坂の上のつくも|ep1「鈴の行方」 |📕創作大賞2024応募作品📕
付喪神って見たことある?
この世界には、いないなんて思ってたかな?
残念。俺の世界では普通にいるんだ。
長年大事にされた物は命を得る。茶碗や花瓶のような物から、建物だって例外ではない。
もちろん、建物そのものが歩き出したら、街が壊れて大変なことになる。だから、大きなものは人や動物の形を借りて、歩き出すんだ。
この街には、そんな命を持ったモノたちが昔からたくさんいる。
これは、そんなモノたちと、人間の物語―――。
episode1 鈴の行方 「付喪神と便利屋」
高校3年生の進路指導で、将来の目標を聞かれ、俺は「平和な生活」と答えた。それを聞いた先生は、一瞬あっけに取られてから、すぐに怖い顔をした。
俺としては、真剣に答えたつもりだったけれど、ふざけているとしか受け取られなかったんだ。
だって、明日だって何をしてるか分からないのに、そんな先のこと聞かれたって分からないだろ?
そんなんだから、結局、俺は進学も就職もしなかった。
親からは、まぁ好きにしなさいと、半分呆れられながら放任されて、しばらくはふらふらと、自由気まま好き勝手に生活していた。
だけど1人だけ、そんな俺を心配してくれたヒトがいた。
それがスハラ。
スハラは、旧寿原邸という立派な建物が命を得た者。凛とした感じの女性で、見た目は俺と同じくらいの年齢。だけど、付喪神なだけあって中身の年齢はウン十歳。
正確な年齢が分からないのは、前に一度だけ年齢を聞いてみたときに、グーで思いっきり殴られたから。それ以来、年齢に関してはタブーなんだ。
俺が小さいときからかまってくれて、ことあるごとに顔を合わせていたスハラは、俺がフリーター(って言ったほうが聞こえがいいだろ?)をしていると聞いて、心配して会いに来てくれた。
俺としては、好きでフリーターをしているから心配無用なんだけど、あの時のスハラの心配そうな顔は、なんかちょっと悪いことをしてるようだった。
だから、考えた。
この街のことは好きだ。だから、仕事も勉強もしたくないけど、街の役に立つことをしよう。
というわけで、俺は、便利屋を始めてみることにした。
それはちょっとした思い付きで、単純にマンガの「銀魂」をマネてみたってのもあるけど、ペット探しや高齢者の買い物の手伝いとか、できることからやってみればいいんじゃないかと思ったんだ。
それをスハラに伝えたとき、彼女は「やっとやる気になった?」と、とても嬉しそうな顔をしてくれた。
でも、正直一人で始めるのは不安だと俺が言うと、スハラは「じゃあ私が手伝うよ」と積極的な言葉をくれた。
だから、俺は、いや、俺たちは、今、何でもやる便利屋として街の人々の手伝いや、困りごと解決の手助けをしている。
と言っても、大それたことはしていなくて、買い物の手伝いや庭の手入れ、迷子のペット探しとか、ちょっとしたことばかりだ。
それだけ街は平和なんだろうな。
うん、良いことだ。
episode1 鈴の行方 「狛犬・獅子からの依頼」
「ひまだなー」
事務所と勝手に呼んでいるスハラの家で、俺は今日ものんびり過ごす。
先週は、近所の川の掃除や公園の花壇の手入れなんかの依頼で結構忙しかったのに、今週に入った途端、ぱったり依頼は来なくなってしまった。
そして今日、金曜日まで、何事もなく時間が過ぎている。
「平和っていいなー」
縁側で日向ぼっこをして伸びている猫のごとく背伸びをする。
便利屋を仕事としている以上、依頼がないのはイコール仕事がないわけだけど、自分の出番がないというのは、困っている人はいないということだ。
「今日はもう帰っちゃおうかなー」
まだ昼過ぎだというのに、気の抜けた独り言とあくびをしていると、外から帰って来たスハラに頭を小突かれる。
「尊(たける)、何のんきなこと言ってんの。依頼者、連れてきたよ」
そういうスハラの後ろには、2匹の小型犬。いや、小型犬に見えるけど、決して犬ではないイキモノ。
「テンとスイじゃん。どうしたのさ」
水天宮の獅子・狛犬の2匹は、獅子がテンで、狛犬がスイ。付喪神となっているこの2匹は、神社にいるのはつまらないらしく、よくこの姿であちこちを散歩して、ほぼ犬のような存在として生活している。
ついでに言うと、水天宮も人の姿を得て生活している。ミズハっていう名前の、超が付く天然の巫女だ。
俺は、スハラのご近所さんである水天宮のミズハや、この獅子たちとも顔なじみだった。
で、そんな獅子たちが一体どうしたというのか。
「我の鈴を探してほしいんだ」
泣きそうな声でテンが言う。
「鈴?」
俺の問いに答えたのは、見るからにしょぼんとしているテンではなくて、スハラだった。
「ミズハからもらった、テンとスイのお揃いの鈴なんだって。今朝まではあったけど、気づいたらテンのものだけなくなってたらしい」
「我の鈴…どこかで落としたんだと思う」
「大丈夫、きっと見つかるよ」
スハラにポンポンと頭をなでられて慰められたテンは、とうとう、さめざめと泣き出してしまった。それを慰めるスイも、おろおろとして泣きそうな顔をしている。
俺はそんな2匹をなだめながら話を聞いていく。詳しい話はこうだった。
鈴は、2匹が付喪神として動けるようになった記念にミズハがくれたもので、ずっと前足につけていたもの。
今朝、2匹で散歩に出発したときには、確かに鳴っていたらしい。しかし、運河辺りに来た時、テンの鈴の音がしなくなっているのに気づいて、2匹で慌てて来た道を探したが、どこにも見つからなかった。
そして、困った2匹は、ちょうどそばを通りかかったスハラに相談して、ここに来るに至った。
スイの鈴だけが、ちりん、となる。
「本当に、どこにも落ちてなかったのか?」
「我らはちゃんと探したよっ。なのに、どこにもなかった…」
話を聞き終えて俺が聞くと、スイが怒ったように言うが、語尾がどうしても泣きそうだ。テンは怒る元気もないらしい。
俺は、「悪い」と言いながら、慰めるようにスイの頭をなでるが、尻尾がしょんぼりしている。
たかが鈴、とも思うが、彼らにとってはよほど大切なものなんだろう。見てて可哀そうなくらい落ち込んでいる。
そんな小さなものが見つかるだろうかと思うが、幸い、今日は暇な上に、まだ日は高い。
スハラを見ると、頷いてくれる。
善は急げ。
「じゃあ、早速探しに行くか」
俺が立ち上がると、2匹は少しだけ嬉しそうに尻尾を振った。
episode1 鈴の行方 「散歩?」
まずは、2匹の家である水天宮から探してみることにした。
水天宮の境内はなかなかの広さだが、奥の本殿と真ん中にある2匹の台座以外は、敷地の隅に大きな木があるくらいで、とても見晴らしがいい。
だから、ここで何か物を落としたとしても、例えば風で飛ばされるとか、誰かが拾っていくとかしない限り、すぐに見つかるだろう。
「いつもどおり、ここから出発したんだ。鈴はちゃんとなってた」
テンは、一度台座に戻り、姿勢よく座ってから、ふわっと飛んでスハラの目の前に降り立つ。陽の光を反射するテンの毛並みが、本当の犬のようだ。
「テン、今日のルートを覚えてる?失くした時と、同じように歩いてみて」
スハラの言葉に、テンだけでなくスイもうなずいて歩き出す。
「ここから、そっちの階段を下りて行ったんだ。いつもと違うことはしてないよ」
外人坂へつながる急な階段を下りていく。みんなできょろきょろと地面を探しながら下りていくが、階段には鈴は落ちていないようだ。
「ここからどこへ行ったの?」
スハラに聞かれたテンは、自分たちが進んだほうへ顔を向ける。
「右に曲がって、メルヘン交差点へ行ったよ」
歩き出す2匹に、俺とスハラはついていく。もちろん、ちゃんと鈴を探しながら。
メルヘン交差点まで来ると、2匹は匂いを探すように、鼻を上げる。
「いつも、我らはあそこでおやつをもらうんだ」
スイが顔を向けた先は、チーズケーキが有名な店。確かに、よく店先で試食できるけど。
「動物がケーキ食べていいのかよ」
「我らは、神だから大丈夫」
俺の皮肉のような問いは、簡単に打ち破られる。いや、かといって神様が試食ってどうよ。
店の前まで行くと、店員が出てきてくれた。
「あれ、スイもテンもまた来たんだね。何か食べる?」
いつも来るたびに何か食べているのだろう。店員は自然な手つきで何か食べられるものを探し始めるが、テンがそれを遮った。
「違うんだ。あのね、鈴を探してるんだけど、見てない?」
鈴?と、お菓子を探す手を止めずに不思議そうな顔をする店員に、スハラが説明してくれる。
「テンの鈴を探してるんだ。スイがつけてるものとお揃いもので、どこで落としたかもわからないんだけど…見た記憶はありませんか?」
店員は、少し考えるような素振りをしたあと、見てないなぁと難しい顔をして言った。
「鈴かぁ、あまり気にしたことなかったけど…ここに来たときは音がしてたような気もするし…でもあれはスイの鈴の音だったのかなぁ」
いまいち記憶のはっきりしない店員は、ごめんねと言って、覚えていないお詫びにとクッキーを、スイとテンだけでなく、俺たちにもくれた。
episode1 鈴の行方 「付喪神の仲間」
もらったクッキーを食べながら、次に立ち寄った場所へ向かう。もちろん、どこか鈴が落ちていないか探しながら。
次に来たのは、昔は時計店を営んでいたという古い建物だった。
「ここで、我らはちょっとおしゃべりしていったんだ」
こんにちはと、勝手知ったる様子で中へ入っていく2匹に続いて、俺とスハラも入っていく。
「スイ、テン、朝ぶりだね」
迎えてくれたのは、店主のオルガ。音楽家でもある彼女は、この時計店だった建物の付喪神だ。
2匹と一緒にいる俺とスハラを見て、何か事情を察したオルガはどうしたの?と聞いてくれるが、事情を聞いても、首をひねるだけだった。
「鈴は落ちてなかったし、ここに来た時、2人とも鈴はついていたわ」
よく覚えてるねと俺が言うと、オルガは当たり前というような笑顔で返してくれる。
「記憶力もあるけど、耳は良いほうだから」
さすが音楽家。音に関しては自信があるというオルガは、念のためと言って、奥にいる誰かに声をかける。
「朝、鈴付けてたよね?」
あぁと、気のない返事をして現れたのは、時計店には似つかわしくない、怖い顔をした青年、サワさんだった。
サワもいたんだというスハラに、サワさんはちょっと睨んだような眼を向ける。
「いたら悪いかよ」
「いや、相変わらず入り浸ってんだなーと思って」
スハラが言うとおり、サワさんは、よくこの時計店にいる。
サワさん自身は、旧澁澤倉庫っていう、あの渋沢栄一ゆかりの倉庫の付喪神なんだけど、どういうわけか、日中はほとんどここにいる。
何か理由があるらしいけど、サワさんって見た目もなんかちょっと怖いし、キレるとなおさらめちゃくちゃ怖いから、俺は訊けないまま今に至る。
「サワも鈴、見なかったんだね?」
サワさんの冷たい目を無視して話を続けるスハラに、サワさんは見てないし、お前らちゃんと鈴してたぞと、スイとテンの頭をわしゃわしゃとなでる。
なでられて2匹は気持ちよさそうに目を細めるが、そこで和んでいる場合ではないはずだ。
「ここでもないなら、次探さなきゃな」
つぶやく俺に、サワさんが2匹をなで続けながら言う。
「ミズハからもらった鈴だろ。ミズハに言えばすぐ見つかんじゃねーの」
ミズハは、そういう「気配」に敏感だ。だから確かに、頼めばすぐ見つけられるかもしれない。
しかし。
「いやだ、ミズハには失くしたなんて言えない」
テンは、今日何度目かの泣きそうな声で言う。
「我らは自分たちで探すんだ」
スイも、テンを庇うように言うと、サワさんは、そっかと言って立ち上がった。
「今日は風の音がなんか変だ。お前ら、気をつけろよ」
オルガとはちょっと違う意味で、「耳」のいいサワさんからの忠告。
俺たちは、時計店を後にした。
episode1 鈴の行方 「諦め」
2人と2匹で運河沿いを歩く。
2匹は、さっきよりずっとしょんぼりした雰囲気で、とぼとぼ歩くその姿に、神社とかでよく見る「獅子・狛犬」の凛々しい感じはどこにもない。
そんな2匹の姿に、スハラも口数が少ない。
きょろきょろしながら進んでいくと、浅草橋のあたりで、突然、2匹は立ち止まって、こっちを振り向いた。
「ここで、我の鈴がないことに気づいたんだ」
「落としたような音はなかった。だけど、急に音が聞こえなくなった気がして、見たらテンの鈴がなかったんだ」
ここから先には、行っていない。そして、ここまでのどこにも鈴は落ちてなかった。
ということは、この辺りに鈴はあるはずだ。だけど。
「この辺りにもなさそうね」
スハラが、地面を見回してから言う。
辺りにそれらしいものは見当たらない。俺は、予想していたことを言葉にする。
「誰かが拾ったのかしれないな」
「でも、さっき寄った案内所には届いてなかったよ」
スハラの言う案内所は、運河沿いにあって落とし物センターみたいな役割も果たしている。この近辺で拾われたものはそこに届くことが多いことから、ここに来る途中でもあるし、先に寄って、落とし物の確認はしてきていた。
「きれいな鈴だから、拾った人が持って行っちゃったとか」
すごくきれいな鈴だもんなと、俺が付け足すと、スイはもう見つからないのかな、なんて悲しそうな声で言う。テンはもうしくしく泣いていた。
俺の言葉は、2匹に追い打ちをかけるような言葉になってしまったようで、スハラに小突かれる。俺は慌てて励ましの言葉を探した。
「いや、大丈夫だって。探しているヒトがいるってわかったら、持っていった人もきっと返してくれるよ」
付け足した言葉は、励ましにも何にもならなかったらしい。テンは変わらずしくしく言っている。
陽も傾いて、空がいつの間にか赤く染まっている。風もどことなく冷たい。
「スイ、テン、明日改めて探そう。今日はきっとこれ以上探しても見つからないよ」
スハラの提案に、スイが頷く。テンは頷く元気もない。
踵を返したスハラに、スイはついていくが、テンはその場から動かない。このままここで泣きながらとどまるわけにもいかないし、俺はテンに歩き出すようなんとか促して、スハラたちのあとについていった。
episode1 鈴の行方 「謎の始まり」
水天宮につく頃には、辺りはすっかり暗くなっていた。そして、境内には人影があった。
「スイ、テン、どこに行ってたの?」
心配した顔で待ってたのは、ミズハだった。
いつもは暗くなる前に帰ってくる2匹が、なかなか帰ってこないものだから、心配して外で待っていたようだ。
ミズハの心配をよそに、テンは、ミズハから目をそらす。しかし、超がつく天然のミズハでも、いつもとは違うその態度を見逃すことはなかった。
「テン、どうしたの?何かあったの?」
スイは、おろおろするばかり。
困ったテンは、とうとう泣き出して、ミズハに謝った。
「ミズハ~、ごめんなさい、鈴、どっかいっちゃったぁ…」
うわーんと泣く狛犬に、ミズハは動じることなく、あらあら泣かないのなんて緊張感のない言葉をかける。そしてポケットから何かを取り出す。
「探してるのはこれかしら」
ちりん。
ミズハの手には、今日一日探していた鈴が乗っていた。
「え、なんで」
素っ頓狂な声を上げたのは、俺。
スハラは、隣で頭にハテナをたくさん浮かべて言葉を失っている。
「これ!どこで!」
きょとんとしているテンに代わって、スイが聞く。
ミズハはのん気に、さっきそこで拾ったのよ~なんて笑っているが、スハラが俺たちを代表して疑問を口にした。
「ミズハ、鈴はどこで拾ったの?いつ…?」
「スハラも探してくれてたのね、ありがと~。これはついさっき拾ったのよ。帰ってこないな~って思ってうろうろしてたら、スイの台座の下で見つけたの」
その言葉に、俺たちは違和感を感じていた。
だって、そこは最初にしっかり探している。そして、間違いなく落ちていなかった。でも、誰もその疑問を口に出せない。
冷たい風が吹く。
「冷えてきたし、おうちに入りましょう、ね?」
俺たちの違和感を知ってか知らずか、ミズハは何事もなかったように笑っている。
俺は、気を取り直して、明るい声で2匹に依頼終了を告げた。
「よし、これで今日の依頼は終わりっ。俺たち、役に立たなかったようだけど…。テン、鈴、見つかってよかったな。また何かあったら、スハラや俺に声かけてよ」
そうだね、見つかってよかったねと俺に続けたスハラは、どうやらさっきの違和感を飲み込んだようだ。
スイとテンも、気を取り直して俺たちに向き合った。
「今日は、探してくれてありがとう」
「我らを助けてくれてありがとう」
俺とスハラは、またねと手を振って、2匹たちと別れた。
冷たい風は、まだ吹いていた。
※ ※
男が運河沿いで拾った鈴は、すぐに誰の物か見当がつくものだった。
あの女が連れている犬たちがつけているもの。
―――気に入らない。
そもそも男は、人間と仲良くすることに懐疑的だった。それに、自身の性格上、人と慣れあうのは性に合わない。
手の平の鈴を見つめ、いっそ運河に捨ててしまおうかと考える。だが。
―――あいつらを困らせても、面白くはない、か。
思案の末、ポケットに鈴を突っ込むと、男は、商店街に足を向ける。
しばらく歩くと、男は、男の足並みに合わせて、ちりんと音を立てる鈴の音に嫌気が差してくる。
辺りを見回しても、その辺に鈴を捨てられるような場所はない。
男は、小さく舌打ちをして、連れていた梟に鈴を持たせる。
そして、誰にも聞こえない声で何かを命じると、梟は音もなく飛び去って行った。
※エピソード一覧
・第1部
ep1「鈴の行方」←今回のお話
ep2「星に願いを」
ep3「スカイ・ハイ」
ep4「歪んだココロ」
ep5「ねじれたモノ」
ep6「水の衣」
ep7「嵐の前の静けさ」
ep8「諦めと決意」
ep9「囚われの君へ」
・第2部
ep1「北のウォール街のレストラン」
ep2「高嶺の花」
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古き良きを大事にする街で語られる、付喪神と人間の物語をどうぞお楽しみくださいませ。
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