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乙4法令17:製造所の基準


1. はじめに:製造所について

危険物を取り扱う製造所は、安全性を確保するために構造・設備・配管のそれぞれに厳格な基準が設けられています。
本記事では、製造所の基準について詳しく解説し、安全性を高めるための重要なポイントを分かりやすく説明します。

2. 製造所の構造に関する基準

(1) 壁、柱、床、はり、階段

  • 不燃材料:建築物の材料のうち不燃性を持つ材料で、鉄鋼やコンクリートなど

(2)外壁

  • 出入口以外の開口部を有しない耐火構造の壁

  • 耐火構造:主要構造部が、隣接火災や内部火災にあった場合でも、そのあとで補修すると再利用できるような構造をいう。
    例)鉄筋コンクリート

(3)屋根

  • 不燃材料で造るとともに、金属その他軽量な材料でふくこと

(4)出入口

  • 防火設備を設ける

  • 外壁に設ける出入口には、随時開けることができる自動閉鎖の特定防火設備を設ける

  • 防火設備:防火性能を備えた戸(防火戸)

  • 特定防火設備:防火設備よりさらに高い防火性能を備えた防火戸

(5)窓ガラス

  • 窓または出入口にガラスを用いる場合は、網入りガラスにすること

(6)床

  • 危険物が浸透しない構造

  • 適当な傾斜をつける

  • 漏れた危険物を一時的に貯蔵する設備(貯留設備)を設けること

(7)その他

  • 地階を有しないものであること

  • 見やすい箇所に製造所である旨を表示した標識及び防火に関し必要な事項を掲示した掲示板を設けること

3. 製造所の設備に関する基準

(1) 避雷設備

  • 指定数量の10倍以上の製造所

(2) 蒸気排出設備

  • 可燃性蒸気が滞留する恐れがある場合に設置

  • 屋外の高所に排出すること

(3) 温度測定装置

  • 危険物の加熱、冷却する設備、取扱いに伴って温度変化が生じる設備

(4) 直火を用いない構造

  • 危険物を加熱または乾燥する設備

(5) 圧力計及び安全装置

  • 危険物を加圧する設備、危険物の圧力が上昇するおそれのある設備

(6) 静電気を除去する装置

  • 静電気が発生する恐れのある設備

(7) 採光及び換気

  • 必要な明るさを確保する採光設備や照明、換気設備を設置

4. 製造所の配管に関する基準

(1) 配管の強度

  • 強度のある材質を使用し、最大常用圧力の1.5倍以上の水圧試験で漏洩がないことを確認。

(2) 地上設置

  • 地震や風圧、地盤沈下、温度変化に対し安全な構造の支持物により支持すること

(3) 地下埋設

  • 接合部分の漏洩点検が可能

  • 地盤の重量が配管に直接かからないよう保護する構造にする。

(4) 腐食防止

  • 地上設置:地盤面に接しないようにし、外面の腐食を防止する塗装を行う

  • 地下設置:電気腐食のおそれのある場所では、塗覆装またはコーティング及び電気防食を行う。

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