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KUONと大槌刺し子 「自分のためにが誰かのために」
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KUON(クオン)は、古着や古布のもつ歴史や文化を取り入れながらも、その枠にとらわれず、その持ち味を生かしながら、新しいファッションに昇華させたアイテムを次々と発表する、今、最も注目されているブランドの一つです。
KUONの由来は、日本語の「久遠」、「遠い過去または未来」「永遠」。その名前の通り、「襤褸(ぼろ)」と呼ばれる使い古して役に立たなくなってしまったような布やぼろぼろになってしまった布(きれ)、また裂織や刺し子織などの日本の伝統文化を取り入れながら、洋服やバッグなどさまざまな新しいアイテムを世に送り出しています。
KUONと大槌刺し子の出会い One Stitch One Hope
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大槌刺し子との出会いは2013年。当時、まだKUONというブランドはなく、代表の藤原新(ふじわらあらた)さんが「1sin(イッシン)」というブランドを立ち上げ、帽子などを販売されているときでした。
2011年1月、藤原さんは法律家として働きながら、「ファッションビジネスを通じて社会課題の解決に取組む」という志を胸に、「1sin」を立ち上げます。
そんな矢先に東日本大震災が発生しました。もともとファッションを通して、社会課題を解決したいと考えていた藤原さんは、震災後、自ら手がける帽子の縫製を被災地に工場がある業者さんに製作を依頼するなどしていたそうです。
そして、「"自分のために"が"誰かのために"」にもなるようにと、「One Stitch One Hope 刺繍や刺し子を仕事に! ファッションブランド1sinによる復興応援プロジェクト」を立ち上げ、被災地の女性の方々に、シャツへの刺繍や縫製をお願いすることで、自立に向け、末長く続けられる仕事おこしを始められたのです。
震災から1年がたとうとする頃、藤原さんからお声がけいただき、大槌復興刺し子プロジェクトも、このプロジェクトに参加させていただくことになりました。そして、完成した最初の商品が胸元のポケットに麻の葉の刺し子をほどこした「BASIC SHIRT by sashiko」です。
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大槌刺し子のスタッフや刺し子さんたちにとっても大きな一歩になったことは間違いありません。
その後も藤原さんは、ときに大槌町の事務所にも足を運び、刺し子さんとも交流を重ねながら、刺し子ネクタイ、刺し子蝶ネクタイ、上着などを作ってきました。
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蝶ネクタイ
![画像5](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/62946368/picture_pc_7a3e99673a8a052dae0180e945c4ce7f.jpg?width=1200)
ネクタイ NOWAKE
![画像6](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/62946438/picture_pc_2c4247484d8719aa0cb0ea753eca3ff3.jpg?width=1200)
HAORI
KUON誕生
こうして2012年より、大槌刺し子と関係性を築いてきた藤原さんが、2015年に新しいブランド「KUON」を立ち上げることに。最初のサンプル製作を大槌刺し子に依頼してくださったのです。
初めて「KUON」というブランドの話を聞いたとき、江戸時代に使われていた生地をもう一度蘇らせ、新しいファッションとして昇華させるなんて、どんなに素敵だろうと思いました。そして、そこに大槌刺し子が参画できることに喜びを感じました。
初めて大槌刺し子に送られてきた「襤褸」は、本当にボロボロで埃っぽく、これがどうなるのか想像もつきませんでした。
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そんな穴が空いていたり、ぼろぼろになった生地を刺し子さんの手で、ひと針、ひと針、刺し子をほどこし、一枚の生地に補修していきます。
![画像7](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/62955381/picture_pc_20464902e6e19342d5a595bfa9cec052.jpg?width=1200)
そうして補修された襤褸は、KUONのデザイナー石橋真一郎さんの手によって、ジャケットやTシャツ、帽子へと変貌を遂げていきました。
![画像8](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/62955498/picture_pc_2b2baeb6e84997686be3c16300082723.jpeg?width=1200)
藤原さんと石橋さんが完成した刺し子のジャケットを、大槌刺し子の事務所まで持ってきてくださっときには、刺し子さんとただただ驚きました。
![画像9](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/62955517/picture_pc_f45bbfc7c0f34dc9a483623b4cf937fb.jpeg?width=1200)
そして、それ以降一つ一つの商品をともに試行錯誤を続けながら制作させていただいています。
KUONと大槌刺し子の現在
2018年、KUONがTOKYO FASHION WEEKのランウェイに出演されたときには、大槌のスタッフ、そして刺し子さんも招待いただきました。私たちが刺し子をした洋服をモデルさんが身に纏い、ランウェイを歩く姿を見て、とても感動しました。そして、ランウェイの録画映像を大槌刺し子の事務所でも刺し子さんたちと一緒に鑑賞しました。みんな本当に信じられない様子で、自分たちの仕事に誇りを感じることができた瞬間でもありました。
現在も洋服にとどまらず、シーズン毎に新しい商品づくりのお手伝いをさせていただいています。
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コロナ禍の必需品となったマスク生活にも対応したBORO Device Strapは、大槌刺し子の刺し子さんたちの手で一本、一本編み上げています。とても好評をいただいている商品ですが、私たちは10,000本の販売を目指しています!
「"自分のため"にが"誰かのため"に」という藤原さんの思いから出会った、KUONと大槌刺し子。一緒にものづくりを始めてからもうすぐ10年になりますが、これからも益々よきパートナーであり続けることができるように、大槌刺し子も日々研鑽していきたいと思います。
ご案内
KUONと大槌刺し子の商品は、KUON Flagship Storeやオンラインショップにて、お買い求めいただけます。また、KUONさんの公式noteもぜひ、ご覧ください。
KUON Flagship Store
住所:〒150-0001東京都渋谷区神宮前2-15-10
電話:03-6804-2483
お問い合わせ:store@kuon.tokyo
営業時間:平日13:00-19:00/ 土日祝 12:00-19:00