もっと一緒にいたかった
もっとずっと一緒にいられると思ってた。
一緒の時間を共有できたことも、空が綺麗だからという理由でLINEを送れたことも、おはよ!とLINEが来ることも、大好きな人と付き合えていることも。
全部全部当たり前だと思ってしまった。
一緒にディズニーシーに行きたかったな。
一緒に星を見に行きたかったな。
一緒に温泉街で貸切露天風呂に浸かりたかったな。
一緒にミスチルのライブに行きたかったな。
一緒に富士山を見ながらキャンプしたかったな。
いややっぱり、そんな贅沢は言わないから、ただ一緒に、もっとずっと一緒にいたかったな。
でも本当は、何もせずにただ一緒にいられることこそが、この上ない贅沢なことだったんだよね。
昼の12時に起きて、おはようと言い合ったことも。
天気のいい日にお散歩したことも。
暇だからと言って、駅まで迎えに行ったことも。
夜中に手を繋ぎ、コンビニへ買い物に行ったことも。
そんな何気ない日々にどれだけ価値があったかを、いつの間にか忘れていた。
元カノが自分とのデートをどれだけ大切にしてて、一緒にいられることを奇跡のように思ってくれていたか、今なら文字通り痛い程よく分かる。
大切なものは失って始めてその大切さに気づくというが、本当にその通りだと思う。
今では、久しぶり!の5文字を打つことすらできない。書いては消し、書いては消しの繰り返し(1回だけ送ったことがあるけど、本当に自分に興味無いんだなという返信が返ってきた)。
振られてからもうすぐ一ヶ月が経つ。流石に、もうご飯が食べられないとか、2時間しか寝られないとかはないけど。
それでも、夢に元カノが出てきて朝の5時頃に目を覚ますことはある。一日の中でフッと元カノを思い出して、心臓を掴まれるような痛みに苛まれることも、急に涙が出てきて人に見せられない程クシャクシャな顔になることもある。
きっと元カノは自分がこんなにボロボロになっていることを知らないけど、知らないままでいい。
涙も流せど流せど全く枯れる気配がない。絶対これ継ぎ足されてる、自分の涙は秘伝のタレかい。
振られてから1ヶ月経ってもそこまで思えるのは、優しいんだねとか、本当に好きだったんだねと友達は優しい言葉をかけてくれる。
本当に優しい人が周りにいて良かった。
でも、本当に優しいなら、彼女に辛い思いはさせなかったし、別れを切り出させることはなかった。
そう考えると、多分自分は優しくない。こんな面倒臭い思考をしているから振られたのかもしれないが。
そう考えると、自分のこの涙や痛みは、相手に申し訳ないことをしたから生まれたのでは無く、自分が辛い立場に立つことで、せめてもの贖罪になると思ってのものなのかもしれない。
涙鑑定士の方がいらっしゃいましたら、涙のわけを教えてください。B5の紙にでも書き出していただいて。