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「薄い」コーヒートークの感想

 VA-11HALL-Aフォロワーとして発表されたこのゲーム、自分としても気になってたのでチェックして買ってみた。あちらと違うのはこっちはオークやエルフといったファンタジーの住人が現代社会に参加しているいわゆる「ローファンタジー」の世界だ。架空歴史ネタが好きな自分にとってはローファンタジーで異文化がぶつかり合うなんてのは好物の一種でそこもかなり期待していた。

 さて、一周をクリアした感想がリスペクト元の生々しさから生じる濃さを取り去ったゲームがコーヒートークという感じだ。謎解きのような客はあまり現れないし、機敏を見て別の一杯を出すというのもほぼなかった。アルコールという強い成分がVA11HALLAを作ってたとしたら、カフェインは代替になりえていない。本作独自の要素が・・・つまり世界観が薄いのだ。

 ローファンタジーの架空歴史ネタが好きだと先述したが、気になる単語だけ並べられて客からは歴史を知るのは難しい。ストーリーに関わる種族ネタは「変身に苦しむ狼男」「上流階級エルフ」このぐらいだろう。ローファンタジーである必要性が見えたのは前者程度だった。新聞の事件も作中人物はほぼ関わらず悪い意味で「雰囲気」しか味わえない。ストーリーが薄いのだ。もちろん親近感を沸かせるという意味では我々に近づける意味はあるが・・・そうなるとローファンタジーである意味は?断言しよう。一切感じ取れなかった。

 このゲームは非常に薄い。だが薄いからこそさくっと楽しめるという利点がある。(酒を作る為にドラッグを何往復もしなくていい!)これは一切酔えないがあっさりとした一杯がいい貴方は買ってもいいのではないだろうか。

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