関税率表 第30.04項(抜粋)

第 30 類 医療用品

30.04 医薬品(混合し又は混合してない物品から成る治療用又は予防用のもので、投与量にしたもの(経皮投与剤の形状にしたものを含む。)又は小売用の形状若しくは包装にしたものに限るものとし、第 30.02 項、第 30.05 項又は第 30.06 項の物品を除く。)
3004.10-ペニシリン若しくはその誘導体(ペニシラン酸構造を有するものに限る。)又はストレプトマイシン若しくはその誘導体を含有するもの
3004.20-その他のもの(抗生物質を含有するものに限る。)
-その他のもの(第 29.37 項のホルモンその他の物質を含有するものに限る。)
3004.31--インスリンを含有するもの
3004.32--コルチコステロイドホルモン又はその誘導体若しくは構造類似物を含有するもの
3004.39--その他のもの
-その他のもの(アルカロイド又はその誘導体を含有するものに限る。)
3004.41--エフェドリン又はその塩を含有するもの
3004.42--プソイドエフェドリン(INN)又はその塩を含有するもの
3004.43--ノルエフェドリン又はその塩を含有するもの
3004.49--その他のもの
3004.50-その他のもの(第 29.36 項のビタミンその他の物質を含有するものに限る。)
3004.60-その他のもの(この類の号注2の抗マラリア有効成分を含有するものに限る。)
3004.90-その他のもの

この項には、混合した物品又は混合してない物品から成る医薬品で、次の(a)又は(b)に該当する物品を含む。
(a)投与量又は投与量の形にしたもの:治療用又は予防用に、あらかじめそのまま投薬し得る分量に小分けしてあるもの。これらは、タブレット剤、アンプル剤(例えば、1.25~10 ミリリットルのアンプルに入った再蒸留水で、ある種の病気(例えばアルコール中毒、糖尿病昏睡)の治療に直接使用するもの又は注射液の調製のために溶剤として使用するもの)、カプセル剤、カシェ剤、ドロップ剤若しくは香剤、経皮投与剤又は少量の粉剤の形にしてある。
この項にはまた経皮投与剤で、一般に、患者の皮膚に直接貼る接着性のパッチ(通常長方形又は円形)の形状に成っているものも含む。有効物質は、皮膚と接触する面が、多孔性のメンブレンによって覆われている保留剤中に含まれている。保留剤から放出された有効物質は、分子拡散によって皮膚を通して吸収され、直に血流中に送られることとなる。この経皮投与剤は、30.05 項の医療用のばんそうこうと混同してはならない。
この項には、1回の投与量にしたものを含む(ばら荷のもの小売用の包装にしたもの等であるかないかを問わない。)。
(b)治療又は予防を目的として小売用の包装にしたもの:ここには再包装することなく、治療又は予防を目的として使用者(個人、病院等)にそのまま販売するものであることが、その包装状態及び、特に、それにふさわしい表示(適応症、使用条件、用法、用量等の記載)の存在によって明らかに確認し得るもの(例えば、重炭酸ソーダ及びタマリンドの粉)を含む。
上記の表示(言語のいかんを問わない。)は、ラベル、説明書その他の方法により行っていることが多い。ただし、単に医薬の表示又は他に純度が表示されているということだけでは、この項に分類することにはならない。
他方、上記の表示がなくても、混合してない物品は、治療用又は予防用に供するため特殊な形状にしていることが明らかな場合には、その治療又は予防を目的として小売用にしたものと認める。
治療用又は予防用に混合した物品から成る医薬品で、投与量にしてないもの又は小売用の形状若しくは包装にしてないものは、30.03 項に属する(30.03 の解説参照。)。
類注3の規定により、次の物品は混合してないものとみなす。
(1)混合してないものの水溶液
(2)28 類又は 29 類のすべての物品。これらの物品には、コロイド硫黄及び過酸化水素の安定化溶液を含む。
(3)13.02 項の単一の植物性エキスで、単に標準化したもの及び溶媒に溶かしたもの(13.02 の解説参照)
ただし、28.43 項から 28.46 項及び 28.52 項の混合してない物品は、たとえ上記(a)又は(b)の要件を満たした場合であっても、常に 30.04 項からは除外されることに注意する必要がある。
例えば、コロイド銀は、投与量にし又は包装して医薬品として指示された場合であっても、なお28.43 項に属する。

この項には、医療の目的のみに適する香剤、タブレット剤、ドロップ剤等(例えば、硫黄、木炭、四ほう酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、塩素酸カリウム又はマグネシウムを主薬とするもの)を含む。
ただし、のど用香剤又はせき止めドロップ剤として作られている調製品で、砂糖(ゼラチン、でん粉、小麦粉その他の食用品を含有するかしないかを問わない。)と芳香剤(ベンジルアルコール、メントール、1,8-シネオール、トルーバルサム等の医薬の性質をあわせもつ物質を含む。)とを主体とするものは、17.04 項に属する。のど用香剤又はせき止めドロップ剤で芳香剤以外の医薬の性質を持っている物質を含有しているものは、投与量又は小売用の形態若しくは包装になっている場合には、各香剤又はドロップ剤中のこれらの物質の割合が治療又は予防の用途に適する程度のものである場合に限りこの項に属する。
上記(a)又は(b)の要件を満たしている限り、次の物品もこの項に含む。
(1)カチオン活性を有する有機界面活性剤及びその調製品(例えば、第四アンモニウム塩)で、防腐、消毒又は殺菌の性能を有するもの
(2)ポリ(ビニルピロリドン)よう素(Poly(vinyl pyrrolidone)-iodine)(よう素とポリ(ビニルピロリドン)の反応生成物)
(3)医療用硫酸カルシウムから成るような、折れた骨の空洞に注入され、自然に吸収され、骨の組織に置き換えられる移植用骨片代用品(bone graft substitute);これらの物品は、新しい骨が成長するにつれて吸収される結晶性の基質を供給する。
しかし、この項には、通常硬化剤(curing agent)及び活性化剤を含有し、例えば、歯科用インプラントを残存する骨に取り付けるために使用される接骨用セメントを含まない(30.06 項)。

この項の表題の規定は、食餌療法用の食料、強化食料、強壮飲料、天然又は人工の鉱水その他の飲食物には適用しない。これらの物品は、本来、栄養物質のみを含有する調製食料品とみなされる場合それぞれに適合した各項に属する。
食品中の主要栄養物質は、たんぱく質、炭水化物及び脂肪である。ビタミン及び無機塩も一部栄養上役割を果たす。
また、同様に、医薬物質を含有する飲食物は、これらの医薬物質が単に食餌療法上のバランスを改善するため、その物品のエネルギー賦与上若しくは栄養上の価値を高めるため、又はその風味を改良するために添加されたものであれば、その物品が本来の飲食物の性格を保有している限り、この項から除く。
更に、植物又はその部分の混合物から成る物品及び植物又はその部分とその他の物質との混合物から成る物品で、ハーブの煎じ液又はハーブ茶(例えば、緩下、瀉下、利尿又は駆風の効能がある。)を作るために使用され、かつ、病気の症状を緩和し、又は一般的な健康に寄与すると称されているものもこの項から除かれる(21.06)。
更に、この項には一般的な健康の維持を目的として作られたビタミン類又は無機塩を含有する食餌補助剤で、特定の病気の予防用又は治療用に供する旨の表示のないものを含まない。これらの物品は一般に液状(粉状又はタブレット状にする場合もある。)を呈し、通常、21.06 項又は 22類に属する。
他方、この項には、中に入っている飲食物が単に医薬物質のための支持物、賦型剤(ビヒクル)又は甘味剤(例えば、摂取を容易にするため)の役割を果たすに過ぎないような調製品を含む。

この項には、次の物品を含まない。
(a)蛇又は蜂の毒液で、医薬品の状態にしてないもの(30.01)
(b)30.02 項、30.05 項又は 30.06 項の物品(医薬品の状態にしたものを含む。)
(c)精油のアキュアスディスチレート又はアキュアスソリューション並びに 33.03 項から 33.07項までの調製品(治療用又は予防用のものを含む。)(33 類)
(d)薬用せっけん(医薬品の状態にしたものを含む。)(34.01)
(e)38.08 項の殺虫剤、消毒剤等で、医薬品として内用又は外用するのに適した状態にしてないもの
(f)喫煙者の禁煙補助用の調製品(例えば、錠剤、チューインガム及びパッチ(経皮投与剤))(21.06 又は 38.24)


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