天使のくれた時間を観てみて。
「天使のくれた時間」
失恋を癒す映画で検索して発見した映画で、元々洋画は全くと言っていいほど見ない自分だが、あらすじに惹かれて視聴した。
13年前に別れた彼女ともし付き合っていたら?というシナリオで、仕事での大きな成功と、自分の愛する人と育む幸せのどちらが人生で大切かを描いた作品である。
失恋映画で邦画ではなく洋画を選んだのは、元カノが好きだったからかもしれない。そういえば、基本的に吹き替えではなく、字幕付きを好んでいて、英語の発音は凄く良かった。
まだ元カノを引き摺っているのか、自分もアマプラで字幕付きにて視聴した。
もう振られてから1ヶ月以上が経ち、写真やLINEを見返さないからか、元カノへの思いは断てないものの、泣くことは減ってきている。無くなってきていると書けないのが恥ずかしい。
しかし、この映画を視聴して最近の中では1番くらいに泣いた。
開けていた窓を閉めなきゃと思うくらいには泣いた。
そういえば元々自分は涙脆く、元カノにも「女優並に涙を流すのが上手い」とか言われてた。余計なお世話である。男は涙を流すのは女々しいと考えていたが、泣くことを肯定してくれるのであればと、元カノの前では泣くことも少なくなかった。
この映画の別れの原因は仕事か彼女かを選んだことであり、自分のように嫌われて彼女に振られたとは、また別ケースである。
しかし、何故か心に訴えかけてくるものがある。
(元々自分が涙脆いことを差し引いてもなお。)
仕事を優先し裕福な暮らしが出来ている反面、本質的に幸せを享受できていない主人公と、節約ばかり考えて、彼女を大切にできなかった自分に重ねたからだろうか。
多分それもひとつの要因だろう。
他にも元カノを思い出し、
自分の将来への漠然とした不安や、自分の欠点が可視化したこと、自信の喪失や、元カノへの罪悪感などで涙したのかもしれない。
しかし1番は、元カノがどれだけ愛情を注いでくれていたかを理解したからだと思う。
この映画では、恋人役のケイトがとても重要な役割を果たしている。
パラレルワールドに迷い込んだ夫に対し、文字通り無償の愛を注いでくれている。
その愛情が、夫の仕事優先だった思考回路を変え、自分の大切にする人を愛することの尊さを知るきっかけとなる。
常に相手のことを思いやり、相手が間違っていたと感じたら助言しつつ、最終的な決定権は相手に委ねる。
常に笑顔で接し、相手からの思いやりは素直に受け取り、人一倍喜ぶ。
そのままの相手を愛し、見返りのない愛情を注ぐ。
ケイトの行動は、言葉なくとも本当に相手のことを愛していることがハッキリと分かった。
そして、このシーンで過去元カノがしてくれていたことを自分に思い出させてくれた。
元々、元カノは好きという言葉を出すのが得意ではなかった。
一般的には、男の方が好きと言わない傾向にあるらしいが、恐らく好きという単語を言った回数では自分の方が圧倒的に多いだろう。
だから自分は、元カノよりも愛情をそそげていると思っていた。過去に一度、好きという言葉が少ないことが不安とまで伝えてしまっていた。
しかし、元カノは誰よりも、自分よりも、自分のことを愛してくれていた。
言葉には出さずとも、ハッキリと行動で伝えてくれていた。
どれだけ彼女が愛してくれていたかを思い出させてくれた、この映画を忘れることは一生ないだろう。