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「きてみっつあー」レポート 2025/2/8~10

ゆるいのに やることたくさん?!
冬の大槌のアツさ感じる 居・色・自由 の移住体験ツアー
岩手・大槌の“せわすぅー=せわしい”スローライフを味わう旅

田舎での暮らしというと、ゆる~いスローライフを想像する方が多いのではないでしょうか?しかし、仕事に趣味に地域活動、自給自足や害獣対策など…田舎ならではの忙しさがあるんです。
そんな大槌町での暮らしを、まずは覗きに「来てみっつぁ=来てみてよ」という思いで企画・開催した今回の移住体験ツアー。
20代~50代まで7名の参加者さんと過ごした3日間の様子をレポートします!

▼「きてみっつあー」の詳細はこちら



■1日目:2月8日(土) 町と人を知る一日

大槌町の中心市街地にある「大槌町文化交流センターおしゃっち」に集合し、まずは参加者さん同士やスタッフとの顔合わせ。ドキドキ…

13:00 オリエンテーション

スタッフも交えて簡単な自己紹介をし、3日間のスケジュールなどを確認しました。
「おしゃっち」館内にある地図やパネルを見ながら、改めて大槌町の概要を紹介。

14:00 町内ツアー
いよいよ町に繰り出して、ツアーのスタートです!

ツアー日程と全国的な大寒波が重なり、念入りな防寒対策をお願いしていました。
参加者の皆さん、装備は万全です!
最初に訪れたのは、旧役場庁舎跡地です。震災の被害と、復興の歩み…。
まだ新しい建物が目立つ大槌の町並みを、皆さんは真っ直ぐ見つめていました。
続いては城山公園へ。広がる海と山に囲まれ、大槌川と小鎚川に沿って縦に伸びる大槌町の姿を見下ろし「すごーい!」と歓声があがりました。
さっきは山に隠れて見えなかった、大槌町の吉里吉里地区。
海岸沿いに整備された「吉里吉里フィッシャリーナ」と周辺を散策。
町唯一のショッピングモール「シーサイドタウンマスト」。
新鮮な海の幸と山の恵みが並ぶ店頭に皆さん興味津々。

16:00 宿泊先にチェックイン

17:30 懇親会

今回お世話になったのは「居酒屋ゑびす」さん。震災後の仮設商店街にのれんを出していた頃から、美味しいお酒とお料理で多くの町民の心を癒してきました。
さっそく「かんぱーい!」。「NPO法人おおつちのあそび」のお二人も合流。
貴重なお話も伺い、このあとのナイトサファリへの興味が一気に高まります。
目でも美味しいお刺身盛り合わせ。
やはり大槌サーモンのお刺身は外せません。
大槌鹿のステーキ。
臭みが無く、ジビエ料理のイメージが変わる一品!
役場の移住定住担当さんや、大学で建築を学びながら大槌に滞在しているメンバーも加わり、参加者さんは大槌での暮らしや制度について熱心に質問をしていました。

19:30 ナイトサファリ
さて、待ちに待ったナイトサファリ。
まずは「おしゃっち」で説明をうけます。

「鹿って、一頭どれぐらいの重さだと思いますか?」。
最初に投げかけられたこの質問に、皆さんの心がぐっと引き込まれたのを感じました。

期待を胸にバスに乗車。
バスは大槌川沿いを上流に向かって走り、どんどん山間部へと入っていきます。

ポイントに到着すると、いよいよナイトサファリがスタート!
バスの窓を開け、配布されたライトを手に野生動物を探します。

「あそこ!テンだ!毛並みが本当に黄色いんですよ」
「いつもはこの辺りにシカがいるんですが…。そろそろ出演料を払わないとだめかな」
「あっ、いたいた!白いお尻が見えますか?」
「あれは~…キツネですね。おじさんみたいに座ってます」
大槌の自然や野生動物に関する楽しいお話も堪能しながら、夜は更けていきました。

▼「NPO法人おおつちのあそび」さんの詳細はこちら

21:00 1日目終了


■2日目:2月9日(日) 移住と暮らしを考える一日

9:30 「おしゃっち」に集合
参加者さんたちもすっかり打ち解け、和やかな雰囲気で2日目が始まりました。
スタッフの車に分かれて乗り込み、昨日「フィッシャリーナ」を訪れた吉里吉里地区へと向かいます。

10:00 薪割り&ピザづくり体験
お世話になるのは「NPO法人吉里吉里国」さん。大槌町で薪の生産・販売や森林保全整備などに取り組む団体です。

「震災で全て無くなったけれど、振り向けば、森があった」。復興との関わりや、現在の活動についてのお話に、参加者の皆さんは真剣に耳を傾けます。
お天気がよく、海風に身が引き締まる野外。レクチャーをうけると、皆さんはさっそく軽快な音を響かせて薪を割っていきます。
薪割りは、やはり皆さん初心者。それでもスタッフさんがポイントやコツを丁寧に教えてくれるので、帰る頃には薪割りの才能を開花させちゃう人もいるんです。
初めてピザを作る参加者さんは「意外と難しいぞ!」と楽しそうにチャレンジされていました。
参加者さんが実際に作って焼いたピザ!ピザ窯であっという間に焼きあがりました。
出来立てアツアツ、薪ならではの香ばしさも纏ったピザは格別の美味しさです。
なんと、鹿肉を使ったシチューも!冷えた身体に沁みる美味しさ。
「ビーフシチューより好き」と話す参加者さんが多く、なんだか誇らしい。
「吉里吉里国」には、地域おこし協力隊はじめ多くの移住者さんが在籍しています。お腹が満たされたところで、移住者目線の“大槌の生活のリアル”を伺いました。
更に薪割りを極めるもよし、室内で薪ストーブに癒されるもよし…残り時間は思い思いに過ごしました。
すぐ近くの吉里吉里海岸は、冬でも訪れたくなる青さ。

▼「NPO法人吉里吉里国」さんの詳細はこちら

15:30 地元のおばちゃんたちと料理づくり
次なる会場は、大槌町安渡の公民館。
「いらっしゃーい!待ってたよ」と出迎えてくれたのは、地域のお料理自慢“三人娘”。
熱いご指導のもと、おやつと晩御飯の調理が始まります。

■今日のメニュー
~おやつ~
・すすりだんご
~晩御飯~
・サンマのつみれ汁
・マイタケご飯
・メカブ

すすりだんごは、いわゆる“ぜんざい”。だんごの真ん中を少し凹ませるので、
大槌では“へっちょこ(=ヘソ)だんご”とも呼ばれています。
「にんじんはこの切り方、お豆腐はこのぐらいの大きさでいいごった」
「この大きさがミソなんですね」。お料理談義に花が咲きます。
頼りになる“料理男子”な参加者さん。「ありゃー!上手だなぁ」と三人娘も思わずにっこりです。
「なんで“すすりだんご”って呼ぶんですか?」
「あっつぅ(=熱い)のをすするから、すすりだんごさ。昔は山仕事の間に食べてだったんだぁ」

17:15 Uターン者 Naoさんとお話
ここで、大槌で「Pilates Studio 紫苑」を営むNaoさんが合流。
大槌町に帰郷したきっかけや、ピラティスの認知度が低い中でも「大槌に帰ってきてよかった」と感じている現在の暮らしについてお話を伺いました。

お写真の一番左に写っているのがNaoさんです。

「自分が暮らすことで、子どもたちの職業の選択肢を広げたい」と話すNaoさん。お仕事の合間にワンちゃんと吉里吉里海岸を散歩するなど、都会にいた頃は難しかった暮らし方・働き方をを自分らしく楽しんでいるそうです。

▼ Naoさんのインタビュー記事はこちら

18:00 懇親会
日中にお世話になった「吉里吉里国」の面々や、「認定NPO法人カタリバ」のスタッフさんと大槌高校はま留学の生徒さんも加わって、2日目の懇親会がスタート。

みんなで作ったメニューに加え、美味しいお漬物と地元カフェのオードブルも食卓に並びました。
「カタリバ」さんとはま留学生のテーブルでは、学校の勉強や取り組みのこと、下宿先での日々の暮らしなどについてお話をされていました。

19:30 2日目終了


■3日目:2月10日(月) 自然を感じる一日+オプションツアー

7:15 「おしゃっち」に集合
皆さん眠い目を擦りながら「きてみっつあー」最終日が始まりました。
それぞれ車に乗り込み、大槌川上流の金沢地区方面へと向かいます。

7:30 ”プチ”ハンターツアー
担当してくださるのは、1日目夜のナイトサファリでもお世話になった「おおつちのあそび」のお二人です。

シカが入り込むのを待つ“囲いわな”。カメラが設置されており、スマホで様子を見たり遠隔操作ができるのだとか。野山に食べ物が少ない時期は、中にエサを入れているそうです。今日はホウレンソウ。
山に足を踏み入れると、そこはすぐに別世界。さっそく雪の上にシカの足跡がありました。
動物の足跡は、主に足の運び方で種類を判断するそうです。
この日は他に、タヌキやテンの足跡や、リスが齧ったクルミの殻などを見ることができました。
続いて“くくりわな”の説明とデモンストレーション。地形からシカの通り道を予想したり、石や木で障害物を作って誘導するなど、まさに自然との駆け引きです。
モデルガンを使い、山中に置いたシカのパネルを狙ってみる体験では、猟師さんがシカと対峙する距離の遠さに驚きの声が上がりました。

9:30 宿泊先をチェックアウト

10:45 「きてみっつあー」振り返り

長いようであっという間だった3日間。
「実際に聞く大槌の人のお話は、重みが違いました」
「都会には無い働き方、暮らし方があることを初めて実感しました」
「旅行では感じられない大槌の魅力がみっちりたっぷりの3日間でした」
…お互いの感想に頷き合う参加者さんたち。
感謝の言葉をいただき、思わずスタッフも感極まります。

「大槌百年之業協同組合」と、大槌町の地域おこし協力隊制度についてもご紹介しました。

12:00 ツアー終了・解散
参加者さんたちはお話が尽きず、ギリギリまで別れを惜しんでいました。
スタッフも時間の許す限り、お一人お一人の質問に対応させていただきました。


14:00 オプションツアー
ここからは、ご希望の方のみが参加するプログラムです。
今回は「おおつちおばちゃんくらぶ」さんでサケのマスコットづくりを体験しました。

「おばちゃんくらぶ」さんが手掛ける「Shake Hand」プロジェクト。大槌のおばちゃんたちが手作りした無地のサケのマスコットに、全国の人たちが刺繍やペイントを施して里帰りさせる…。生まれた川に戻ってくるサケの習性になぞらえた取り組みです。
▼詳しくはこちら

たくさんあるデコ素材を前に、目を輝かせる女性陣。
どんなサケにデコろうか、それぞれイメージを膨らませつつ作業スタート。

1時間ほどで、個性豊かなサケが出来上がりました。

参加者さんの作品
参加者さんの作品
参加者さんの作品

せっかくなので、スタッフも一緒にマスコットづくりを体験しました。
このサケたちのように、また皆さんが大槌に遊びにきてくれたらいいな…。


■まとめ

さて、ツアーの内容のみならず、この記事も“大槌の魅力みっちりたっぷり”でお送りしました。
今回の参加者さんを対象に行ったアンケートの結果、満足度はなんと100%!
「町での暮らしのイメージができました」
「とても貴重な体験をさせていただき感謝しています」
「人生観を変えられた濃い3日間でした!」
…などの声が寄せられました。
ご参加いただいた皆さん、ご協力いただいた事業者の皆さん、本当にありがとうございました。

最後に、ここまで読んでくださったあなたにも、ありがとうございます。
写真と文字だけでもこんなに“せわすぅー”大槌のスローライフ、ご堪能いただけたでしょうか。

え?これだけじゃ伝わらない…?
なになに?大槌町に行ってみたい?

…んだば、まずは「来てみっつぁ!」
大槌で待ってっからねぇ。

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