関税率表 第51.01項

第 51 類 羊毛、繊獣毛、粗獣毛及び馬毛の糸並びにこれらの織物

51.01 羊毛(カードし又はコームしたものを除く。)
-脂付きのもの(フリースウォッシュしたものを含む。)
5101.11--剪(せん)毛したもの
5101.19--その他のもの
-脂を除いたもの(化炭処理をしてないものに限る。)
5101.21--剪(せん)毛したもの
5101.29--その他のもの
5101.30-化炭処理をしたもの

この表において「羊毛」とは、羊又は子羊の天然繊維をいう。羊毛繊維は、本質的にはケラチンたんぱくから構成され、特有なうろこ状の面を有している。羊毛は弾力性に富み、吸湿性が非常に高く(空気中の水分を吸収する)、一般に、顕著な縮絨(じゅう)性を有している。羊毛は、燃えにくいが燃やすと角を焼いたときと同じような臭気を発して焦げる。
この項には、羊又は子羊の毛で、カード又はコームしてないものを含むが、これらは、生体又は死んだものの毛皮から刈り取ったもの(shorn wool)か、発酵又は適切な化学処理の後に毛皮から抜き取ったもの(例えば、pulled wool、slipe wool 又は skin wool)かは問わない。
カード及びコームしてない羊毛には、一般に次の物品がある。
(A)脂付きのもの(フリースウォッシュしたものを含む。)
脂付き羊毛は、まだ洗毛その他の洗浄をしてない羊毛である。したがって、羊の体から出てくる脂肪物質がまだ羊毛に染み込んでおり、多少の夾(きょう)雑物(草の実、種子、土等)が混入していることもある。剪(せん)毛した脂付き羊毛は、しばしばフリースの形状を持ち、多かれ少なかれ毛皮の外形を保っている。
脂付きの pulled wool は、発酵法(sweating)により羊又は子羊の毛皮から抜き取られる。
この過程において繊維及び毛皮は、熱及び水分の相互作用を受ける。また、皮の内側を硫化ナトリウム又は石灰の溶液で処理する脱毛法によることもある。これらの羊毛は、毛根の存在によって識別できる。
フリースウォッシュした羊毛は、羊を水で洗ってから刈り取った羊毛又は毛皮のまま洗ってから抜き取った羊毛で、完全にきれいになっていない。
脂付きの羊毛は、通常黄色がかっているが、なかには、灰色、黒、茶又はあずき色のものもある。
(B)脂を除いた羊毛(化炭処理をしてないものに限る。)
これには、次の物品を含む。
(1)Hot washed wool:熱湯のみで洗い、大部分の脂や土は除かれている。
(2)洗上羊毛:熱湯及び石けん若しくはその他の洗剤又はアルカリ溶液で洗い、脂はほぼ完全に除去されている。
(3)揮発性の溶剤(ベンゼン、四塩化炭素等)で処理し、脂を除いた羊毛
(4)Frosted wool:脂は、低温にして凍らせると非常にもろくなり、容易に粉砕される。
脂は羊毛の中に混入している脂に付着した大部分の夾(きょう)雑物と共に除去される。
洗った羊毛及び脂を取り除いた羊毛には、多くの場合、まだ少量の脂及び植物性夾雑物(草の実、種子等)が混入している。この植物性夾(きょう)雑物は、その後の工程で機械的(51.05項の解説参照)又は化炭処理により除去される。
(C)化炭処理をした羊毛
上記(B)に掲げた羊毛に混入している植物性夾(きょう)雑物は、化炭処理により除かれる。
羊毛は、通常植物性夾(きょう)雑物を破壊するが羊毛繊維には作用しない無機酸又は酸性塩の溶液の中に浸せきされる。
漂白、浸染その他の処理が、カード又はコームの前に施されても、この項の羊毛の所属の決定には影響を及ぼさない。

この項には、次の物品を含まない。
(a)原皮(毛が付いている羊の毛皮を含み、スプリットしてあるかないかを問わない。)(41.02又は 43.01)
(b)51.03 項の羊毛のくず又は 51.04 項の反毛した羊毛のくず
(c)小塊状のコームした羊毛(51.05)


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