関税率表 第25.30項
第 25 類 塩、硫黄、土石類、プラスター、石灰及びセメント
25.30 鉱物(他の項に該当するものを除く。)
2530.10-蛭(ひる)石、真珠岩及び緑泥岩(膨脹させてないものに限る。)
2530.20-キーゼル石及び瀉(しゃ)利塩(天然の硫酸マグネシウム)
2530.90-その他のもの
(A)アースカラー(焼いてあるかないか又は相互に
混合してあるかないかを問わない。)及び天然の雲母酸化鉄
ここに属するアースカラー(earth colours)は、通常白色又は着色した鉱物質物質(特に酸化鉄)と混合した天然に産出する粘土であり、その着色性により一般に顔料として使用する。
これらには、次の物品を含む。
(1)オーカー(ochres)(黄色、かっ色、赤色、スパニッシュレッド等)
(2)シェーナ(siennas)(イタリアンシェーナ(黄かっ色)、焼いたシェーナ(橙かっ色)等)
(3)アンバー(umbers)(焼いたアンバーを含む。)(かっ色又は暗かっ色である。)
(4)ブラックアース(black earths)及び天然ヴァンダイクブラウン(vandyke brown)(Cassel及び Cologne earths)。可溶性のヴァンダイクブラウンは 32.06 項に属する一種の調製顔料である。
(5)ヴェロナアース(verona earths)及びサイプラスアース(Cyprus earths)(緑色)。焼くこと又は種々のアースカラーを相互に混合することは、それらの分類に影響を与えない。ただし、他の物質を混合したもの又は水、油等への分散状態で提示するものは、32 類に属する。
この項には、鉄鉱(26.01)及び三酸化二鉄(Fe2O3)として計算した化合鉄分が全重量の 70%以上のアースカラーは含まない(28.21)。
ただし、主として防錆顔料として使用する雲母酸化鉄(micaceous iron oxides)は、もともと化合鉄分が全重量の 70%を超えているのでこの項に属する。
(B)海泡石(磨いてあるかないかを問わない。)、こはく並びに板状、棒状その他これらに類する形状に凝結したこはく及び海泡石(成形後に加工したものを除く。)並びに黒玉
(1)天然海泡石(natural meerschaum)は、非常に軽く、白色、黄色、灰色又は桃色の多孔質含水けい酸マグネシウムで、ほとんど小アジア地方に限って産出する。通常小片(面が 30 センチメートルを超えるものはほとんどない。)として得られる。外観を良くし、品位を高めるために予備的に洗浄し、けずり落とし、wool polishing し、乾燥し(日光又は炉内)、次いでフランネル及びワックスで磨く。
凝結した海泡石は、天然の海泡石の削りくずその他のくずを加熱下で、結合剤(油、みょうばん等)を使用して凝結して得られる。このうち、板状、棒状その他これらに類する形状で成形後に加工してないもののみがこの項に属する。
(2)こはく(amber)は、化石化した樹脂である(“succinite”又は“karabe”としても知られる。)。一般に色は黄色から濃いオレンジ色の色調をもつ。鯨の分泌物で 05.10 項に属するアンバーグリスとこはく(amber 又は succinite)を混同しないように注意しなければならない。
凝結したこはく(又は ambroid)は、こはくくずを凝結することにより形成される不透明な鉱物質である。このうち、板状、棒状その他これらに類する形状で成形後に加工してないもののみがこの項に属する。
(3)黒玉(jet)は、亜炭の一種で、硬くち密であり、濃黒色を呈し、また容易に彫刻でき、磨けば光沢がでる。装身具の製造に使用するが、この表においては貴石とはみなさない。
(C)ストロンチアナイト(焼いてあるかないかを問わないものとし、
酸化ストロンチウムを除く。)
ここには、ストロンチアナイト(strontianite、天然の炭酸ストロンチウム)及び不純な酸化ストロンチウムを主成分とする焼いたストロンチアナイトを含む。
この項には、精製した酸化ストロンチウムを含まない(28.16)。
(D)鉱物(他の項に該当するものを除く。)及び陶磁製品の破片
ここには、次の物品を含む。
(1)天然の硫化砒素:主なものは次の2種類である。
(i)鶏冠石(realgar):これは二硫化砒素で、明赤色を呈し、花火の製造に使用する。
(ⅱ)雄黄(orpiment):これは三硫化砒素で、明黄色を呈し、ペイントの製造に使用する。
硫砒鉄鉱(mispickel、arsenical pyrites 又は iron thioarsenide)もこの項に属する。
(2)みょうばん石(alunite):みょうばんの製造に使用するので alumstone とも呼ばれる。石状の物質で、赤灰色又は黄色を呈し、指を汚す。
(3)蛭(ひる)石(vermiculite):雲母に類似する鉱物で、色も類似しているが、通常雲母より小さな片状である。更に、緑泥岩(chlorites)及び真珠岩(perlite)は、蛭(ひる)石に化学的に類似する鉱物である。これらの鉱物は、加熱すると膨脹するので断熱材に使用する。ただし、膨脹したもの(又ははく離したもの)は、68.06 項に属する。
(4)リジアス石(lydite):非常に硬く、きめの粗い又は微細の組織で、均一な粒状の黒色の岩石で、酸に侵されない。リジアス石製の試金石(touchstones)(例えば、貴金属検査用)は68.15 項に属する。
(5)天青石(celestite、天然の硫酸ストロンチウム):霰(あられ)石(aragonite)又は方解石(Iceland spar、calcite)(結晶化した炭酸カルシウム):リチウム雲母(lepidolite 又は lithium mica)(けいふっ化アルミン酸のカリウム塩及びリチウム塩):鈍重石(amblygonite)(りん酸アルミニウム・ふっ化リチウム)
(6)庭土(Garden earth)、沼地土(heath earth、marsh earth)、泥灰石(marl)、沖積土(alluvium)、腐葉土(leaf moulds)、掘削土(excavated soil)及び下層土(subsoil):農業又は造園に使用するが、31 類(肥料)には分類しない(自然の状態において少量の窒素、りん又はカリウムを含んでいるかいないかを問わない。)。ただし、この項には、全ての種類の掘削された天然の砂を含まない(25.05)。
(7)ポゾランアース(pozzolana earths)、サントリンアース(santorin earths)、トラスアース(trass earths)及びこれらに類するアース:セメントの製造に使用するので天然セメントとも呼ばれる。
(8)粗製の石灰石(limestone):「リソグラフィックストーン(lithographic stone)」として知られ、印刷工業に使用する。
(9)陶磁製品、れんが及びコンクリートの破片
(10)希土類金属鉱石(例えば、bastnasite、xenotime、gadolinite):ただし、専ら又は主としてウラン又はトリウムの採取に使用するモナズ石(monazites)その他の鉱石を含まない(26.12)。
(11)ほうろう仕上げに使用する乳白剤:ジルコンサンドの処理(塩酸による精製及び微粒子化)により得られる。
(12)輝水鉛鉱の「精鉱」(molybdenite“concentrates”):微量の油及び水を除去するためにある種の物理的処理(例えば、洗浄、粉砕、浮遊選鉱)及び熱処理(焼成以外の処理)によってモリブデン鉱から得られる。冶(や)金以外の用途(潤滑用)に使用する。
(13)エンスータイト(nsutite):酸化マンガンの含有量が全重量の 79%以上のマンガン鉱で、冶(や)金工業におけるマンガン採取用には供されず、電池に使用する。
(14)天然の氷晶石(cryolite):主としてグリーンランドに産出し、雪白色(着色したものもある。)で、光沢を有し、ほとんど透明である。フラックスとして、特にアルミニウムの電気製錬に使用する。天然のチオライト(chiolite)は、氷晶石と同様にフロオロアルミン酸ナトリウムとみなすことができる。この項には、氷晶石及びチオライトに類似した組成の化学的に製造したふっ化物を含まない(28.26)。
この項には、71 類の貴石及び半貴石を含まない。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?