関税率表 第64.01項

第 64 類 履物及びゲートルその他これに類する物品並びにこれらの部分品

64.01 防水性の履物(本底及び甲がゴム製又はプラスチック製のものに限るものとし、縫合、リベット締め、くぎ打ち、ねじ締め、プラグ止めその他これらに類する方法により甲を底に固定し又は組み立てたものを除く。)
6401.10-履物(保護用の金属製トーキャップを有するものに限る。)
-その他の履物
6401.92--くるぶしを覆うもの(ひざを覆うものを除く。)
6401.99--その他のもの

この項には、防水性の履物のうち、本底及び甲(総説(C)及び(D)参照)がゴム(40 類注1に規定されたものに限る。)製、プラスチック製又は肉眼により判別できる程度のゴム若しくはプラスチックの外面層を有する紡織用繊維のもの(類注3(a)参照)であって、この項に掲名されている方法により甲を底に固定し又は組み立てたもの以外のものを含む。
この項には、水その他の液体の浸透を防止するために製造された履物を含み、特に、ある種のスノーブーツ、ガロシュ、オーバーシューズ及びスキー靴を含む。
この項に規定されている材料の一つを一部に、もう一つの材料をその他の部分に使用して製造された履物(例えば、本底はゴム製で、甲は肉眼により判別できる程度(この場合において、プラスチックの外面層を有する結果生ずる色彩の変化を考慮しない。)のプラスチックの外面層を有する紡織用繊維製のもの)であってもこの項に含まれる。
この項には、次のいずれかの方法により、製造された履物を含む。
(1)圧縮成型法
この方法では、しん(場合によっては、裏張りとなる紡織用繊維の「靴下」で包まれている。)を予備成形品又は粒状の材料とともに成形用の型に詰める。
成型は、成形用の型を閉じ、プレスの熱盤の間に置きそれを高温度に加熱する。
熱の影響により、予備成形品又は粒状の材料は、ある程度の粘度を有するようになり、しん型と成形用の型の間の空間を満たし余分の材料は、成形用の逃し口から排出される。その後、材料は、加硫硬化(ゴムの場合)又は膠質化(ポリ(塩化ビニル)の場合)する。
成型行程が終わると、成形用の型から靴を取り出し、しんを取り外す。
(2)射出成型法
この方法は、圧縮成型法に類似したものである。異なる点は、圧縮成型法では、予備成形品又は粒状の材料を使用するのに対し、この方法では、成形用の型に注入するのに必要な粘度を与えるため予熱した、ゴムベース又はポリ(塩化ビニル)ベースの混合物が使用される。
(3)スラッシュ成型法
この方法では、ポリ(塩化ビニル)又はポリスチレンのペーストは膠質化した完全な被覆物を形成するために成形用の型に注入される。余分な材料は、逃し口から成形用の型の外に排出される。
(4)回転成型法
この方法は、スラッシュ成型法に類似したものであるが、密閉した成形用の型内でペーストが回転しながら被覆物を形成するという点がスラッシュ成型法と異なる。
(5)ディップ成型法
この方法は、ペーストの中に加熱した成形用の型を浸すものである(この方法は、靴産業では、まれにしか行われていない。)。
(6)加硫硬化による組立て
この方法は、原料(通常、ゴム又は熱可塑性プラスチック)を硫黄の粉で調製し、圧延してシート状のものを作る。このシートは、本底及び甲の各種部分品(つま革、腰革、カウンター、つま先等)の形にカットする(つや出しすることもある。)。この部分品は、素材が粘着性を持つ程度に加熱し、靴型(その型は、履物の型と一致する)のうえに組み合せて行く。
組み合せた履物は、靴型に押しつけて圧着、加硫硬化する。この方法により製造された靴は、業界では、「built-up footwear」の名で呼ばれる。
(7)接着及び加硫硬化
この方法は、事前に組み立てた甲に、ゴム製の本底及びヒールを一回の作業で成型し硬化させるものである。底は、加硫硬化した接合剤により、甲にしっかりと固着する。
(8)高周波溶着
この方法は、接合剤を使用することなく、熱と圧力により材料を接着するものである。
(9)接合
この方法は、事前に成型され又はシートからカットされた底を、接着材を使用し、加圧、放置乾燥して甲に接着するものである。加熱時に加圧することもあるが底の材料は、甲に取り付ける前に、最終的な形状になっており、この作業工程中に底の物理的な特性が変わるものではない。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?