11月に入って

冬が好き、と言うと80%の確率で「え〜」と言われる。
それはきっと「冬の大地」北海道に生まれ住んでいる人たちのコミュニティに存在しているからだろう。

「雪が好きで、寒いのも好きで、イベントもたくさんあるでしょう」とその理由を話した後に、「マンション住み?」と質問をされる確率は、99%。

雪かきをする人間は冬が好きなわけがないという大きな常識がある。大正解。 

11月に入り、半月の感覚で終わった10月に驚きつつも、今年は初めて「秋」というものを感じた気がしている。

北海道は夏が終わると、秋を飛ばして冬になる。例年バタバタ忙しくしているうちに、気づいたら雪が積もっている。

今年は外を歩くことが増えたからか、紅葉と雪虫をたっぷり味わうことができている。紅葉や落ち葉を綺麗と思うたびカメラを向けるが、実際に見た方がずっと色が鮮やかに見える。

イチョウの匂い、何かを燃やしているような煙たさ、ポケットに手を入れたくなる冷たい風、年末年始を待ち侘びる時間

これらが私に秋を感じさせる。

昔から春や秋のような「ちょうどいい季節」を「中途半端」と思っている節があり、イベントも特にない秋を退屈に感じていた。

今年は何もかも余裕がなくて、というより充実していて、退屈だなんて到底思えない。

それを幸せと感じられる人間でよかったと思う。

 

 

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