大塚ぐみ

エッセイスト|食・日常系エッセイ|ママ友への憧れを拗らせた、東京の端っこ在住のO型|7歳5歳男子と2歳女子のママ|食の仕事歴11年目|味噌汁が好き|

大塚ぐみ

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  • 【連載】召ませ、朝ごはん

    食いしん坊3児ママによる、朝ごはんエッセイ。 おいしさも栄養も作る楽しみも全部叶える、執念の朝ごはん。

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お風呂クリーニングをお願いしたら、壺を買わされていた話

壺を買わされたことはあるだろうか。 私は、ある。 それも、一度や二度ではない。 そもそも、家系的に壺買わされ体質なのである。 聞くところによると、会ったことのない曽祖父は、天皇家の賀席で腕を振うほどの料理人だったらしい。しかし、借金の肩代わりをした友人が行方不明になり、店を畳んだと聞いている。 祖父はオレオレ詐欺で300万円ほどを失っているし、実家を見れば、子の教育のためにと注ぎ込んだ愛の化石が、そこかしこに散らかっている。 スタイルこそ違えど、代々さまざまな壺を買い

    • 「夫婦」って、白髪かもしれない。

      偽装結婚をしていたことがある。 20代前半の頃の話だ。 いい夫婦の日(11/22)が近づくと、いつもあの「完璧でぎこちない日々」を思い出す。実態がない、ニセモノ夫婦。本物の結婚もしたけれど、夫婦の実態っていうのは、とても不思議だ。 === 偽装結婚の相手は、田辺という大学時代の友人だった。卒業間近、ひょんなことから、田辺を含む3人で一緒に暮らす話が持ち上がった。 「住むの、この家にしようぜ!」 ある日、田辺から興奮した声呼び出され、私たちはチェーン店のカフェで賃貸情

      • 【6皿目】 朝を救う、アンパンマンと鯖缶のカレートースト

        食卓に新風を巻き起こしてくれるのは、いつだってストック棚の住人たちだ。 「そのうち使うかも」「とりあえず買っておこう」と、棚の奥に押しやられたまま忘れていたのに、急に思考に飛び込んできて、そのまま鮮やかな着地を決めてくれる。 今朝はそれが、鯖缶とアンパンマンカレーだった。 朝は米派(主におにぎり)なのだが、その日は珍しく食パンがキッチンに鎮座していた。食パンを食べるときは、たいていおかず系のトーストにする。 刻み海苔を散らして、しらすトースト。 ツナマヨトーストに、ピ

        • 家事が消えた日

          「家事」が家出したかもしれない。 家事について考えてみたら、自分の生活から消えていた。掃除、炊事、洗濯、買い物、日々こなしているはずの名もなき作業たちが、どこにも見当たらない。 考えようとすると、概念にヒュルリと逃げられてしまって、尻尾がつかめない。家事は空気。家事は気配。家事は幻——? いったい、いつ消えたのだろう。 数年前までは、確かにいた。常に生活の中でふんぞりかえっていて、鬱陶しかった。 家族の人数が増えるたび、ここもあそこもと責任範囲の認識が広がるたび、家

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        記事

          プリキュアごっこへの執念

          執念を燃やしているのは、次男か、私か。 そういう話である。 プリキュアブームがついに、我が家にもきた。 きっかけは、やきいもさんのプリキュア映画の記事だった。 我が家では、帰宅後から夕飯まで、動画お楽しみタイムを設けている。 兄弟全員で仲良く観られるものもあるけれど、年齢も性別も興味の対象も異なるため、チャンネル争いになることも多い。 兄たちが戦闘ものやゲーム実況を好む中、末っ子はディズニーのプリンセス映画を数回に分けて観たり、幼児向けの優良そうなショートアニメなん

          プリキュアごっこへの執念

          母と柑橘

          毎年柑橘の季節になると、実家の母を思い出す。 母はとにかく柑橘好きだ。「柑橘駅伝の監督でしたっけ?」と疑うほどに、全力で旬のリレーの伴走をする。極早生みかんに始まり、冬ははっさく、春には甘夏がたすきをつなぎ、我が家の食卓を駆け抜けていくのだ。 食後、母はどこからともなく季節の「注目選手」を持ち出して、子どもたちの前にスッと差し出す。 「食べる?」 ぶっちゃけ、いらないんだよなぁ。 果物に無関心だった当時の私には、大小さまざまな柑橘はどれも同じに見えた。どうせ食後に食べ

          母と柑橘

          【5皿目】 やっぱり、大根葉ふりかけ

          長男(8歳)が、小さな大根の束をわさわさ持ち帰ってきた。 小指のようなちびっこサイズのものから、しっかりした太っちょまで、ビニール袋(大)にぎっしり入っている。 学校で育てている大根の間引きをしたらしい。不恰好なサイズ感がかわいらしく、ちびっこも太っちょも、総じて立派な葉をつけていた。 これは、ふりかけ祭りだな——。 「先生がね、葉っぱはふりかけにするといいよって言ってた!」 ええ、そうでしょう、そうでしょう。 これはふりかけ一択でしょう。 私は心の中で大小さまざ

          【5皿目】 やっぱり、大根葉ふりかけ

          #5 掃除後のジレンマ

          最近トイレ掃除をさぼっていた。 手を抜いていた期間の蓄積を、最小限の労力で一発逆転したい。 Amazonに泣きついたところ、「ブルーレット さぼったリング 大盛り泡」を薦められた。 商品名が清々しいほどにストレートである。しかも「大盛り泡」ときたもんだ。よくわかんないけど「アンタになら……!」と娘を嫁に出せそうな安心感がある。 3箱セット¥1,101(税込)を秒でポチった。 「さぼったリングができるまでトイレ掃除をさぼるなんて……」と憤慨される方がいるかもしれない。ごも

          #5 掃除後のジレンマ

          【4皿目】 やさぐれた日の、豆腐白玉だんご

          なんとなく気持ちがやさぐれている朝、というものが、きっと誰にでもあるだろう。今朝の私が、そうだった。 体調のせいか、天気のせいか、いつかのモヤモヤが一部しぶとく居座っているのか。理由はわからないけれど、気持ちよく一日をスタートできない。強めのため息で家中の小物が吹き飛びそうだし、吹き飛んだ小物が窓を突き破って下に落ちたとして、歩行者の安否など気にしていられない。 そんな朝は、考えるより先に、手が白玉粉を探してしまう。 朝ごはんに、白玉だんご。 基本属性はおやつ界だけど、

          【4皿目】 やさぐれた日の、豆腐白玉だんご

          【大塚ぐみ】自己紹介・サイトマップ

          大塚ぐみと申します。 来訪ありがとうございます。 名前のことほぼ本名です。登録時にタイプミスをし、一字少なくなってしまったのですが、省エネだし「ま、いっか!」とそのままに。 グミがすごく好きというわけでありませんが、噛めば噛むほど味わいが増していく文章を書きたいと思っています。それでいうと、【大塚するめ】とかに改名した方がいいかもしれない。 生まれとか育ちとか栃木県の宇都宮出身、田舎の方です。芸術教育系の幼稚園や、特別支援学校で美術教師をしていた両親の間に生まれました。

          【大塚ぐみ】自己紹介・サイトマップ

          #4 お弁当の圧力

          保育園のピクニック遠足を心待ちにしている次男(5歳)から、お弁当のリクエストを渡された。 5歳にしては、非常に具体的で、洗練されたリクエストである。 元々は、 「サンドイッチは卵とハムのやつで、あとハンバーガーと、昆布おにぎりと、ウインナーが入ったパイみたいなのと、りんごと柿とマスカットと……」 という感じのリクエストだったので、どうしたものかと頭を抱えていたのだが、長男(8歳)に「いや多すぎだろ」「野菜とかバランス考えろ」「数も具体的に」とつっこまれ、何度か修正をし

          #4 お弁当の圧力

          田代島でぐちゃぐちゃに泣いた夜

          猫たちの楽園で、私は途方に暮れていた。 もっと言えば、飢えていた。 食料も、今夜泊まる場所も、なにもない。雨の中、ひとりぼっちで、味わいたくもない絶望を感じていた。 だけどこれは、私の人生を照らしてくれた、旅の希望の話なのである。 いつかしてみたいと思っていた東北巡りの一人旅を、いつかではなく今しよう! と、ふと思い立ったのは、大学卒業直後のことだ。 心が、限界だった。 夢や希望を爆発させた自己と現実の落とし所を見つけられずに、東京の片隅で沈んだまま、身動きが取れな

          田代島でぐちゃぐちゃに泣いた夜

          【ママ研vol.1】LINE一通目に送るべき内容とは?

          私は、悩んでいた。 最初の一歩の方向性に、悩んでいた。 ママ友研究室の連載には、実はすでにエピソードZEROが存在している。 テレビのお料理番組よろしく「LINEの交換」という難題については、すでに下準備をバッチリ済ませてあるのだ。 今まで、圧倒的難関であるLINE交換が目指すべき場所であり、ゴールだった。でも、現実はそこがゴールではない。 受験生は憧れの学校に合格し、プリンセスたちは王子様と結ばれる。 ……で、その後、みんなどうしてるの? とにかく一歩目を踏み出

          【ママ研vol.1】LINE一通目に送るべき内容とは?

          #3 「らしさ」の残骸

          「……その薬の飲み方、あなたらしいね」 食後にキッチンで薬を飲みながら、ふと、伊藤くんに言われたことを思い出した。 ここ最近、久々に体調を崩し、病院でたくさん薬をもらった。抗生物質も出た。これで、せっせと育ててきた腸内のかわいい菌たちも、ごっそり消えてしまう。悲しいけれど、優先すべきは悪い菌の撲滅である。 「……その薬の飲み方、あなたらしいね」と、彼は言ったのだった。 伊藤くんは物知りで腰が低く、歩く知性のような人だ。落としたら床に穴が空きそうなほど重い革ジャンを着て

          #3 「らしさ」の残骸

          【2皿目】 希望のピザトースト

          長男が持ち帰った流行りのマイコプラズマ肺炎をしっかり重症化させ、心も体もしょぼくれる一週間を過ごした。 咳はすぐに日常生活に支障のないレベルまで落ち着いたので、まぁいい。問題は、お口だ。お口の砂漠化が、深刻だった。 うっかり水分補給をおろそかにしたせいで、知らぬうちに脱水症状が進み、気がついたらお口から潤いがきれいサッパリ消えてしまったのだ。 家出宣言もないままに、完全に消息不明。お口よ、特段かわいがってもこなかったけど、そんな「私不幸もの」に育てた覚えはないぞ。 お

          【2皿目】 希望のピザトースト

          #2 1. 0倍速の失恋

          キッチンで経験した恋と、失恋。 あのときめきをくれた相手が誰だったのかは、いまだにわからない。 彼の声との出会いは、3人目(娘)の育休中だった。 妊娠がわかると、夫は「……なるほど」と呟き、数秒後に新居を探しはじめた。 新しい家族を出迎えるために購入した家は、東京の外れにある。部屋から都立公園の森林が見渡せて、季節の変化を目で楽しめるので気に入っている。住んだその日から、狭い1LDKでは叶わなかった広々キッチンが、私の新しい城になった。 真っ先に、大きなオーブンレンジ

          #2 1. 0倍速の失恋