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#観察の練習 〜大人がつくったものは”完璧なもの”だと信じていた話〜
※約1800文字(所要時間2〜3分)
/* 最近、fladdictさんのTwitterでnoteの面白い記事をよく見かけるので自分もnote始めてみました。さて、いつまで続くかな。 */
僕はこどもの頃から社会人になるまで、世の中に存在するもの=大人がつくったものは「完璧なもの」だと無意識のうちに信じていました。
しかし自分が大人になり「社会に対して何かの価値を生み出す側の立場」になってくると、世の中に存在するモノやルール、そこから生まれた事象には「テキトーに作られたもの」や「しょうがないけど皆ガマンしていること」もたくさん潜んでいるということに気付き始めたのです。
時代や生活スタイルの変化に仕組みが追いついていないケースなんかもそうだと思います。満員電車や、無駄の多いお役所的な手続きなど…。
缶コーヒー、ジョージアのコピーで「世界は誰かの仕事で出来ている。」というハッとする言葉がありますが、本当にその通りだと思います。
誰もが絶賛する良い仕事もあれば、
そうでない仕事も、もちろんある。
予算やスケジュール都合で妥協してつくられたもの。
上の人に言われたからとりあえず対処療法的につくられたもの。
複雑な社内事情から生まれてしまった、誰が見てもおかしいもの。
そういったものが、グッドデザインと一緒に世の中にリリースされている。
これが社会なんだと。
もちろん誰だって、精一杯やっていると思います。それでも、まだまだ世の中には「もっとこうしたほうが良くなる」ことで溢れています。
***
さて、ここまで偉そうなことを言っておいて、自分はどうなのか。自分自身がこれまでにやってきた仕事を振り返ってみて、すべてが完璧だったかと問われるとやっぱり全然そうではありません。
それでも、ちゃんと計算されたもの・洗練されたものや、誰かが喜んでくれるものを生み出したい。カッコいい仕事が出来る大人でいたい。
では、どうしたらいいか?
そのためには、常日頃から何事に対しても作り手や使う人の視点で観察することが大事だと思うのです。特に「人の無意識」の仕組みを知ることはクリエイターにとって大事なことではないかと。
…あ、出た、「クリエイター」って言葉。
「デザイン」のように人によってだいぶ解釈の違う言葉を使ってしまったので、自分の考える「クリエイター」の定義について書いてみます。
クリエイターとは、世の中の出来事や物事に対して「不満やダメ出しのリアクション」をするのではなく、思わず「自分だったらこうする」と考えてしまう人のこと。
自分の専門分野でなくてもとにかく「自分だったらこうする」「こうすればもっと良くなるのでは?」とアイデアを考えてみるのがいわば趣味の人。たとえそれが直接仕事やお金につながらなくても。
だから、誰もがクリエイターになれるし、逆に油断していたり思考停止してしまうとクリエイターではなくなってしまいます。なので、クリエイターは職業や業種ではなく一種の「状態」であると思うのです。
そうやって「日々の鍛錬」を積み重ねているからこそ、仕事でも求められた時に良いアイデアが出せるのではないでしょうか。
24時間、クリエイター状態でありたいものです。
「観察の練習」という一冊の本との出会い
24時間クリエイター状態でありたい自分がこの本と出会い、非常に影響を受けました。研究者/映像作家/多摩美術大学美術学部統合デザイン学科専任講師の菅俊一さんが書かれた「観察の練習」という本です。
読了後、ワークショップ的に「#観察の練習」というハッシュタグをつけてSNS投稿する習慣を心がけているのですが、これがなかなか難しい...。
要は、身の回りの風景で感じたちょっとした違和感を観察したり想像してみたりする練習なんですが、身の回りに溢れる面白いものに対するツッコミで終わってしまいがちなのです。これがTwitter慣れした思考なのか...と。
そんなとき、Twitterで「#観察の練習」と検索すると、他の人が投稿した気付きを見つけることができるので、なんだかみんなで本の続きを更新しているような感覚で嬉しくなります。
そして興味深いのが、Twitterと比較すると、Instagramの「#観察の練習」ハッシュタグでは本の表紙をカッコよく撮影した「読了、面白かったです。」的な投稿が目立つということ。これがInstagram的な思考なのか...と。
写真付きで眺めて見るのが観察の練習の醍醐味だと思うので、Instagramでも自分が見つけた「#観察の練習」を投稿する人がもっと増えるといいな...。
あなたも「観察の練習」の本の続きを更新してみませんか?(NUMABOOKSさんの回し者ではありません笑)