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将棋界の一番長い日〜第55期A級順位戦の思い出

今79期のA級順位戦が行われているのでもう24年も前の話だ。
将棋を覚えたのは高校二年生の終わる頃だった、
実に遅かった。

NHK連続小説ふたりっ子などの影響もあったでしょう、仲間うちで流行ったわけですが初心者なので毎回負かされる。
負けず嫌いが祟って、強くなりたい一心で書籍を買い漁り勉強する。
プロの将棋中継もわけがわからぬまま見ていた。
わけがわからないのでビデオに録画して何度も擦り切れるほど見たと思う。

中でも思い出深いのがNHKのBSで第55期A級順位戦の中継、将棋界の一番長い日というタイトルの番組だったと記憶しています。
羽生善治名人への挑戦権を争うリーグ戦でした。

そこで米長邦雄九段の堂々とした陣形(相掛かりの中住まい金開き)と対局姿に魅せられたものでした。


対局カードは
米長−谷川戦
森下−森戦
加藤−森内戦
村山−島戦
中原−佐藤(康)戦


の豪華5局だった。
オールドファンならば泣いて喜ぶ好カードばかりで名前を聞くだけで胸が熱くなる。
対戦表を見ると当時米長九段は53歳。
素晴らしい。

まず森九段が穴熊の森下陣を攻略、勝ち名乗りをあげた。
島八段が勝ち(矢倉戦)中原永世十段が勝ち(相掛かり戦)谷川竜王が勝って(相掛かり戦)名人挑戦を決めた。

結局米長九段は負けたのだが最後まで頑張る姿勢を解説の田中寅彦九段が褒めていたのをよく覚えている。
こうして米長九段は3勝6敗で全日程を終えた。
そしてこの敗戦が響いてその次の年の第56期A級順位戦では4勝5敗だったが順位の差で降級ということになってしまうのである。
それを思い出すと胸が熱くなる。

話を戻すが
最後まで残った加藤森内戦は加藤九段が矢倉中飛車で森内八段を抑えこんで見事に勝ちきった。

本当に本当に面白かった

あれから色々あり24年も経てばA級棋士もすっかり様変わりしており佐藤九段と羽生九段(当時は名人)しか残っていない
スペシャルA級棋士(当時、中原加藤米長の3人は一部ではそう呼ばれていた)がいなくなってしまったので当時ほど面白さを感じることもなくそんなにかじりついて本気に見る気にはなれない。

今回の記事、局面くらい載せれば面白くなるのだろうが調べるのに膨大な労力を要するので割愛させていただきます。

棋譜が将棋連盟のデータベースには残っていると思うので是非とも昔の棋譜も並べて勉強というか鑑賞していただきたいと思います。

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