関税率表 第84.07項

第 84 類 原子炉、ボイラー及び機械類並びにこれらの部分品

84.07 ピストン式火花点火内燃機関(往復動機関及びロータリーエンジンに限る。)
8407.10-航空機用エンジン
-船舶推進用エンジン
8407.21--船外機
8407.29--その他のもの
-ピストン式往復動機関(第 87 類の車両の駆動に使用する種類のものに限る。)
8407.31--シリンダー容量が 50 立方センチメートル以下のもの
8407.32--シリンダー容量が 50 立方センチメートルを超え 250 立方センチメートル以下のもの
8407.33--シリンダー容量が 250 立方センチメートルを超え 1,000 立方センチメートル以下のも

8407.34--シリンダー容量が 1,000 立方センチメートルを超えるもの
8407.90-その他のエンジン 

この項には、ピストン式の火花点火内燃機関(往復動機関)及びロータリーエンジン(ピストンに相当する三角形のローターを有するワンケルエンジンに限る。)を含み、95 類のものを除く。
この項には、自動車に取り付けられるものを含む。
これらのエンジンは、通常シリンダー、ピストン、コネクティングロッド、クランクシャフト、はずみ車、吸排気弁等の構成要素から成り、シリンダー内で燃焼される可燃性のガス又は蒸気の膨張力を利用するものである。
これらのエンジンの特徴は、シリンダーヘッドに取り付けられている点火プラグ及び原動機と同期して高圧電流を供給するための電気機器(例えば、磁石発電機、コイル及び断続器)を有することである。
最も一般的な型式のものでは、燃料と空気は、ピストンの吸気行程でシリンダー内に吸入される前に、例えば、気化器において混合される。しかし、例えば、ある種の航空機用内燃機関又は自動車用内燃機関においては、燃料がインゼクターにより直接シリンダーヘッド内に送り込まれる最も一般的な燃料はガソリンであるが、その他灯油、アルコール、水素、石炭ガス、メタン等がある。
ガス機関にしばしばガスを供給する発生炉ガス発生機は、ガス機関と一体構造である場合もあるが、独立している場合が多い。後者の場合には、ガス発生機は常に 84.05 項に属する。

これらの内燃機関は 1 個又は数個のシリンダーを有している。数個のシリンダーを有する場合には、コネクティングロッドは一本のクランクシャフトに連結され、シリンダーは、それぞれ独立して給気されているが、異なった方向(例えば、垂直方向のもの(直立又は倒立のもの)、2 列が対称的に傾いて対向しているもの(V型の内燃機関)、クランクシャフトの反対側に水平に対向しているもの及びある種の航空機用内燃機関のような放射状のもの)に配列されている。ロータリーエンジン(ワンケルエンジン)は上記の従来のピストンエンジンと同じ原理で作動するが、ピストンとコネクティングロッドの往復運動によりクランクシャフトを回転させる代わりに、特殊形状(エピトロコイド)の燃焼室内にある三角形のローター(ピストンに相当)が駆動軸を直接回転させるものである。ピストン(ローター)は、燃焼室内部をいくつかの区画に分割し、各突出部の 1 回の回転がそれぞれ 4 行程の 1 サイクルに対応する。ロータリーエンジンにはピストン(ローター)を有する燃焼室が 1 以上ある。
この項の内燃機関は、非常に多くの用途(例えば、農業機械用、発電機、ポンプ又は圧縮機の駆動用、航空機、自動車、オートバイ、原動機付き自転車、トラクター又はボートの推進用又は駆動用)に適している。
また、この項の内燃機関には燃料噴射ポンプ、点火装置、燃料又は油の貯蔵装置、水のラジエーター、油の冷却器、水用、油用又は燃料用のポンプ、送風機、空気又は油のろ過機、クラッチ又は動力取出装置及び始動装置(電気式その他のもの)を取り付けたものがあり、また、変速歯車を取り付けたものもある。更にフレキシブルシャフトを取り付けたものもある。
この項には、船外機を含む。これは、小型舟艇の推進用のもので、この項の内燃機関、スクリュー及び操舵装置が一つの不可分なユニットになったものである。この原動機は、ボートの船体の外側に取り付けられるように設計されていて、取外しが可能(すなわち、着脱が容易で調節ができ、ユニットは取付具の 1 点で回転する。)である。ただし、船体外側の対応する場所に固定された操舵プロペラの支持台と結合されて、船体後部の内側に取り付けられるように設計された原動機は船外機とは見なさない。
この項には、また、車輪式車台又はころに内燃機関を取り付けた移動式の原動機(ある程度まで自走することができるような駆動装置を有するものを含むが、87 類の車両を構成するものを含まない。)を含む。

この項には、圧縮比可変型のピストン式火花点火内燃機関で、原動機用燃料のオクタン価又はセタン価の測定のために特に設計したもの(90 類)を含まない。

部 分 品
部分品の所属に関する一般的規定(16 部の総説参照)によりその所属を決定する場合を除くほか、この項のエンジンの部分品は、84.09 項に属する。

号の解説
8407.10
「航空機用エンジン」とは、プロペラ又はローターが取り付けられるように設計又は改修されたエンジンを言う。

8407.31、8407.32、8407.33 及び 8407.34
シリンダー付きエンジンにおいて、シリンダー容積とは、上死点と下死点との間のシリンダー内でのピストンの行程容積にシリンダーの数を乗じた値である。


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