乙4法令6:完成検査、完成前検査、仮使用
1. はじめに:製造所等の検査手続きの重要性
危険物施設の安全性を確保するためには、設置後の検査や変更工事後の確認が欠かせません。
「完成検査」「完成前検査」「仮使用」は、これらのプロセスにおける重要な手続きです。
本記事では、それぞれの目的や手続きの流れについて詳しく解説します。
2. 完成検査とは
(1) 完成検査の概要
目的:施設が「技術上の基準に適合」しているか、市町村長等が確認するための検査。
対象:新設や変更工事を終えた製造所等。
(2) 完成検査の流れ
工事が完了した後、市町村長等に完成検査を申請します。
検査に合格すると、完成済み検査証が交付されます。
設置された施設が適正であると確認されて初めて、正式に使用可能になります。
(3) 注意点
変更工事が行われた場合は、変更工事に係る部分だけでなく、その他の部分についても基準を満たしている必要があります。
しかし最新の完成検査で合格していること、立入検査又は事前調査等により、適正に維持管理されていることが判明していること。
これらを満たす場合、完成検査前に詳細な確認の必要はありません
3. 仮使用とは
(1) 仮使用の概要
目的:変更工事おいて完成検査前に、変更に係る部分以外を使用するための手続き。
条件:市町村長等の承認が必要です。
(2) 仮使用の申請と承認の流れ
仮使用承認を受けた部分のみ使用可能。
変更工事と仮使用の申請を同時に行うことが可能。
完成検査を受ける際には、仮使用承認された部分も含めて再確認されます。
4. 完成前検査とは
(1) 完成前検査の概要
目的:完成検査を受ける前に、危険物施設の特定部分が基準を満たしているか確認するため、市町村長等が工事完了前に行う検査。
対象:容量が指定数量以上の液体危険物タンクを設置または変更する施設。
(2) 完成前検査の流れ
工事完了前に、市町村長等に完成前検査を申請。
対象は主に液体危険物を扱うタンク施設。
完成前検査に合格しなければ、完成検査を受けられない。
(3) 対象外
容量が指定数量以上の液体危険物タンクを有しない施設(例:一般取扱所や小規模施設)は、完成前検査の対象外。
5. まとめ:手続きをスムーズに進めるために
危険物施設の設置・変更における「完成検査」「完成前検査」「仮使用」は、それぞれ異なる役割を持つ重要な手続きです。
特に液体危険物タンクを有する施設では、完成前検査を通過しないと完成検査に進めない点に注意が必要です。