関税率表 第11.08項

第 11 類 穀粉、加工穀物、麦芽、でん粉、イヌリン及び小麦グルテン

11.08 でん粉及びイヌリン
-でん粉
1108.11--小麦でん粉
1108.12--とうもろこしでん粉(コーンスターチ)
1108.13--ばれいしょでん粉
1108.14--マニオカ(カッサバ)でん粉
1108.19--その他のでん粉
1108.20-イヌリン

でん粉(化学的には炭水化物である。)は、多くの植物性生産品の細胞の中に含まれている。でん粉の最も重要な原料は、穀粒(例えば、とうもろこし、小麦及び米)、ある種の地衣類、ある種の塊茎及び根(ばれいしょ、マニオカ、アロールート等)及びサゴやしの髄である。
でん粉は、指の間でこすると音をたてる微細な粒子から成る粉末で、白色で、無臭である。これは、一般によう素と反応して強い青紫色を呈する(ただし、アミロペクチンでん粉は赤かっ色に変色する。)。穀粒を偏向顕微鏡で観察すると特有の暗い偏光十字を示す。でん粉は、冷水に不溶であるが、でん粉の糊化温度(多くの場合約 60 度)以上に水中で加温すると、でん粉粒は膨潤してでん粉糊を生成する。でん粉は、商業上加工され、他の項に属する広範囲の物品を生み出す(例えば、変性でん粉、ばい焼した可溶性でん粉、デキストリン、マルトデキストリン、デキストロース、ぶどう糖)。でん粉は、またそれ自体で各種工業、特に食品、紙、紙加工(paper converting)及び繊維工業に幅広く使用される。
この項には、またイヌリンを含む。これは、化学的にはでん粉に類似しているが、よう素と反応すると青紫色ではなく明るい黄色を帯びたかっ色を呈する。イヌリンは、菊芋、ダリアの根及びチコリーの根から抽出される。水で長時間煮沸して加水分解すると果糖を生じる。

この項には、次の物品を含まない。
(a)19.01 項のでん粉の調製品
(b)タピオカ及びでん粉から製造したタピオカ代用品(19.03 項の解説参照)
(c)香料又は化粧品として調製したでん粉(33 類)
(d)35.05 項のデキストリンその他の変性でん粉
(e)でん粉をもととした膠(こう)着剤(35.05 又は 35.06)
(f)でん粉から製造したつや出し剤及び仕上げ剤(38.09)
(g)でん粉の分別により得られた単離したアミロペクチン及び単離したアミロース(39.13)


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?