氏は世界的名言クリエイターとして数々の名言を残してきたことで知られる。

『人間は考えるネコジャラシである』
『常識とは、32歳くらいまでに身に付けた偏見のオンパレードだ』
『名言王に、おれはなるっ!』

これらのお馴染みのユニークな名言は約70カ国語に翻訳され、世界中の迷える人々を勇気づけてきた。

なにを隠そうこの僕も、幼少期から彼の影響を受けてきた一人である。

『私が遠くを見ることができるのは、私がキリンの頭にのっていたからです』

この名言に感化されて、動物園にキリンを見に行きたいとしつこく親にせがんだことは一度や二度ではない。

そのとき買ってもらったキリンのぬいぐるみは、今でも大切に枕もとに飾ってある。



その彼が所属会社を定年退職すると発表したのは、今年8月。

記者会見で涙ぐむ彼の姿は記憶に新しい。

氏は衝撃のニュースを前に興奮さめやらぬ記者たちの前で、こう告げたのだ。

「名言を、残せなかった」


数々の名言を世に放ってきた、名言クリエイト界の巨匠。

どこまでも真摯で、どこまでも貪欲に。

氏の仕事に対するプライドがよく表された一言であった。

ひょっとするとこの発言そのものこそが、彼の最後の作品だったのかもしれない。

もしもそうならば、我々は彼に惜しみない賛辞の言葉を贈らざるを得ないだろう。

名言 綴】という、とてつもなく巨大な一頭のキリンに。



▼気になった方は、こちらから。


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