談____1_

私の家系は、猫派だ。

母方の実家には常に猫が数匹飼われていた。

猫屋敷という状態だ。

昔ながらの家は、玄関の入り口が高くなっており、子供の身長では玄関からよじ登るのも一苦労だった思い出がある。

そんな実家で育った私は、まるで猫のように屋根に上り、木に登り、いや・・猿の方かもしれないが・・・

とは言え、猫が屋根で昼寝をする事もできないぐらいに、屋根の上を昇り降りしてわきゃわきゃと騒いでいた事を思い出させる。

猫が庭の塀をスタスタと歩いて散歩をするように、庭の塀に上り歩くことも多かった。

まるで、地面に落ちたら敵にやられるというヒーローとしてはあるまじき失態をしないために、日々訓練に明け暮れているかのような危機感を持って、決して地面には降りないでいた。そんな遊びの日々があったのだ。

見方によって、猫屋敷の猫が取り付いたかのような・・むしろ、猿に近いけれども

きっと猫のようにきままに育っていたのだろう。

そんな我が実家にも、猫を飼う日が来た。

捨て猫を拾ってきたのである。拾ってきたのは私ではない。

こうして私が二十代のころには、我が実家にはいつの間にか捨て猫が2匹となり、そして年を取った最初に拾ってきた猫は私が三十代になった頃に旅立ち、今は1匹の黒猫が優雅に暮らしているのである。

たまに、私の子どもたちを連れて実家に帰ると、黒猫はそそくさと逃げて子どもたちから隠れるのだが、うちの息子はその黒猫を追いかけまわしてわきゃわきゃしているのだ。黒猫はとんだ迷惑を被っていることだろう。

猫というと、呪いとか不吉の前兆に使われることがある。

猫の祟りだのそういう類だ。

もし、猫の祟りだのがあるのであれば、私は自分が子供の頃に数多くの猫の亡霊を身につけているかもしれない。可愛く言うと、「ジバニャン」だ。

私の身の回りでは、多くの猫が旅立っていったのだから、何匹かついていてもおかしくはないだろう。オレの友達~~~~~!

まあ、それはさておき。

猫は可愛いな。

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