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大月書店通信*第142号(2020/11/26)

「大月書店通信」第142号をお届けいたします。

コロナに始まり、コロナに終わりそうな2020年です。
世界を一変させたパンデミックですが、もうひとつ、遥かにゆっくりとながら確実に世界を変えているものがあります。気候変動(地球温暖化)問題です。
1年前の台風19号の猛威に、従来とは異質なものを感じた方も多かったのではないでしょうか。頻発する豪雨、水害、猛暑、干ばつ……異常気象による被害は遠い将来の話ではなくなってきました。

先のアメリカ大統領選でも気候変動への対処が大きな論点となり、欧州でもコロナ危機からの「グリーン・リカバリー」が論じられています。日本政府もようやく「2050年までの温室効果ガス排出実質ゼロ」を表明しましたが、その達成は容易ではありません。

『ショック・ドクトリン』等の著作で知られる国際的ジャーナリスト、ナオミ・クライン氏は、化石燃料の消費に支えられた資本主義経済そのものが気候変動の原因であると指摘し、その転換には「革命」に等しい強力な民衆運動と、社会構造の大転換が必要だといいます。
今月発売となる新著『地球が燃えている――気候崩壊から人類を救うグリーン・ニューディールの提言』は、この大転換のプロジェクトを壮大なスケールで描きます。

刊行を記念して、著者自身によるオンライン講演会を12月1日に開催します。「イベント」欄にてご案内していますので、ぜひご注目ください。

【新刊案内】『地球が燃えている』ほか11月の新刊

11月の新刊です。お近くの書店にてお求めください。

●気候危機が要請する新しい社会ビジョン――世界的ジャーナリストが提言!
地球が燃えている――気候崩壊から人類を救うグリーン・ニューディールの提言
ナオミ・クライン[著] 中野真紀子、関 房江[訳] 2,600円(税別)
気候変動=温暖化に歯止めがかからなくなるまで、人類に残された時間はあと10年――。化石燃料を使い尽くし、戦争と格差を生み出す略奪型資本主義から脱炭素社会への大転換を可能にする「グリーン・ニューディール」政策の具体的ビジョンを示した、全人類必読の書。

ナオミ・クラインの作品はいつも感動的で進むべき道を教えてくれます。
この気候危機の時代のできごとを克明に記録し、世代をまたいで刺激を与え続けています。
――グレタ・トゥーンベリ(環境活動家)

気候崩壊は新たなショック・ドクトリンとエコファシズムを生み、さらには文明を崩壊させる。
だからこそ、資本主義に終止符を打ち、脱成長型経済をめざすグリーン・ニューディールが必要だ。
「社会主義か、絶滅か」。これは、かつてないほどラディカル化したナオミ・クラインによる革命の書だ!
――斎藤幸平(経済思想家、『未来への大分岐』『人新世の「資本論」』著者)

試し読みできます

●《シリーズ刊行開始》年中行事や日々の暮らしに息づく文様を紹介
日本の伝統文様をさがそう 1 季節を感じる文様
熊谷博人[文・絵] 3,000円(税別)
日本には、豊かな四季や自然を細やかに感じとって表現した伝統文様がたくさんあります。初詣、海水浴、紅葉狩り、雪遊び、五節句など、年中行事や日々の暮らしに息づく季節の文様を紹介します。ユニークな文字文様も収録。

●SDGs、きちんと知っていますか?
人権と自然をまもる法ときまり 3 自然と環境をまもるきまり
笹本 潤[法律監修] 藤田千枝[編] 新美景子[著] 2,200円(税別)
きれいな空気や水、豊かな森をまもるきまりがあります。法律でまもられている動物たちがいます。農地や干潟をまもる法律、プラスチックごみを減らす法律、そして地球環境をまもり、持続可能な社会をめざす共同目標などを解説。

●「世界の工場」から「世界の市場」への転換
グローバル東アジア資本主義のアポリア――日韓中台の「農村」的領域から考える
加藤光一[著] 6,000円(税別)
「農村」的領域から日・中・韓・台の賃労働・雇用関係、土地所有=土地問題を具体的に俯瞰していく。そこから「世界の工場」から「世界の市場」への転換と大きく変貌させている東アジア資本主義のグローバル化をみていく。

試し読みできます

●特集=インクルーシブ教育――「共に学ぶ」を考える
月刊 クレスコ』12月号 no.237 500円(税別)
「インクルーシブ教育」は、「障害のある子が通常学級で学ぶこと」とイコールではない。一人ひとりの成長・発達を保障し、障害のある子とない子が真の意味で「共に学ぶ」ことのできる、本来のインクルーシブ教育を考える特集。

【イベント】ナオミ・クラインさん ご本人登場! ウェブ講演 ほか

★ナオミ・クラインさん ご本人登場!『地球が燃えている』出版記念企画★

11月新刊『地球が燃えている――気候崩壊から人類を救うグリーン・ニューディールの提言』の著者ナオミ・クラインさんのウェブ講演です。

本書出版を記念して、特定非営利活動法人 気候ネットワークさんの主催によ
り実現することとなりました!

日時:2020年12月1日(火)13:00~14:10(Zoom開場12:45)
Zoomを用いたオンラインセミナー方式(定員1000名・先着順)
日本語・英語 同時通訳あり
参加費:無料

☆事前申し込みが必要です。下記からお申し込みください。

主催:特定非営利活動法人 気候ネットワーク
協力:株式会社 大月書店

お問い合わせは気候ネットワーク京都事務所様にお願いいたします。

★ 『これからの男の子たちへ』出版記念イベント ★

8月に刊行し、早くも1万部を突破した『これからの男の子たちへ――「男らしさ」から自由になるためのレッスン』。

前号でもご案内したとおり、著者の太田啓子さん(弁護士)と、本書にも登場する清田隆之さん(桃山商事代表)のトークイベントが開催されます。

※会場参加は定員に達しました。オンライン参加のみ、お申し込み可能です。

男たちは変われるか?~「俺たち」から「これからの男の子」たちへ~

日時:2020年12月11日(金)18時30分 開演
参加費:1,000円

☆詳細・お申込みは下記からお願いいたします。

主催:Readin’Writin‘ BOOKSTORE

☆お問い合わせは Readin’Writin‘ BOOKSTORE様にお願いいたします。

【お知らせ】「気候変動と資本主義を考える」ブックフェア

ナオミ・クライン『地球が燃えている』の刊行を記念して、堀之内出版さんとの共同ブックフェアを開催します。

ナオミ・クラインの著作を中心に、気候変動を資本主義そのものの問題として理解するための30冊超をセレクト。次の3店舗にて順次スタートします。

東京堂書店(東京都千代田区神保町)11月20日(金)~

くまざわ書店 武蔵小金井北口店(東京都小金井市)11月25日(水)~

ときわ書房 志津ステーションビル店(千葉県佐倉市)12月1日(火)~

☆開催情報などは下記のページをご参照ください(随時更新していきます)。

『人新世の「資本論」』などの著作で注目される若手思想家・斎藤幸平さんと星野真志さん(ナオミ・クライン『楽園をめぐる闘い』訳者)の対談を収録した豪華冊子も店頭で無料配布します! ぜひ店頭でお手にとってみてください。

【編集後記】

作曲家の筒美京平さんが先月亡くなった。昭和~平成を代表する職業作家であることは今更語るまでもないだろう。先日テレビで放送された「筒美特集」の番組を視聴したのだが、時代ごとの流行の先端を捉えながらも、歌い手のことを意識して作曲をするという姿勢には今更ながら驚かされた。過去のインタビュー記事を読むと、「ヒット曲を生み出すこと」に強いこだわりがあったように感じる。それは市場におけるコンテンツメーカーとしての矜持なのだろう。
業界のトップランナーでありながら、常に視野を広く持つ。その姿勢を見習いたいものである。(S.S)

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