乙4法令4:製造所等の区分
1. はじめに:製造所等の重要性とは
指定数量以上の危険物を貯蔵し、または取り扱う施設は、適切な施設での管理が不可欠です。
「製造所等(せいぞうしょとう)」とは、危険物を取り扱う施設全般を指し、製造所・貯蔵所・取扱所の3つに分類されます。
本記事では、それぞれの区分と施設の種類について詳しく解説します。
2. 危険物施設の分類:製造所等の3区分
(1) 製造所:1種類
(2) 貯蔵所:7種類
(3) 取扱所:4種類
(1) 製造所
特徴:危険物を製造する施設(合成・分解・貯蔵)。
例:化学工場
ポイント:製造所は1種類のみが定義されています。
(2) 貯蔵所
危険物を安全に貯蔵するための施設で、下記の7種類に分類されます。
1.屋内貯蔵所
2.屋外タンク貯蔵所
3.屋内タンク貯蔵所
4.地下タンク貯蔵所
5.簡易タンク貯蔵所
6.移動タンク貯蔵所
7.屋外貯蔵所
1.屋内貯蔵所
室内で危険物をドラム缶などに貯蔵または取り扱う貯蔵所。
例:化学薬品の保管倉庫
2.屋外タンク貯蔵所
屋外に設置されたタンクで危険物を貯蔵または取り扱う貯蔵所。
例:大規模な石油タンク施設
3.屋内タンク貯蔵所
屋内の専用室内に設置されたタンクで危険物を保管。
タンク容量は指定数量の倍数の40倍以下または第4類の危険物(第4石油類と動植物油類を除く)は20,000L以下
例:地下に設置された燃料タンク室
4.地下タンク貯蔵所
地下に埋設されたタンクで危険物を貯蔵または取り扱う貯蔵所。
例:ガソリンスタンドの地下タンク
5.簡易タンク貯蔵所
容量が制限された簡易タンクでの貯蔵または取り扱う貯蔵所。
タンク1基の容量は600L以下とし、3基まで設置できるが、
同一物質の危険物を2基以上設置できない。例:小規模な燃料保管所
6.移動タンク貯蔵所
車両に固定されたタンク(30,000L以下)で危険物を貯蔵または取り扱う貯蔵所。
例:タンクローリー
7.屋外貯蔵所
室外で危険物を保管(タンクを除く)。耐候性が重要。
第2類の危険物のうち硫黄もしくは引火性固体(引火点が0℃以上のものに限る)
第4類の危険物のうち第1石油類(引火点が0℃以上のもの)、
アルコール類、第2石油類、第3石油類、第4石油類、
動植物油類を貯蔵または取り扱う貯蔵所。例:石炭や硫黄の屋外保管エリア
(3) 取扱所
危険物を使用・販売するための施設で、下記の4種類に分けられます。
1.給油取扱所
2.販売取扱所
3.一般取扱所
4.移送取扱所
1.給油取扱所
燃料を車両などに給油する施設。
地下のタンク容量に制限はないが、廃油タンクは10,000L以下。
例:ガソリンスタンド
2.販売取扱所
危険物を販売するための施設。
例:燃料販売店
第1種:指定数量の倍数が15以下
第2種:指定数量の倍数が15を超え、40以下のもの
3.一般取扱所
危険物を工場や作業現場などで使用する施設。
燃料として1日の使用量が指定数量の倍数1以上の場合、一般取扱所の許可が必要。
例:工場内の危険物取扱エリア、ボイラー施設など
4.移送取扱所
配管を通じて危険物を移送する施設。
地下に埋め込んだパイプ、そのポンプなど
例:パイプラインの中継施設
まとめ:製造所等の区分を理解し安全を守る
製造所等は、危険物を製造、貯蔵、取り扱うための施設であり、
それぞれの区分や種類ごとに異なる安全基準があります。
特に貯蔵所と取扱所の種類は多いため、適切な施設選びと管理を徹底することが求められます。
危険物の性質や指定数量を考慮し、
安全第一で施設を運用しましょう!