大月書店通信* 第125号(2019/6/28)
「大月書店通信」第125号をお届けいたします。
今国会で「日本語教育支援法」が成立しました。入管法の改正もあり、今後ますます外国人労働者の増加が見込まれる中、長年放置されてきた子ども世代への支援が初めて立法により手当てされることになります。
でも、日本で働く外国人は近年で急に増えたわけではありません。これまでも私たちの目にふれないところで、多くは低賃金の労働力として働き、中には20年、30年と日本で暮らしてきた家族もいます。
そんな家庭で育った子どもはどんな経験をし、何を思うのか。新刊『ふるさとって呼んでもいいですか――6歳で「移民」になった私の物語』は、90年代に来日したイラン人の少女が、さまざまな壁にぶつかりながらも日本で育ち、日本を故郷と思うようになるまでを描いた自伝です。
学校に通えない日々、漢字が読めないことや生活文化の違いから来る戸惑い、アイデンティティの葛藤…など、当事者ならではの視点で、異文化ルーツの子どもたちの悩みと誇りを綴ります。
大月書店noteにて、本書が生まれるまでのいきさつを書いています。
新刊案内『ふるさとって呼んでもいいですか』ほか6月の新刊
6月の新刊です。お近くの書店にてお求めください。
●あなたの身近にもきっといる、小さな「隣人」の体験
『ふるさとって呼んでもいいですか――6歳で「移民」になった私の物語』
ナディ[著] 山口元一[解説] 1,600円(税別)
6歳で来日し、言葉や習慣、制度の壁など逆境の下でも、周囲の援助と家族の絆に支えられ生きてきたイラン人少女の奮闘と成長。移民社会化する日本で、異文化ルーツの子どもたちが直面するリアルを等身大で語った貴重な手記。
☆星野智幸さん(作家)絶賛!!
「30年間、この本の登場を待っていました!」
●『ゲド戦記』の訳者による珠玉のブックガイド
『子どもの本のもつ力――世界と出会える60冊』
清水真砂子[著] 1,600円(税別)
生きるよろこび、人々への信頼――数々の翻訳や児童文学評論で知られる著者が選ぶ、60冊の「子どもの本」。子どもに手渡す本、読みきかせる本を考えたい方々、子どもにかかわる仕事の方々に。
●特集=「天皇交代」とテレビ
『放送レポート』7月号 no. 279 476円(税別)
「天皇交代」とテレビ――「奉祝」と「忖度」の「時代越し」番組たち ●
「公共メディア」NHKの光と影(小田桐誠) ●天安門事件30年――中国「人権・民主・憲政」の挫折(安江伸夫) ほか
●特集=高校教育に何が求められているか
『月刊 クレスコ』7月号 no.220 476円(税別)
安倍「教育再生」は、教育課程の管理統制、2種類のテスト導入によって、高校教育に対する「改革」圧力を強めている。その実態を明らかにし、高校生に本当に必要な教養や、人格形成と進路選択に寄与する学びを考える特集。
話題の本*半藤一利さんの絵本を7月に刊行します!
「戦争だけは絶対にはじめてはいけない」――
日本の戦争に向き合い、戦争の過程を精緻に解明してきた半藤一利さん。その原点は中学2年で体験した東京大空襲でした。
半藤さんの初の絵本『焼けあとのちかい』。大胆な画風で注目を集める絵本作家・塚本やすしさんの絵とともに、その戦争体験が描かれます。小学校中学年以上向け。7月12日刊行予定。お近くの書店で予約できます。
◆半藤一利[文] 塚本やすし[絵]
『焼けあとのちかい』1,500円(税別)
☆すでに紹介記事多数!
『毎日新聞』6月19日付「『戦争だけはいけない 子どもたちに』半藤一利さん、初の反戦絵本」
『通販生活』2019盛夏号「作家 半藤一利さんの『東京大空襲』体験。」
刊行後、関連イベントも予定しています!乞うご期待!
イベント*学習会『市民に選挙をとりもどせ!』
*終了しました
2013年に刊行した『市民に選挙をとりもどせ!』編著者の一人・小沢隆一さんを講師とする学習会。参議院選挙を目前に控えて、日本の選挙制度の問題について知りたい方々に。
日時:6月30日(日)14時~17時
会場:中央大学後楽園キャンパス 理工学部3号館3300教室
主催:日本科学者会議(JSA)東京支部 http://jsa-tokyo.jp//
編集後記
川沿いの散歩は日課でした。ある暑い日を境に浅瀬につかるようになり、かけられる声にシッポを水中から振り上げギャラリーも増えていきました。帰り道は藻や葉などをからませ賑やかな毛色になったものです。家に着き少しキレイにと水をかけるとそれは違うとばかり唸って抵抗…え? さっきまで…。暑くなるとかわいかった愛犬を想い出します。川につかる事は難しいですが今年も涼しい場所を探しながらのりきろうと思います。(MA)