関税率表の解釈に関する通則 通則1

部、類及び節の表題は、単に参照上の便宜のために設けたものである。この表の適用に当たっては、物品の所属は、項の規定及びこれに関係する部又は類の注の規定に従い、かつ、これらの項又は注に別段の定めがある場合を除くほか、次の原則に定めるところに従って決定する。

解 説
(Ⅰ)この表は、国際貿易で取引される物品を系統的な形式で配列している。この表は、これらの物品を部、類及び節に区分し、それぞれにできるだけ簡明な表題を付し、そこに含まれる物品の範ちゅう又は種類を示すものである。しかしながら、多くの場合、部及び類に含まれる物品が多様かつ多数であるため、これらの物品をすべて表題に含めることも、また、特定して列挙することも不可能である。
(Ⅱ)そのため、通則1において、冒頭で、部、類及び節の表題は「単に参照上の便宜のために設けたものである」ことを明らかにした。したがって、これらの表題は、所属に関して法的な性格を有するものではない。
(Ⅲ)通則1の後段は、下記により所属を決定すべきことを定めたものである。
(a)項の規定及びこれに関係する部又は類の注の規定に従うこと、及び
(b)項又は注において別段の定めがある場合を除くほか、必要に応じ通則2、3、4又は5の原則に従うこと。
(Ⅳ)上記(Ⅲ)(a)は自明のことであり、多くの物品の所属は関税率表の解釈に関する通則の適用を検討するまでもなく決定される(例えば、生きている馬(01.01)、30 類の注4の医療用品(30.06))。
(Ⅴ)上記(Ⅲ)(b)において、
(a)「項又は注において別段の定めがある場合を除くほか」という表現は、項の規定(4桁の記載、以下同じ。)及びこれに関係する部又は類の注の規定が最優先の規定であり、所属の決定を行う上で最初に考慮すべきことを明確にするために設けられたものである。例えば、31 類(肥料)の注では、この類の項の中には特定の物品のみを含める項があることを定めている。したがって、これらの項の範囲を拡大して、通則2(b)の規定を適用すればこれらの項に含まれることとなるような物品までを含めることはできない。
(b)「通則2、3、4又は5の原則に従う」という表現において、通則2についての記載は、通則2(a)の規定が満たされており、かつ項又は注に別段の定めがない場合には、次の物品は、完成した物品としてその所属が決定されることをいう。
(1)提示の際に未完成の物品(例えば、サドル及びタイヤを有しない自転車)
(2)提示の際に組み立ててない物品及び分解してある物品(例えば、組み立てていない又は分解してある自転車で、全ての構成材料が共に提示されるもの)で、その構成材料がそれ自体として(例えば、タイヤ、インナーチューブ)又はそれらの物品の部分品として個々に所属を決定され得るもの

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?