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日記(2024/06/15〜21)選挙、木村政彦、ホールドオーバーズ
2024/06/15土
午前中は父の日ということで娘の父親参観に参加。一緒に陶芸をやった。
実用性を考えて、皿の底ではなく淵面に模様を掘らせたが、周囲を見るとほとんどが底面に掘っていた。「これは弥生式土器の工法だ」と思ってしまったのが間違いのもとだった。
午後、期日前投票。
夜、ジョギング。BPM160くらいの方が走りやすいかもしれない。
体重76.5kg
2024/06/16日
午前中図書館に行く。借りた本は以下。
・増田俊哉『木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか』
・山田詠美『肌馬の系譜』
・ニシダ『不器用で』
夜、県議会議員選挙の結果がわかり、県政与党の大敗が確定。
これからの4年間の地獄を思うと吐きそう。ちょっとこのニュースを見ていた時のことを思い出すと、今後トラウマになるんだろうなと思う次第。年々、大きな選挙でリベラル側が負けると、肉体的に影響が出るレベルで落ち込む。本音をいえば、今回の自民党裏金問題が出て、物価高騰の影響もあり生活が苦しい中、確実に選挙結果でNOを突きつけられると思っていた。そういった期待があっただけに裏切られたような気分にはなるし、ちょっとだけ沖縄が怖くなった。玉城県政が完璧だと言うつもりもないが、自民・公明よりはマシだとは思うし、自民党に投票した人が馬鹿という気もないが、この日本に漂ううっすらとした反リベラルの空気はなんとかしなくてはと思う。
体重77.1kg
2024/06/17月
昨日のショックを引きずりながらも、GEZANの「東京」を聴きながら出勤し、いつものように仕事をこなす。
帰りにネットカフェに駆け込み日曜日の日記の下書きを書く。結局掲載した内容は、最初書いていたことの5分の1にすぎない。最初はもっと不穏当な内容だった。
最近やっとわかってきた、怒りや悲しみへの対処法だが、まずとりあえず今自分の心理に動揺を与えている内容について書く。その後、自分の頭をいっぱいにすることをする。人によってはここで好きなものに触れるのだろうが、僕はむしろ、難解な本を読むことが多い。その方が思考がそっちに取られて、今自分を動揺させていることに対して向き合わずにすむ。あと、いざとなったら、それに向き合うための材料となるやもという思いもある。今やっているのは、Thomas.C.Fosterの"How to read a novel like a professor"という本をひたすら訳していくこと。
体重77.0kg
2024/06/18火
いつものように仕事。
体重77.2kg
2024/06/19水
いつものように仕事。少し晴れてきたと思ったら梅雨明け。
76.8kg
2024/06/20木
増田俊也『木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか』読了。
作者は明確に木村政彦の側に立っている。ただ、膨大な調査やインタビューからなる文面は、確かに中立性は欠いているかもしれないが説得力があり、かつ冒頭に力道山戦を持ってきてフラッシュバックを使う構成など実に映画的であり、この豪放磊落な人物の肩を持ちたくなる。力道山に対しては確かに悪し様に書きすぎかもしれないが、普及したテレビと草創期にあったプロレスという舞台において、イメージ戦略に負けた木村政彦というものは、色々、その後の日本の歩みにおいて思うところある。(某元首相の国葬における遺影は力道山ポーズだった)
夜、ジョギング。何となく調子がよくなかった。
体重76.2kg
2024/06/21金
仕事後、桜坂劇場にて『ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリデイ』を鑑賞。こういった感じの作品を久々に映画館で観た気がする。アレクサンダー・ペイン監督自体久々の作品ではあるが、いわゆるヒューマンコメディで、社会的問題を深く取り扱うわけでも、下ネタで大爆笑させるわけでも、はたまたシネフィル案件でもなく、ただ確実にほっこりさせられて誰かの胸には刺さる内容。2000年代から10年代前半は結構あった気もするが、アレクサンダー・ペインは寡作だし、ジェイソン・ライトマンは異なった方向性に行っているし、A24の隆盛以降はアメリカ映画全体の方向も変わっている気がする。そういった中で出てきた久々の作品。非常に楽しんだ。
印象としては同監督作の『サイドウェイ』や『ファミリーツリー』の方が好きかなという気持ちもあるが、ただ、これらの作品は比較的派手目だし、本作はよりストレートになってきている感じもあり、その照れ隠しとしての70年代なのかもしれない。相変わらず中年が変な走り方をしている。校風である「正直さ」とそれと対比される「嘘」の取扱いの変化が人物間の距離を縮める要素になっているのがとても良かった。しばらく経った頃に思い出して潤むタイプの作品だ、これ。
体重76.0kg
(追記)『ホールドオーバーズ』は、個人を救済するための万能な方法などないということを描きつつ、普遍性を獲得しているのが素晴らしいと思います。