子供室あり方考
こどもの部屋のあり方を考える。
表題の写真の部屋に、姉妹ふたりの間を
仕切る壁はありません。
小さくても固有の居場所をきちんと
つくって、残りはシェアする。
家族が仲良くするだけで
小さな家は、大きく使えるのです。
・
子供はすぐに大きくなる。
家つくりの際、
この事実に対する解釈は二通り。
だから、
あまり考えなくてもいい。
or
だからこそ、
一緒に過ごせる時間を大切にしよう。
・
後者を実現させるためには…
子供部屋を、大きくしてあげる?
四代目は、そうは思いません。
たとえば、
小さくつくった子供部屋の前に
お父さんもお母さんも、一緒に
物書きできるような勉強部屋
みんなの書斎をつくる。
たとえば、子供部屋は小さくして
その分、みんなが愉しく過ごせるように
リビングを充実させて、様々な居場所をつくる。
大きな子供部屋に子供達がこもって
出てきてくれない。そうならない
そうではない、つくり方が
あってもいいと思うのです。
でも秘密基地にこもりたい気持ちもわかるし
恋人と内緒の電話をしたい気持ちもよくわかる。
だって、私たち大人は、元子供なのだから。
・
子供たちの部屋の在り方を、師匠である建築家
秋山東一が語ってくれたことがあります。
三人の子供を育てあげた経験を元に
優しくて、それでいて雄弁な短い言葉の中に
多くのエッセンスと示唆が詰まっています。
・
子供室考
子供の部屋は、大きくなくていい。
もちろん、均等でなくていい。
大人になったとき、
どこで育ったのか、
わからないくらいがいい。
けれども、泣きたいときに
ひとり泣ける
小さな居場所は
あった方がいい。
秋山東一談
・
秋山先生は言います。
室をつくって、部屋として充てがう
のではなくて、空間をつくればよい。
場所をつくって、居場所として設える
ことができるようにしてあげなさい。
・
そんな師匠の子供室考を旨に、こどもたちの
原風景をつくっているんだという責任と覚悟を
今日も大工さん達とシェアしています。
元こどもの大人たちへ。
未来の大人たちのために。
子供室考でした。